会社法

# 平成十七年法律第八十六号 #

第一款 募集事項の決定等

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和五年六月十四日 ( 2023年 6月14日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十三号による改正
最終編集日 : 2024年 03月22日 10時14分

1項

株式会社は、その発行する株式 又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集株式(当該募集に応じてこれらの株式の引受けの申込みをした者に対して割り当てる株式をいう。以下 この節において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

募集株式の数(種類株式発行会社にあっては、募集株式の種類 及び数。以下 この節において同じ。

二 号

募集株式の払込金額(募集株式一株と引換えに払い込む金銭 又は給付する金銭以外の財産の額をいう。以下 この節において同じ。)又はその算定方法

三 号

金銭以外の財産を出資の目的とするときは、その旨 並びに当該財産の内容 及び価額

四 号

募集株式と引換えにする金銭の払込み 又は前号の財産の給付の期日 又はその期間

五 号

株式を発行するときは、増加する資本金 及び資本準備金に関する事項

2項

前項各号に掲げる事項(以下 この節において「募集事項」という。)の決定は、株主総会の決議によらなければならない。

3項

第一項第二号の払込金額が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、前項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。

4項

種類株式発行会社において、第一項第一号の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定は、当該種類の株式を引き受ける者の募集について当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨の定款の定めがある場合を除き、当該種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。


ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。

5項

募集事項は、第一項の募集ごとに、均等に定めなければならない。

1項

前条第二項 及び第四項の規定にかかわらず、株主総会においては、その決議によって、募集事項の決定を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に委任することができる。


この場合においては、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限 及び払込金額の下限を定めなければならない。

2項

前項の払込金額の下限が募集株式を引き受ける者に特に有利な金額である場合には、取締役は、同項の株主総会において、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。

3項

第一項の決議は、前条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の末日)が当該決議の日から一年以内の日である同項の募集についてのみ その効力を有する。

4項

種類株式発行会社において、第一項の募集株式の種類が譲渡制限株式であるときは、当該種類の株式に関する募集事項の決定の委任は、当該種類の株式について前条第四項の定款の定めがある場合を除き、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議がなければ、その効力を生じない。


ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。

1項

第百九十九条第三項に規定する場合を除き、公開会社における同条第二項の規定の適用については、

同項
株主総会」とあるのは、
「取締役会」と

する。


この場合においては、前条の規定は、適用しない

2項

前項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定める場合において、市場価格のある株式を引き受ける者の募集をするときは、同条第一項第二号に掲げる事項に代えて、公正な価額による払込みを実現するために適当な払込金額の決定の方法を定めることができる。

3項

公開会社は、第一項の規定により読み替えて適用する第百九十九条第二項の取締役会の決議によって募集事項を定めたときは、同条第一項第四号の期日(同号の期間を定めた場合にあっては、その期間の初日)の二週間前までに、株主に対し、当該募集事項(前項の規定により払込金額の決定の方法を定めた場合にあっては、その方法を含む。以下 この節において同じ。)を通知しなければならない。

4項

前項の規定による通知は、公告をもってこれに代えることができる。

5項

第三項の規定は、株式会社が募集事項について同項に規定する期日の二週間前までに金融商品取引法第四条第一項から第三項までの届出をしている場合その他の株主の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、適用しない

1項

株式会社は、第百九十九条第一項の募集において、株主に株式の割当てを受ける権利を与えることができる。


この場合においては、募集事項のほか、次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

株主に対し、次条第二項の申込みをすることにより当該株式会社の募集株式(種類株式発行会社にあっては、当該株主の有する種類の株式と同一の種類のもの)の割当てを受ける権利を与える旨

二 号

前号の募集株式の引受けの申込みの期日

2項

前項の場合には、同項第一号の株主(当該株式会社を除く)は、その有する株式の数に応じて募集株式の割当てを受ける権利を有する。


ただし、当該株主が割当てを受ける募集株式の数に一株に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。

3項

第一項各号に掲げる事項を定める場合には、募集事項 及び同項各号に掲げる事項は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める方法によって定めなければならない。

一 号

当該募集事項 及び第一項各号に掲げる事項を取締役の決定によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(株式会社が取締役会設置会社である場合を除く

取締役の決定

二 号

当該募集事項 及び第一項各号に掲げる事項を取締役会の決議によって定めることができる旨の定款の定めがある場合(次号に掲げる場合を除く

取締役会の決議

三 号

株式会社が公開会社である場合

取締役会の決議

四 号

前三号に掲げる場合以外の場合

株主総会の決議

4項

株式会社は、第一項各号に掲げる事項を定めた場合には、同項第二号の期日の二週間前までに同項第一号の株主(当該株式会社を除く)に対し、次に掲げる事項を通知しなければならない。

一 号
募集事項
二 号

当該株主が割当てを受ける募集株式の数

三 号

第一項第二号の期日

5項

第百九十九条第二項から第四項まで 及び前二条の規定は、第一項から第三項までの規定により株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合には、適用しない

1項

金融商品取引法第二条第十六項に規定する金融商品取引所に上場されている株式を発行している株式会社は、定款 又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定めに従いその発行する株式 又はその処分する自己株式を引き受ける者の募集をするときは、第百九十九条第一項第二号 及び第四号に掲げる事項を定めることを要しない。


この場合において、当該株式会社は、募集株式について次に掲げる事項を定めなければならない。

一 号

取締役の報酬等(第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。第二百三十六条第三項第一号において同じ。)として当該募集に係る株式の発行 又は自己株式の処分をするものであり、募集株式と引換えにする金銭の払込み又は第百九十九条第一項第三号の財産の給付を要しない旨

二 号

募集株式を割り当てる日(以下 この節において「割当日」という。

2項

前項各号に掲げる事項を定めた場合における第百九十九条第二項の規定の適用については、

同項
前項各号」とあるのは、
前項各号第二号 及び第四号除く)及び第二百二条の二第一項各号」と

する。


この場合においては、第二百条 及び前条の規定は、適用しない

3項

指名委員会等設置会社における第一項の規定の適用については、

同項
定款 又は株主総会の決議による第三百六十一条第一項第三号に掲げる事項についての定め」とあるのは
「報酬委員会による第四百九条第三項第三号に定める事項についての決定」と、

取締役」とあるのは
「執行役 又は取締役」と

する。