家庭裁判所は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより 又は職権で、必要と認める証拠調べをしなければならない。
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律
第三目 事実の調査及び証拠調べ
申立人 及び相手方は、それぞれ第二十七条に規定する事由(第二十八条第一項第二号に規定する場合に関する事由を含む。)についての資料 及び同項に規定する事由についての資料を提出するほか、事実の調査 及び証拠調べに協力するものとする。
疎明は、即時に取り調べることができる資料によってしなければならない。
家庭裁判所調査官は、前項の規定による報告に意見を付することができる。
家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項の規定により立ち会わせた家庭裁判所調査官に意見を述べさせることができる。
第七十九条第二項から第四項までの規定は前項の診断について、前条の規定は裁判所技官の期日への立会い 及び意見の陳述について、それぞれ準用する。
前項の規定による嘱託により職務を行う受託裁判官は、他の家庭裁判所において事実の調査をすることを相当と認めるときは、更に事実の調査の嘱託をすることができる。
前三項の規定により受託裁判官 又は受命裁判官が事実の調査をする場合には、家庭裁判所 及び裁判長の職務は、その裁判官が行う。
家庭裁判所は、事実の調査をしたときは、特に必要がないと認める場合を除き、その旨を当事者 及び手続に参加した子に通知しなければならない。
家庭裁判所は、子の返還の申立てが不適法であるとき 又は申立てに理由がないことが明らかなときを除き、当事者の陳述を聴かなければならない。
家庭裁判所が審問の期日を開いて当事者の陳述を聴くことにより事実の調査をするときは、他の当事者は、当該期日に立ち会うことができる。
ただし、当該他の当事者が当該期日に立ち会うことにより事実の調査に支障を生ずるおそれがあると認められるときは、この限りでない。
子の返還申立事件の手続における証拠調べについては、民事訴訟法第二編第四章第一節から第六節までの規定(同法第百七十九条、第百八十二条、第百八十七条から第百八十九条まで 及び第二百七条第二項の規定を除く。)を準用する。
この場合において、
同法第百八十五条第一項中
「地方裁判所 若しくは簡易裁判所」とあるのは
「他の家庭裁判所」と、
同条第二項中
「地方裁判所 又は簡易裁判所」とあるのは
「家庭裁判所」と
読み替えるものとする。
前項において準用する民事訴訟法の規定による即時抗告は、執行停止の効力を有する。
家庭裁判所は、申立人が不法な連れ去り 又は不法な留置があったことを証する文書を常居所地国において得ることができるときは、申立人に対し、当該文書を提出することを求めることができる。