理事、監事 又は会計監査人(以下この節 及び第三百一条第二項第十一号において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、一般社団法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
第八款 役員等の損害賠償責任
理事が第八十四条第一項の規定に違反して同項第一号の取引をしたときは、当該取引によって理事 又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
第八十四条第一項第二号 又は第三号の取引によって一般社団法人に損害が生じたときは、次に掲げる理事は、その任務を怠ったものと推定する。
第八十四条第一項の理事
一般社団法人が当該取引をすることを決定した理事
当該取引に関する理事会の承認の決議に賛成した理事
前条第一項の責任は、総社員の同意がなければ、免除することができない。
前条の規定にかかわらず、役員等の第百十一条第一項の責任は、当該役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、第一号に掲げる額から第二号に掲げる額(第百十五条第一項において「最低責任限度額」という。)を控除して得た額を限度として、社員総会の決議によって免除することができる。
当該役員等がその在職中に一般社団法人から職務執行の対価として受け、又は受けるべき財産上の利益の一年間当たりの額に相当する額として法務省令で定める方法により算定される額に、次のイからハまでに掲げる役員等の区分に応じ、当該イからハまでに定める数を乗じて得た額
代表理事
六
代表理事以外の理事であって、次に掲げるもの
四
理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの
当該一般社団法人の業務を執行した理事((1)に掲げる理事を除く。)
理事(イ 及びロに掲げるものを除く。)、監事 又は会計監査人
二
前項の場合には、理事は、同項の社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
責任の原因となった事実 及び賠償の責任を負う額
前項の規定により免除することができる額の限度 及びその算定の根拠
責任を免除すべき理由 及び免除額
監事設置一般社団法人においては、理事は、第百十一条第一項の責任の免除(理事の責任の免除に限る。)に関する議案を社員総会に提出するには、監事(監事が二人以上ある場合にあっては、各監事)の同意を得なければならない。
第一項の決議があった場合において、一般社団法人が当該決議後に同項の役員等に対し退職慰労金 その他の法務省令で定める財産上の利益を与えるときは、社員総会の承認を受けなければならない。
第百十二条の規定にかかわらず、監事設置一般社団法人(理事が二人以上ある場合に限る。)は、第百十一条第一項の責任について、役員等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がない場合において、責任の原因となった事実の内容、当該役員等の職務の執行の状況 その他の事情を勘案して特に必要と認めるときは、前条第一項の規定により免除することができる額を限度として理事(当該責任を負う理事を除く。)の過半数の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)によって免除することができる旨を定款で定めることができる。
前条第三項の規定は、定款を変更して前項の規定による定款の定め(理事の責任を免除することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合、同項の規定による定款の定めに基づく責任の免除(理事の責任の免除に限る。)についての理事の同意を得る場合 及び当該責任の免除に関する議案を理事会に提出する場合について準用する。
第一項の規定による定款の定めに基づいて役員等の責任を免除する旨の同意(理事会設置一般社団法人にあっては、理事会の決議)を行ったときは、理事は、遅滞なく、前条第二項各号に掲げる事項 及び責任を免除することに異議がある場合には一定の期間内に当該異議を述べるべき旨を社員に通知しなければならない。
ただし、当該期間は、一箇月を下ることができない。
総社員(前項の責任を負う役員等であるものを除く。)の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、一般社団法人は、第一項の規定による定款の定めに基づく免除をしてはならない。
前条第四項の規定は、第一項の規定による定款の定めに基づき責任を免除した場合について準用する。
第百十二条の規定にかかわらず、一般社団法人は、理事(業務執行理事(代表理事、代表理事以外の理事であって理事会の決議によって一般社団法人の業務を執行する理事として選定されたもの及び当該一般社団法人の業務を執行したその他の理事をいう。次項 及び第百四十一条第三項において同じ。)又は当該一般社団法人の使用人でないものに限る。)、監事 又は会計監査人(以下この条 及び第三百一条第二項第十二号において「非業務執行理事等」という。)の第百十一条第一項の責任について、当該非業務執行理事等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内であらかじめ一般社団法人が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を非業務執行理事等と締結することができる旨を定款で定めることができる。
前項の契約を締結した非業務執行理事等が当該一般社団法人の業務執行理事 又は使用人に就任したときは、当該契約は、将来に向かってその効力を失う。
第百十三条第三項の規定は、定款を変更して第一項の規定による定款の定め(同項に規定する理事と契約を締結することができる旨の定めに限る。)を設ける議案を社員総会に提出する場合について準用する。
第一項の契約を締結した一般社団法人が、当該契約の相手方である非業務執行理事等が任務を怠ったことにより損害を受けたことを知ったときは、その後最初に招集される社員総会において次に掲げる事項を開示しなければならない。
第百十三条第二項第一号 及び第二号に掲げる事項
当該契約の内容 及び当該契約を締結した理由
第百十一条第一項の損害のうち、当該非業務執行理事等が賠償する責任を負わないとされた額
第百十三条第四項の規定は、非業務執行理事等が第一項の契約によって同項に規定する限度を超える部分について損害を賠償する責任を負わないとされた場合について準用する。
第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第百十一条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。
前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。
役員等がその職務を行うについて悪意 又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
次の各号に掲げる者が、当該各号に定める行為をしたときも、前項と同様とする。
ただし、その者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
理事
次に掲げる行為
計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載 又は記録
基金(第百三十一条に規定する基金をいう。)を引き受ける者の募集をする際に通知しなければならない重要な事項についての虚偽の通知 又は当該募集のための当該一般社団法人の事業 その他の事項に関する説明に用いた資料についての虚偽の記載 若しくは記録
虚偽の公告(第百二十八条第三項に規定する措置を含む。)
監事
監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載 又は記録
会計監査人
会計監査報告に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載 又は記録
役員等が一般社団法人 又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合において、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯債務者とする。