労働時間等の設定の改善に関する特別措置法

# 平成四年法律第九十号 #
略称 : 労働時間等設定改善法  時短促進法 

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   労働
@ 施行日 : 平成三十一年四月一日
@ 最終更新 : 平成三十年法律第七十一号による改正
最終編集日 : 2022年 12月04日 15時29分


1項

この法律は、我が国における労働時間等の現状 及び動向にかんがみ、労働時間等設定改善指針を策定するとともに、事業主等による労働時間等の設定の改善に向けた自主的な努力を促進するための特別の措置を講ずることにより、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もって労働者の健康で充実した生活の実現と国民経済の健全な発展に資することを目的とする。

1項

この法律において「労働時間等」とは、労働時間、休日 及び年次有給休暇(労働基準法昭和二十二年法律第四十九号第三十九条の規定による年次有給休暇として与えられるものをいう。以下同じ。)その他の休暇をいう。

2項

この法律において「労働時間等の設定」とは、労働時間、休日数、年次有給休暇を与える時季、深夜業の回数、終業から始業までの時間 その他の労働時間等に関する事項を定めることをいう。

1項

事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業 及び終業の時刻の設定、健康 及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備 その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。

2項

事業主は、労働時間等の設定に当たっては、その雇用する労働者のうち、その心身の状況 及び その労働時間等に関する実情に照らして、健康の保持に努める必要があると認められる労働者に対して、休暇の付与 その他の必要な措置を講ずるように努めるほか、その雇用する労働者のうち、その子の養育 又は家族の介護を行う労働者、単身赴任者(転任に伴い生計を一にする配偶者との別居を常況とする労働者 その他これに類する労働者をいう。)、自ら職業に関する教育訓練を受ける労働者 その他の特に配慮を必要とする労働者について、その事情を考慮してこれを行う等 その改善に努めなければならない。

3項

事業主の団体は、その構成員である事業主の雇用する労働者の労働時間等の設定の改善に関し、必要な助言、協力 その他の援助を行うように努めなければならない。

4項

事業主は、他の事業主との取引を行う場合において、著しく短い期限の設定 及び発注の内容の頻繁な変更を行わないこと、当該 他の事業主の講ずる労働時間等の設定の改善に関する措置の円滑な実施を阻害することとなる取引条件を付けないこと等取引上必要な配慮をするように努めなければならない。

1項

国は、労働時間等の設定の改善について、事業主、労働者 その他の関係者の自主的な努力を尊重しつつ その実情に応じて これらの者に対し必要な指導、援助等を行うとともに、 これらの者 その他国民一般の理解を高めるために必要な広報 その他の啓発活動を行う等、労働時間等の設定の改善を促進するために必要な施策を総合的かつ効果的に推進するように努めなければならない。

2項

地方公共団体は、前項の国の施策と相まって、広報 その他の啓発活動を行う等 労働時間等の設定の改善を促進するために必要な施策を推進するように努めなければならない。

1項

この法律は、国家公務員 及び地方公務員 並びに船員法(昭和二十二年法律第百号)の適用を受ける船員については、適用しない