公認会計士法

# 昭和二十三年法律第百三号 #

第三十四条の三十三 # 供託に関する特則

@ 施行日 : 令和五年十一月二十九日 ( 2023年 11月29日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第八十号による改正

1項

登録有限責任監査法人は、第三十四条の二十一第二項第一号 又は第二号に該当することによつて生ずる損害の賠償を請求する権利(以下この条において「優先還付対象債権」という。)を有する者(以下この条 及び次条において「優先還付対象債権者」という。)に対する債務の履行を確保するため必要かつ適当なものとして政令で定める額の金銭を、主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。

2項

内閣総理大臣は、優先還付対象債権者に対する債務の履行を確保するため必要があると認めるときは、登録有限責任監査法人に対し、その業務を開始する前に、前項の政令で定める額のほか、相当と認める額の金銭の供託を命ずることができる。

3項

登録有限責任監査法人は、政令で定めるところにより、当該登録有限責任監査法人のために所要の供託金が内閣総理大臣の命令に応じて供託される旨の契約を締結し、その旨を内閣総理大臣に届け出たときは、当該契約の効力の存する間、当該契約において供託されることとなつている金額(以下この条において「契約金額」という。)につき前二項の規定により供託する供託金の全部 又は一部を供託しないことができる。

4項

内閣総理大臣は、優先還付対象債権者に対する債務の履行を確保するため必要があると認めるときは、登録有限責任監査法人と前項の契約を締結した者 又は当該登録有限責任監査法人に対し、契約金額に相当する金額の全部 又は一部を供託すべき旨を命ずることができる。

5項

登録有限責任監査法人(第三十四条の二十二第八項の規定による定款の変更の効力が生じていないものを除く)は、第一項の規定により供託する供託金(第二項の規定により同項の金銭の供託を命ぜられた場合には、その供託金を含む。)につき供託 又は第三項の契約の締結を行い、その旨を内閣総理大臣に届け出た後でなければ、その業務を行つてはならない。

6項

優先還付対象債権者は、優先還付対象債権に関し、当該登録有限責任監査法人に係る供託金について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。

7項

前項の権利の実行に関し必要な事項は、政令で定める。

8項

登録有限責任監査法人は、第六項の権利の実行 その他の理由により、供託金の額(契約金額を含む。)が第一項の政令で定める額に不足することとなつたときは、内閣府令で定める日から政令で定める期間以内にその不足額につき供託 又は第三項の契約の締結(第五十二条の四において単に「供託」という。)を行い、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

9項

第一項第二項 又は前項の規定により供託する供託金は、国債証券、地方債証券 その他の内閣府令で定める有価証券をもつてこれに充てることができる。

10項

第一項第二項第四項 又は第八項の規定により供託した供託金は、次の各号いずれかに該当することとなつたときは、内閣総理大臣の承認を受けて、その全部 又は一部を取り戻すことができる。

一 号

第三十四条の十八第一項各号いずれかに該当することとなつたとき。

二 号

第三十四条の十八第二項に該当することとなつたとき。

三 号

第三十四条の二十二第九項に規定する定款の変更を行い、同条第十項の規定によりその旨を内閣総理大臣に届け出たとき。

四 号

業務の状況の変化 その他の理由により供託金の額が第一項の政令で定める額を超えることとなつたとき。

11項

内閣総理大臣は、前項の承認をするときは、優先還付対象債権の弁済を確保するために必要と認める限度において、取り戻すことができる時期 及び取り戻すことができる供託金の額を指定することができる。

12項

前各項に定めるもののほか、供託金に関し必要な事項は、内閣府令・法務省令で定める。