家事事件手続法

# 平成二十三年法律第五十二号 #

第六款 特別養子縁組に関する審判事件

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第百二号による改正
最終編集日 : 2024年 04月27日 10時48分

1項

特別養子縁組の成立の審判事件は、養親となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項

養子となるべき者は、特別養子適格の確認(養子となるべき者について民法第八百十七条の六に定める要件があること 及び同法第八百十七条の七に規定する父母による養子となる者の監護が著しく困難 又は不適当であること その他特別の事情がある場合に該当することについての確認をいう。以下 この条 及び次条において同じ。)の審判(申立人の同条第一項の規定による申立てによりされたものに限る)を受けた者 又は児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判(特別養子縁組の成立の申立ての日の六箇月前の日以後に確定したものに限る)を受けた者でなければならない。

3項

養子となるべき者の親権者(申立人の配偶者である民法第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方を除く。以下 この項において同じ。)及びその親権者に対し親権を行う者は、特別養子縁組の成立の審判事件において養子となるべき者を代理して手続行為をすることができない

4項

養子となるべき者の父母(申立人の配偶者である民法第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方を除く第十項において同じ。)は、第四十二条第一項 及び第三項の規定にかかわらず、特別養子縁組の成立の審判事件の手続に参加することができない

5項

第百十八条の規定は、特別養子縁組の成立の審判事件(当該審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)における養親となるべき者 並びに養子となるべき者 及び申立人の配偶者である民法第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方について準用する。

6項

家庭裁判所は、特別養子縁組の成立の審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。

一 号

養子となるべき者(十五歳以上のものに限る

二 号

養子となるべき者に対し親権を行う者(養子となるべき者の父母 及び養子となるべき者の親権者に対し親権を行う者を除く) 及び養子となるべき者の未成年後見人

7項

特別養子適格の確認の審判(児童相談所長の申立てによる特別養子適格の確認の審判を含む。以下 この項において同じ。)は、特別養子縁組の成立の審判事件の係属する裁判所を拘束する。


この場合において、特別養子適格の確認の審判は、特別養子縁組の成立の審判事件との関係においては、特別養子縁組の成立の審判をする時においてしたものとみなす。

8項

特別養子縁組の成立の審判は、第七十四条第一項に規定する者のほか、第六項第二号に掲げる者に告知しなければならない。

9項

特別養子縁組の成立の審判は、養子となるべき者の年齢 及び発達の程度 その他一切の事情を考慮してその者の利益を害すると認める場合には、その者に告知することを要しない。


ただし、養子となるべき者が十五歳に達している場合は、この限りでない。

10項

特別養子縁組の成立の審判は、養子となるべき者の父母に告知することを要しない。


ただし、住所 又は居所が知れている父母に対しては、審判をした日 及び審判の主文を通知しなければならない。

11項

家庭裁判所は、第二項の規定にかかわらず、特別養子縁組の成立の審判を、特別養子適格の確認の審判と同時にすることができる。


この場合においては、特別養子縁組の成立の審判は、特別養子適格の確認の審判が確定するまでは、確定しないものとする。

12項

家庭裁判所は、前項前段の場合において、特別養子適格の確認の審判を取り消す裁判が確定したときは、職権で、特別養子縁組の成立の審判を取り消さなければならない。

13項

特別養子縁組の成立の審判は、養子となるべき者が十八歳に達した日以後は、確定しないものとする。


この場合においては、家庭裁判所は、職権で、その審判を取り消さなければならない。

14項

次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

一 号

特別養子縁組の成立の審判

養子となるべき者 及び第六項第二号に掲げる者

二 号

特別養子縁組の成立の申立てを却下する審判

申立人

15項

養子となるべき者(十五歳未満のものに限る)による特別養子縁組の成立の審判に対する即時抗告の期間は、養子となるべき者以外の者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

1項

家庭裁判所は、養親となるべき者の申立てにより、その者と養子となるべき者との間における縁組について、特別養子適格の確認の審判をすることができる。


ただし、養子となるべき者の出生の日から二箇月を経過する日まで及び養子となるべき者が十八歳に達した日以後は、この限りでない。

2項

特別養子適格の確認の審判事件は、養親となるべき者の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

3項

特別養子適格の確認の申立ては、特別養子縁組の成立の申立てと同時にしなければならない。

4項

第百十八条の規定は、特別養子適格の確認の審判事件における養親となるべき者 並びに養子となるべき者 及び養子となるべき者の父母について準用する。

5項

民法第八百十七条の六本文の同意は、次の各号いずれにも該当する場合には、撤回することができない


ただし、その同意をした日から二週間を経過する日までは、この限りでない。

一 号

養子となるべき者の出生の日から二箇月を経過した後にされたものであること。

二 号

次のいずれかに該当するものであること。

家庭裁判所調査官による事実の調査を経た上で家庭裁判所に書面を提出してされたものであること。

審問の期日においてされたものであること。

6項

家庭裁判所は、特別養子適格の確認の審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。


この場合において、第二号に掲げる者の同意がないにもかかわらずその審判をするときは、その者の陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならない。

一 号

養子となるべき者(十五歳以上のものに限る

二 号
養子となるべき者の父母
三 号

養子となるべき者に対し親権を行う者(前号に掲げる者を除く) 及び養子となるべき者の未成年後見人

四 号

養子となるべき者の父母に対し親権を行う者 及び養子となるべき者の父母の後見人

7項

家庭裁判所は、特別養子縁組の成立の申立てを却下する審判が確定したとき、又は特別養子縁組の成立の申立てが取り下げられたときは、当該申立てをした者の申立てに係る特別養子適格の確認の申立てを却下しなければならない。

8項

家庭裁判所は、特別養子適格の確認の申立てを却下する審判をする場合には、第六項第二号 及び第三号に掲げる者の陳述を聴かなければならない。

9項

特別養子適格の確認の審判は、第七十四条第一項に規定する者のほか、第六項第三号 及び第四号に掲げる者に告知しなければならない。

10項

特別養子適格の確認の審判は、養子となるべき者の年齢 及び発達の程度 その他一切の事情を考慮してその者の利益を害すると認める場合には、その者に告知することを要しない。

11項

家庭裁判所は、特別養子適格の確認の審判をする場合において、第六項第二号に掲げる者を特定することができないときは、同号 及び同項第四号に掲げる者の陳述を聴くこと 並びにこれらの者にその審判を告知することを要しない。

12項

次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者は、即時抗告をすることができる。

一 号

特別養子適格の確認の審判

養子となるべき者 及び第六項第二号から第四号までに掲げる者

二 号

特別養子適格の確認の申立てを却下する審判

申立人

13項

養子となるべき者による特別養子適格の確認の審判に対する即時抗告の期間は、養子となるべき者以外の者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

14項

特別養子縁組の成立の申立てを却下する審判が確定したとき、又は特別養子縁組の成立の申立てが取り下げられたときは、当該申立てをした者の申立てによる特別養子適格の確認の審判は、その効力を失う。

1項

特別養子縁組の離縁の審判事件は、養親の住所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

2項

第百十八条の規定は、特別養子縁組の離縁の審判事件(当該審判事件を本案とする保全処分についての審判事件を含む。)における養親、養子 及びその実父母について準用する。

3項

家庭裁判所は、特別養子縁組の離縁の審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。


この場合において、第一号から第三号までに掲げる者の陳述の聴取は、審問の期日においてしなければならない。

一 号

養子(十五歳以上のものに限る

二 号
養親
三 号
養子の実父母
四 号

養子に対し親権を行う者(第二号に掲げる者を除く)及び養子の後見人

五 号
養親の後見人
六 号

養子の実父母に対し親権を行う者 及び養子の実父母の後見人

4項

家庭裁判所は、特別養子縁組の離縁の申立てを却下する審判をする場合には、次に掲げる者の陳述を聴かなければならない。

一 号

養子の実父母(申立人を除く

二 号

養子に対し親権を行う者 及び養子の後見人

三 号

養子の実父母に対し親権を行う者 及び養子の実父母の後見人

5項

特別養子縁組の離縁の審判は、第七十四条第一項に規定する者のほか、第三項第四号から第六号までに掲げる者に告知しなければならない。

6項

特別養子縁組の離縁の審判は、養子の年齢 及び発達の程度 その他一切の事情を考慮して養子の利益を害すると認める場合には、養子に告知することを要しない。

7項

次の各号に掲げる審判に対しては、当該各号に定める者(第一号にあっては、申立人を除く)は、即時抗告をすることができる。

一 号

特別養子縁組の離縁の審判

養子、養親、養子の実父母、養子に対し親権を行う者で養親でないもの、養子の後見人、養親の後見人、養子の実父母に対し親権を行う者 及び養子の実父母の後見人

二 号

特別養子縁組の離縁の申立てを却下する審判

申立人

8項

養子による特別養子縁組の離縁の審判に対する即時抗告の期間は、養子以外の者が審判の告知を受けた日(二以上あるときは、当該日のうち最も遅い日)から進行する。

1項

家庭裁判所(第百五条第二項の場合にあっては、高等裁判所。第三項 及び第四項において同じ。)は、特別養子縁組の成立の申立てがあった場合において、養子となるべき者の利益のため必要があるときは、当該申立てをした者の申立てにより、特別養子縁組の成立の申立てについての審判が効力を生ずるまでの間、申立人を養子となるべき者の監護者に選任し、又は養子となるべき者の親権者 若しくは未成年後見人の職務の執行を停止し、若しくはその職務代行者を選任することができる。

2項

前項の規定による職務の執行を停止する審判は、職務の執行を停止される親権者 若しくは未成年後見人、養子となるべき者に対し親権を行う者 若しくは他の未成年後見人 又は同項の規定により選任した職務代行者に告知することによって、その効力を生ずる。

3項

家庭裁判所は、いつでも、第一項の規定により選任した職務代行者を改任することができる。

4項

家庭裁判所は、第一項の規定により選任し、又は前項の規定により改任した職務代行者に対し、養子となるべき者の財産の中から、相当な報酬を与えることができる。

5項

前各項の規定(養子となるべき者の監護者を選任する保全処分に関する部分を除く)は、特別養子縁組の離縁の審判事件を本案とする保全処分について準用する。