第十一条第三項、第十四条 又は第三十五条第一項の規定により土地 又は工作物に立ち入つて測量し、調査し、障害物を伐除し、又は土地に試掘等を行うことに因つて損失を生じたときは、起業者は、損失を受けた者に対して、これを補償しなければならない。
土地収用法
第二節 測量、事業の廃止等に因る損失の補償
前項の規定による損失の補償は、損失があつたことを知つた日から一年を経過した後においては、請求することができない。
第二十六条第一項の規定による事業の認定の告示があつた後、起業者が事業の全部 若しくは一部を廃止し、若しくは変更し、第二十九条 若しくは第三十四条の六の規定によつて事業の認定が失効し、又は第百条の規定により裁決が失効したことに因つて土地所有者 又は関係人が損失を受けたときは、起業者は、これを補償しなければならない。
前条第二項の規定は、前項の場合に準用する。
土地を収用し、又は使用(第百二十二条第一項 又は第百二十三条第一項の規定によつて使用する場合を含む。)して、その土地を事業の用に供することにより、当該土地 及び残地以外の土地について、通路、溝、垣、さく その他の工作物を新築し、改築し、増築し、若しくは修繕し、又は盛土 若しくは切土をする必要があると認められるときは、起業者は、これらの工事をすることを必要とする者の請求により、これに要する費用の全部 又は一部を補償しなければならない。
この場合において、起業者 又は当該工事をすることを必要とする者は、補償金の全部 又は一部に代えて、起業者が当該工事を行うことを要求することができる。
前項の規定による損失の補償は、事業に係る工事の完了の日から一年を経過した後においては、請求することができない。
前三条の規定による損失の補償は、起業者と損失を受けた者(前条第一項に規定する工事をすることを必要とする者を含む。以下この条において同じ。)とが協議して定めなければならない。
前項の規定による協議が成立しないときは、起業者 又は損失を受けた者は、収用委員会の裁決を申請することができる。
前項の規定による裁決を申請しようとする者は、国土交通省令で定める様式に従い、左に掲げる事項を記載した裁決申請書を収用委員会に提出しなければならない。
第十九条の規定は、前項の規定による裁決申請書の欠陥の補正について準用する。
この場合において、
「前条」とあるのは
「第九十四条第三項」と、
「事業認定申請書」とあるのは
「裁決申請書」と、
「国土交通大臣 又は都道府県知事」とあるのは
「収用委員会」と
読み替えるものとする。
収用委員会は、第三項の規定による裁決申請書を受理したときは、前項において準用する第十九条第二項の規定により裁決申請書を却下する場合を除くの外、第三項の規定による裁決申請者 及び裁決申請書に記載されている相手方にあらかじめ審理の期日 及び場所を通知した上で、審理を開始しなければならない。
第五十条 及び第五章第二節(第六十三条第一項を除く。)の規定は、収用委員会が前項の規定によつて審理をする場合に準用する。
この場合において、
第五十条、第六十一条第一項、第六十三条第二項から第五項まで、第六十四条第二項 及び第六十六条第三項中
「起業者、土地所有者 及び関係人」とあり、
及び第五十条第二項中
「収用し、又は使用しようとする土地の全部 又は一部について起業者と土地所有者 及び関係人の全員」とあるのは
「裁決申請者 及びその相手方」と、
同条第二項 及び第三項中
「第四十八条第一項各号 又は前条第一項各号に掲げるすべての事項」とあるのは
「損失の補償 及び補償をすべき時期」と、
同条第五項中
「権利取得裁決 又は明渡裁決」とあるのは
「第九十四条第八項の規定による裁決」と、
第六十三条第三項中
「前二項」とあるのは
「前項」と、
同条第四項中
「第四十条第一項の規定による裁決申請書の添付書類により、若しくは第四十三条第一項の規定による意見書により申し立てた事項 又は第一項 若しくは第二項」とあるのは
「第九十四条第三項の規定による裁決申請書により申し立てた事項 又は第二項」と、
第六十五条第一項第一号中
「起業者、土地所有者 若しくは関係人」とあるのは
「裁決申請者 若しくはその相手方」と、
第六十五条の二第一項、第二項 及び第七項中
「土地所有者 又は関係人」とあるのは
「裁決申請者 又はその相手方(これらの者のうち起業者である者を除く。)」と
読み替えるものとする。
収用委員会は、第二項の規定による裁決の申請がこの法律の規定に違反するときは、裁決をもつて申請を却下しなければならない。
収用委員会は、前項の規定によつて申請を却下する場合を除くの外、損失の補償 及び補償をすべき時期について裁決しなければならない。
この場合において、収用委員会は、損失の補償については裁決申請者 及びその相手方が裁決申請書 又は第六項において準用する第六十三条第二項の規定による意見書 若しくは第六項において準用する第六十五条第一項第一号の規定に基いて提出する意見書によつて申し立てた範囲をこえて裁決してはならない。
前項の規定による裁決に対して不服がある者は、第百三十三条第二項の規定にかかわらず、裁決書の正本の送達を受けた日から六十日以内に、損失があつた土地の所在地の裁判所に対して訴えを提起しなければならない。
前項の規定による訴えの提起がなかつたときは、第八項の規定によつてされた裁決は、強制執行に関しては、民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第二十二条第五号に掲げる債務名義とみなす。
前項の規定による債務名義についての執行文の付与は、収用委員会の会長が行う。
民事執行法第二十九条後段の執行文 及び文書の謄本の送達も、同様とする。
前項の規定による執行文付与に関する異議についての裁判は、収用委員会の所在地を管轄する地方裁判所においてする。