外国為替及び外国貿易法

# 昭和二十四年法律第二百二十八号 #

第二十七条 # 対内直接投資等の届出及び変更勧告等

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第九十七号による改正

1項

外国投資家(前条第一項に規定する外国投資家をいう。以下 この条第二十八条第二十九条第一項から第四項まで 及び第五十五条の五において同じ。)は、対内直接投資等(前条第二項に規定する対内直接投資等をいい、相続、遺贈、法人の合併 その他の事情を勘案して政令で定めるものを除く。以下 この条第二十九条第一項から第四項まで第五十五条の五第六十九条の二第二項 及び第七十条第一項において同じ。)のうち第三項の規定による審査が必要となる対内直接投資等に該当するおそれがあるものとして政令で定めるものを行おうとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、当該対内直接投資等について、事業目的、金額、実行の時期 その他の政令で定める事項を財務大臣 及び事業所管大臣に届け出なければならない。

2項

対内直接投資等について前項の規定による届出をした外国投資家は、財務大臣 及び事業所管大臣が当該届出を受理した日から起算して三十日を経過する日までは、当該届出に係る対内直接投資等を行つてはならない。


ただし、財務大臣 及び事業所管大臣は、その期間の満了前に当該届出に係る対内直接投資等がその事業目的 その他からみて次項の規定による審査が必要となる対内直接投資等に該当しないと認めるときは、当該期間を短縮することができる。

3項

財務大臣 及び事業所管大臣は、第一項の規定による届出があつた場合において、当該届出に係る対内直接投資等が次に掲げるいずれかの対内直接投資等(以下「国の安全等に係る対内直接投資等」という。)に該当しないかどうかを審査する必要があると認めるときは、当該届出に係る対内直接投資等を行つてはならない期間を、当該届出を受理した日から起算して四月間に限り、延長することができる。

一 号

又はに掲げるいずれかの事態を生ずるおそれがある対内直接投資等(我が国が加盟する対内直接投資等に関する多数国間の条約 その他の国際約束で政令で定めるもの(以下 この号において「条約等」という。)の加盟国の外国投資家が行う対内直接投資等で対内直接投資等に関する制限の除去について当該条約等に基づく義務がないもの及び当該条約等の加盟国以外の国の外国投資家が行う対内直接投資等でその国が当該条約等の加盟国であるものとした場合に当該義務がないこととなるものに限る

国の安全を損ない、公の秩序の維持を妨げ、又は公衆の安全の保護に支障を来すことになること。
我が国経済の円滑な運営に著しい悪影響を及ぼすことになること。
二 号

当該対内直接投資等が我が国との間に対内直接投資等に関し条約 その他の国際約束がない国の外国投資家により行われるものであることにより、これに対する取扱いを我が国の投資家が当該国において行う直接投資等(前条第二項各号に掲げる対内直接投資等に相当するものをいう。)に対する取扱いと実質的に同等なものとするため、その内容の変更 又は中止をさせる必要があると認められる対内直接投資等

三 号

資金の使途 その他からみて、当該対内直接投資等の全部 又は一部が第二十一条第一項 又は第二項の規定により許可を受ける義務を課されている資本取引に当たるものとしてその内容の変更 又は中止をさせる必要があると認められる対内直接投資等

4項

財務大臣 及び事業所管大臣は、前項の規定により対内直接投資等を行つてはならない期間を延長した場合において、同項の規定による審査をした結果、当該延長された期間の満了前に第一項の規定による届出に係る対内直接投資等が国の安全等に係る対内直接投資等に該当しないと認めるときは、当該延長された期間を短縮することができる。

5項

財務大臣 及び事業所管大臣は、第三項の規定により対内直接投資等を行つてはならない期間を延長した場合において、同項の規定による審査をした結果、第一項の規定による届出に係る対内直接投資等が国の安全等に係る対内直接投資等に該当すると認めるときは、関税・外国為替等審議会の意見を聴いて、当該対内直接投資等の届出をしたものに対し、政令で定めるところにより、当該対内直接投資等に係る内容の変更 又は中止を勧告することができる。


ただし、当該変更 又は中止を勧告することができる期間は、当該届出を受理した日から起算して第三項 又は次項の規定により延長された期間の満了する日までとする。

6項

前項の規定により関税・外国為替等審議会の意見を聴く場合において、関税・外国為替等審議会が当該事案の性質に鑑み、第三項に規定する四月の期間内に意見を述べることが困難である旨を申し出た場合には、同項に規定する対内直接投資等を行つてはならない期間は、同項の規定にかかわらず五月とする。

7項

第五項の規定による勧告を受けたものは、当該勧告を受けた日から起算して十日以内に、財務大臣 及び事業所管大臣に対し、当該勧告を応諾するかしないかを通知しなければならない。

8項

前項の規定により勧告を応諾する旨の通知をしたものは、当該勧告をされたところに従い、当該勧告に係る対内直接投資等を行わなければならない。

9項

第七項の規定により勧告を応諾する旨の通知をしたものは、第三項 又は第六項の規定にかかわらず、当該対内直接投資等に係る届出を行つた日から起算して四月同項の規定により延長された場合にあつては、五月)を経過しなくても、当該勧告に係る対内直接投資等を行うことができる。

10項

第五項の規定による勧告を受けたものが、第七項の規定による通知をしなかつた場合 又は当該勧告を応諾しない旨の通知をした場合には、財務大臣 及び事業所管大臣は、当該勧告を受けたものに対し、当該対内直接投資等に係る内容の変更 又は中止を命ずることができる。


ただし、当該変更 又は中止を命ずることができる期間は、当該届出を受理した日から起算して第三項 又は第六項の規定により延長された期間の満了する日までとする。

11項

財務大臣 及び事業所管大臣は、経済事情の変化 その他の事由により、第一項の規定による届出に係る対内直接投資等が国の安全等に係る対内直接投資等に該当しなくなつたと認めるときは、第七項の規定による対内直接投資等に係る内容の変更の勧告を応諾する旨の通知をしたもの又は前項の規定により対内直接投資等に係る内容の変更を命じられたものに対し、当該勧告 又は命令の全部 又は一部を取り消すことができる。

12項

第五項から前項までに定めるもののほか、対内直接投資等に係る内容の変更 又は中止の勧告の手続 その他これらの勧告に関し必要な事項は、政令で定める。

13項

特定組合等が行う対内直接投資等に相当するものにより当該特定組合等の組合員(特定組合類似団体にあつてはその構成員。以下同じ。)が取得する財産 又は権利については、当該特定組合等が取得し、又は所有し、若しくは保有するものとみなして、前各項 及び第二十九条第一項から第四項までの規定を適用する。

14項

外国投資家以外の者(法人 その他の団体を含む。)が外国投資家のために当該外国投資家の名義によらないで行う対内直接投資等に相当するものについては、当該外国投資家以外の者を外国投資家とみなして、第一項から第十二項まで 及び第二十九条第一項から第四項までの規定を適用する。