国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律
第六目 裁判
家庭裁判所は、子の返還申立事件の一部が裁判をするのに熟したときは、その一部について終局決定をすることができる。
手続の併合を命じた数個の子の返還申立事件中その一が裁判をするのに熟したときも、同様とする。
終局決定は、当事者 及び子に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。
ただし、子(手続に参加した子を除く。)に対しては、子の年齢 及び発達の程度 その他一切の事情を考慮して子の利益を害すると認める場合は、この限りでない。
終局決定は、当事者に告知することによってその効力を生ずる。
ただし、子の返還を命ずる終局決定は、確定しなければその効力を生じない。
終局決定の確定は、前項の期間内にした即時抗告の提起により、遮断される。
終局決定は、裁判書を作成してしなければならない。
終局決定の裁判書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
終局決定に誤記 その他これに類する明白な誤りがあるときは、家庭裁判所は、申立てにより 又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。
更正決定は、裁判書を作成してしなければならない。
第一項の申立てを不適法として却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
終局決定に対し適法な即時抗告があったときは、前二項の即時抗告は、することができない。
民事訴訟法第二百四十七条、第二百五十六条第一項 及び第二百五十八条(第二項後段を除く。)の規定は、終局決定について準用する。
この場合において、
同法第二百五十六条第一項中
「言渡し後」とあるのは、
「終局決定が告知を受ける者に最初に告知された日から」と
読み替えるものとする。
家庭裁判所は、終局決定の前提となる法律関係の争い その他中間の争いについて、裁判をするのに熟したときは、中間決定をすることができる。
中間決定は、裁判書を作成してしなければならない。
終局決定以外の裁判は、これを受ける者に対し、相当と認める方法で告知しなければならない。
終局決定以外の裁判については、これを受ける者(数人あるときは、そのうちの一人)に告知することによってその効力を生ずる。
第九十二条から第九十六条まで(第九十三条第一項 及び第二項 並びに第九十四条第一項を除く。)の規定は、前項の裁判について準用する。
この場合において、
第九十四条第二項第二号中
「理由」とあるのは、
「理由の要旨」と
読み替えるものとする。
終局決定以外の裁判は、判事補が単独ですることができる。