国家公務員法

# 昭和二十二年法律第百二十号 #
略称 : 国公法 

第四款 任用

分類 法律
カテゴリ   国家公務員
@ 施行日 : 令和五年四月一日 ( 2023年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和三年法律第六十一号による改正
最終編集日 : 2024年 04月21日 17時29分

1項

内閣総理大臣は、公務の能率的な運営を確保する観点から、あらかじめ次条第一項に規定する任命権者 及び法律で別に定められた任命権者と協議して職員の採用、昇任、降任 及び転任に関する制度の適切かつ効果的な運用を確保するための基本的な方針(以下「採用昇任等基本方針」という。)の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。

○2項

採用昇任等基本方針には、第三十三条の二に規定する基本的事項のほか、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号

職員の採用、昇任、降任 及び転任に関する制度の適切かつ効果的な運用に関する基本的な指針

二 号

第五十六条の採用候補者名簿による採用 及び第五十七条の選考による採用に関する指針

三 号

第五十八条の昇任 及び転任に関する指針

四 号

管理職への任用に関する基準 その他の指針

五 号

任命権者を異にする官職への任用に関する指針

六 号

職員の公募(官職の職務の具体的な内容 並びに当該官職に求められる能力 及び経験を公示して、当該官職の候補者を募集することをいう。次項において同じ。)に関する指針

七 号

官民の人材交流に関する指針

八 号

子の養育 又は家族の介護を行う職員の状況を考慮した職員の配置 その他の措置による仕事と生活の調和を図るための指針

九 号

前各号に掲げるもののほか、職員の採用、昇任、降任 及び転任に関する制度の適切かつ効果的な運用を確保するために必要な事項

○3項

前項第六号の指針を定めるに当たつては、犯罪の捜査 その他特殊性を有する職務の官職についての公募の制限に関する事項 その他職員の公募の適正を確保するために必要な事項に配慮するものとする。

○4項

内閣総理大臣は、第一項の規定による閣議の決定があつたときは、遅滞なく、採用昇任等基本方針を公表しなければならない。

○5項

第一項 及び前項の規定は、採用昇任等基本方針の変更について準用する。

○6項

任命権者は、採用昇任等基本方針に沿つて、職員の採用、昇任、降任 及び転任を行わなければならない。

1項

任命権は、法律に別段の定めのある場合を除いては、内閣、各大臣(内閣総理大臣及び各省大臣をいう。以下同じ。)、会計検査院長 及び人事院総裁 並びに宮内庁長官 及び各外局の長に属するものとする。


これらの機関の長の有する任命権は、その部内の機関に属する官職に限られ、内閣の有する任命権は、その直属する機関(内閣府 及びデジタル庁を除く。)に属する官職に限られる。


ただし、外局の長(国家行政組織法第七条第五項に規定する実施庁以外の庁にあつては、外局の幹部職)に対する任命権は、各大臣に属する。

○2項

前項に規定する機関の長たる任命権者は、幹部職以外の官職(内閣が任命権を有する場合にあつては、幹部職を含む。)の任命権を、その部内の上級の国家公務員(内閣が任命権を有する幹部職にあつては、内閣総理大臣 又は国務大臣)に限り委任することができる。


この委任は、その効力が発生する日の前に、書面をもつて、これを人事院に提示しなければならない。

○3項

この法律、人事院規則 及び人事院指令に規定する要件を備えない者は、これを任命し、雇用し、昇任させ 若しくは転任させてはならず、又はいかなる官職にも配置してはならない。

1項

採用候補者名簿による職員の採用は、任命権者が、当該採用候補者名簿に記載された者の中から、面接を行い、その結果を考慮して行うものとする。

1項

選考による職員の採用(職員の幹部職への任命に該当するものを除く)は、任命権者が、任命しようとする官職の属する職制上の段階の標準的な官職に係る標準職務遂行能力 及び当該任命しようとする官職についての適性を有すると認められる者の中から行うものとする。

1項

職員の昇任 及び転任(職員の幹部職への任命に該当するものを除く)は、任命権者が、職員の人事評価に基づき、任命しようとする官職の属する職制上の段階の標準的な官職に係る標準職務遂行能力 及び当該任命しようとする官職についての適性を有すると認められる者の中から行うものとする。

○2項

任命権者は、職員を降任させる場合(職員の幹部職への任命に該当する場合を除く)には、当該職員の人事評価に基づき、任命しようとする官職の属する職制上の段階の標準的な官職に係る標準職務遂行能力 及び当該任命しようとする官職についての適性を有すると認められる官職に任命するものとする。

○3項

国際機関 又は民間企業に派遣されていたこと等の事情により、人事評価が行われていない職員の昇任、降任 及び転任(職員の幹部職への任命に該当するものを除く)については、前二項の規定にかかわらず、任命権者が、人事評価以外の能力の実証に基づき、任命しようとする官職の属する職制上の段階の標準的な官職に係る標準職務遂行能力 及び当該任命しようとする官職についての適性を判断して行うことができる。

1項

職員の採用 及び昇任は、職員であつた者 又はこれに準ずる者のうち、人事院規則で定める者を採用する場合 その他人事院規則で定める場合を除き、条件付のものとし、職員が、その官職において六月の期間(六月の期間とすることが適当でないと認められる職員として人事院規則で定める職員にあつては、人事院規則で定める期間)を勤務し、その間 その職務を良好な成績で遂行したときに、正式のものとなるものとする。

○2項

前項に定めるもののほか、条件付任用に関し必要な事項は、人事院規則で定める。

1項

任命権者は、人事院規則の定めるところにより、緊急の場合、臨時の官職に関する場合 又は採用候補者名簿がない場合には、人事院の承認を得て、六月を超えない任期で、臨時的任用を行うことができる。


この場合において、その任用は、人事院規則の定めるところにより人事院の承認を得て、六月の期間で、これを更新することができるが、再度更新することはできない

○2項

人事院は、臨時的任用につき、その員数を制限し、又は、任用される者の資格要件を定めることができる。

○3項

人事院は、前二項の規定 又は人事院規則に違反する臨時的任用を取り消すことができる。

○4項

臨時的任用は、任用に際して、いかなる優先権をも与えるものではない。

○5項

前各項に定めるもののほか、臨時的に任用された者に対しては、この法律 及び人事院規則を適用する。

1項

任命権者は、年齢六十年に達した日以後にこの法律の規定により退職(臨時的職員 その他の法律により任期を定めて任用される職員 及び常時勤務を要しない官職を占める職員が退職する場合を除く)をした者(以下 この条 及び第八十二条第二項において「年齢六十年以上退職者」という。)又は年齢六十年に達した日以後に自衛隊法昭和二十九年法律第百六十五号)の規定により退職(自衛官 及び同法第四十四条の六第三項各号に掲げる隊員が退職する場合を除く)をした者(以下 この項 及び第三項において「自衛隊法による年齢六十年以上退職者」という。)を、人事院規則で定めるところにより、従前の勤務実績 その他の人事院規則で定める情報に基づく選考により、短時間勤務の官職(当該官職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間が、常時勤務を要する官職でその職務が当該短時間勤務の官職と同種の官職を占める職員の一週間当たりの通常の勤務時間に比し短い時間である官職をいう。以下 この項 及び第三項において同じ。)(一般職の職員の給与に関する法律別表第十一に規定する指定職俸給表の適用を受ける職員が占める官職 及びこれに準ずる行政執行法人の官職として人事院規則で定める官職(第四項 及び第六節第一款第二目においてこれらの官職を「指定職」という。)を除く。以下 この項 及び第三項において同じ。)に採用することができる。


ただし年齢六十年以上退職者 又は自衛隊法による年齢六十年以上退職者がこれらの者を採用しようとする短時間勤務の官職に係る定年退職日相当日(短時間勤務の官職を占める職員が、常時勤務を要する官職でその職務が当該短時間勤務の官職と同種の官職を占めているものとした場合における第八十一条の六第一項に規定する定年退職日をいう。次項 及び第三項において同じ。)を経過した者であるときは、この限りでない。

2項

前項の規定により採用された職員(以下 この条 及び第八十二条第二項において「定年前再任用短時間勤務職員」という。)の任期は、採用の日から定年退職日相当日までとする。

3項

任命権者は、年齢六十年以上退職者 又は自衛隊法による年齢六十年以上退職者のうちこれらの者を採用しようとする短時間勤務の官職に係る定年退職日相当日を経過していない者以外の者を当該短時間勤務の官職に採用することができず、定年前再任用短時間勤務職員のうち当該定年前再任用短時間勤務職員を昇任し、降任し、又は転任しようとする短時間勤務の官職に係る定年退職日相当日を経過していない定年前再任用短時間勤務職員以外の職員を当該短時間勤務の官職に昇任し、降任し、又は転任することができない。

4項

任命権者は、定年前再任用短時間勤務職員を、指定職 又は指定職以外の常時勤務を要する官職に昇任し、降任し、又は転任することができない。