株式会社は、新株予約権を発行した日以後 遅滞なく、新株予約権原簿を作成し、次の各号に掲げる新株予約権の区分に応じ、当該各号に定める事項(以下「新株予約権原簿記載事項」という。)を記載し、又は記録しなければならない。
会社法
第三節 新株予約権原簿
無記名式の新株予約権証券が発行されている新株予約権(以下 この章において「無記名新株予約権」という。)
当該新株予約権証券の番号 並びに当該無記名新株予約権の内容 及び数
無記名式の新株予約権付社債券(証券発行新株予約権付社債(新株予約権付社債であって、当該新株予約権付社債についての社債につき社債券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下 この章において同じ。)に係る社債券をいう。以下同じ。)が発行されている新株予約権付社債(以下 この章において「無記名新株予約権付社債」という。)に付された新株予約権
当該新株予約権付社債券の番号 並びに当該新株予約権の内容 及び数
前二号に掲げる新株予約権以外の新株予約権
次に掲げる事項
新株予約権者の氏名 又は名称 及び住所
イの新株予約権者の有する新株予約権の内容 及び数
イの新株予約権者が新株予約権を取得した日
ロの新株予約権が証券発行新株予約権(新株予約権(新株予約権付社債に付されたものを除く。)であって、当該新株予約権に係る新株予約権証券を発行する旨の定めがあるものをいう。以下 この章において同じ。)であるときは、当該新株予約権(新株予約権証券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権証券の番号
ロの新株予約権が証券発行新株予約権付社債に付されたものであるときは、当該新株予約権を付した新株予約権付社債(新株予約権付社債券が発行されているものに限る。)に係る新株予約権付社債券の番号
前条第三号イの新株予約権者は、株式会社に対し、当該新株予約権者についての新株予約権原簿に記載され、若しくは記録された新株予約権原簿記載事項を記載した書面の交付又は当該新株予約権原簿記載事項を記録した電磁的記録の提供を請求することができる。
前項の書面には、株式会社の代表取締役(指名委員会等設置会社にあっては、代表執行役。次項において同じ。)が署名し、又は記名押印しなければならない。
第一項の電磁的記録には、株式会社の代表取締役が法務省令で定める署名 又は記名押印に代わる措置をとらなければならない。
前三項の規定は、証券発行新株予約権 及び証券発行新株予約権付社債に付された新株予約権については、適用しない。
株式会社が新株予約権を発行している場合における第百二十三条の規定の適用については、
同条中
「株主名簿の」とあるのは
「株主名簿 及び新株予約権原簿の」と、
「株主名簿に」とあるのは
「株主名簿 及び新株予約権原簿に」と
する。
株式会社は、新株予約権原簿をその本店(株主名簿管理人がある場合にあっては、その営業所)に備え置かなければならない。
株主 及び債権者は、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
新株予約権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
新株予約権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
株式会社は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
当該請求を行う株主 又は債権者(以下 この項において「請求者」という。)がその権利の確保 又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
請求者が当該株式会社の業務の遂行を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
請求者が新株予約権原簿の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
請求者が、過去二年以内において、新株予約権原簿の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
株式会社の親会社社員は、その権利を行使するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該株式会社の新株予約権原簿について第二項各号に掲げる請求をすることができる。
この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
前項の親会社社員について第三項各号のいずれかに 規定する事由があるときは、裁判所は、前項の許可をすることができない。
株式会社が新株予約権者に対してする通知 又は催告は、新株予約権原簿に記載し、又は記録した当該新株予約権者の住所(当該新株予約権者が別に通知 又は催告を受ける場所 又は連絡先を当該株式会社に通知した場合にあっては、その場所 又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
前項の通知 又は催告は、その通知 又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
新株予約権が二以上の者の共有に属するときは、共有者は、株式会社が新株予約権者に対してする通知 又は催告を受領する者一人を定め、当該株式会社に対し、その者の氏名 又は名称を通知しなければならない。
この場合においては、その者を新株予約権者とみなして、前二項の規定を適用する。
前項の規定による共有者の通知がない場合には、株式会社が新株予約権の共有者に対してする通知 又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。