児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律

# 平成十一年法律第五十二号 #
略称 : 児童買春禁止法  児童ポルノ禁止法 

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   刑事
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七十六号による改正
最終編集日 : 2024年 04月26日 21時55分


1項

この法律は、児童に対する性的搾取 及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性に鑑み、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を規制し、及びこれらの行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利を擁護することを目的とする。

1項

この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。

2項

この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交 若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門 又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。

一 号
児童
二 号
児童に対する性交等の周旋をした者
三 号

児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人 その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者

3項

この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体 その他の物であって、次の各号いずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。

一 号

児童を相手方とする 又は児童による性交 又は性交類似行為に係る児童の姿態

二 号

他人が児童の性器等を触る行為 又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ 又は刺激するもの

三 号

衣服の全部 又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等 若しくはその周辺部、臀部 又は胸部をいう。)が露出され 又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ 又は刺激するもの

1項

この法律の適用に当たっては、学術研究、文化芸術活動、報道等に関する国民の権利 及び自由を不当に侵害しないように留意し、児童に対する性的搾取 及び性的虐待から児童を保護し その権利を擁護するとの本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあってはならない。

1項

何人も、児童買春をし、又はみだりに児童ポルノを所持し、若しくは第二条第三項各号いずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管することその他児童に対する性的搾取 又は性的虐待に係る行為をしてはならない。