この法律は、健全な独立の中小企業が、国民経済を健全にし、及び発達させ、経済力の集中を防止し、且つ、企業を営もうとする者に対し、公平な事業活動の機会を確保するものであるのに鑑み、 中小企業を育成し、及び発展させ、且つ、その経営を向上させるに足る諸条件を確立することを目的とする。
国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の規定に基づいて、経済産業省の外局として、中小企業庁を置く。
中小企業庁の長は、中小企業庁長官とする。
中小企業庁は、第一条の目的を達成することを任務とする。
中小企業庁は、前条の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
中小企業の育成 及び発展を図るための基本となる方策の企画 及び立案に関すること。
中小企業の経営方法の改善、技術の向上 その他の経営の向上に関すること。
中小企業の新たな事業の創出に関すること。
中小企業に係る取引の適正化に関すること。
中小企業の経営の安定に関すること。
中小企業に対する円滑な資金の供給に関すること。
中小企業の経営に関する診断 及び助言 並びに研修に関すること。
中小企業の交流 又は連携 及び中小企業による組織に関すること。
中小企業の経営に関する相談 並びに中小企業に関する行政に関する苦情 若しくは意見の申出 又は照会につき、必要な処理をし、又は そのあつせんをすること。
前各号に掲げるもののほか、中小企業に関し他の行政機関の所掌に属しない事務に関すること。
所掌事務に係る国際協力に関すること。
前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき中小企業庁に属させられた事務
中小企業庁は、中小企業に関係がある事項に関し、行政庁に対し報告 又は資料の提出 その他必要な協力を求め、且つ、行政庁に対し意見を述べることができる。
行政庁は、中小企業に対する金融 又は物資の割当の基本となる方策 その他 中小企業に特に関係がある重要な方策を定めようとするときは、中小企業庁にその旨を通知しなければならない。
中小企業庁は、国会に提出される議案につき、中小企業に関係がある事項に関し、意見を提出することができる。
中小企業者は、行政庁の行為により不当にその事業を阻害されたとき、又は他人の行為により不当な取引制限を受け、若しくは他人の行為が不公正な取引方法であると認めるときは、中小企業庁にその事実を申し出ることができる。
前項後段の場合において、中小企業庁は、必要があると認めるときは、意見を附して当該事件を公正取引委員会に移すものとする。
中小企業庁は、中小企業者が他の事業者の不当な取引制限 若しくは不公正な取引方法によりその事業を阻害されているかどうか、又は中小企業等協同組合の組合員が小規模の事業者であるかどうかを調査し、公正取引委員会に対しその事実を報告し、及び適当な措置を求めることができる。
公正取引委員会は、中小企業等協同組合が私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)第二十二条各号の要件を備える組合でないと認める場合 又は中小企業等協同組合の組合員が実質的に小規模の事業者でないと認める場合において、同法第五十条第一項の規定による通知をしたときは、その旨を中小企業庁に通知しなければならない。
中小企業庁は、中小企業の経営の向上に資することができる設備 及び技術に関し、試験研究機関の協力を求めることができる。
別に法律で定めるところにより経済産業省に置かれる審議会等で中小企業庁に置かれるものは、中小企業政策審議会とする。
中小企業政策審議会については、中小企業基本法(昭和三十八年法律第百五十四号。これに基づく命令を含む。)の定めるところによる。