建築基準法

# 昭和二十五年法律第二百一号 #
略称 : 建基法 

第五十三条 # 建蔽率

@ 施行日 : 令和六年六月十九日 ( 2024年 6月19日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第五十三号による改正

1項

建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合(以下「建蔽率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を超えてはならない。

一 号

第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、田園住居地域 又は工業専用地域内の建築物

十分の三十分の四十分の五 又は十分の六のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの

二 号

第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域 又は準工業地域内の建築物

十分の五十分の六 又は十分の八のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの

三 号

近隣商業地域内の建築物

十分の六 又は十分の八のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの

四 号

商業地域内の建築物

十分の八

五 号

工業地域内の建築物

十分の五 又は十分の六のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの

六 号

用途地域の指定のない区域内の建築物

十分の三十分の四十分の五十分の六 又は十分の七のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの

2項

建築物の敷地が前項の規定による建築物の建蔽率に関する制限を受ける地域 又は区域の二以上にわたる場合においては、当該建築物の建蔽率は、同項の規定による当該各地域 又は区域内の建築物の建蔽率の限度にその敷地の当該地域 又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。

3項

前二項の規定の適用については、第一号 又は第二号いずれかに該当する建築物にあつては第一項各号に定める数値に十分の一を加えたものをもつて当該各号に定める数値とし、第一号 及び第二号に該当する建築物にあつては同項各号に定める数値に十分の二を加えたものをもつて当該各号に定める数値とする。

一 号

防火地域(第一項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が十分の八とされている地域を除く)内にあるに該当する建築物 又は準防火地域内にある 若しくはいずれかに該当する建築物

耐火建築物 又はこれと同等以上の延焼防止性能(通常の火災による周囲への延焼を防止するために壁、柱、床 その他の建築物の部分 及び防火戸 その他の政令で定める防火設備に必要とされる性能をいう。において同じ。)を有するものとして政令で定める建築物(以下この条 及び第六十七条第一項において「耐火建築物等」という。

準耐火建築物 又はこれと同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物(耐火建築物等を除く第八項 及び第六十七条第一項において「準耐火建築物等」という。

二 号
街区の角にある敷地 又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物
4項

隣地境界線から後退して壁面線の指定がある場合 又は第六十八条の二第一項の規定に基づく条例で定める壁面の位置の制限(隣地境界線に面する建築物の壁 又はこれに代わる柱の位置 及び隣地境界線に面する高さ二メートルを超える門 又は塀の位置を制限するものに限る)がある場合において、当該壁面線 又は壁面の位置の制限として定められた限度の線を越えない建築物(ひさし その他の建築物の部分で政令で定めるものを除く次項において同じ。)で、特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建蔽率は、前三項の規定にかかわらず、その許可の範囲内において、前三項の規定による限度を超えるものとすることができる。

5項

次の各号いずれかに該当する建築物で、特定行政庁が安全上、防火上 及び衛生上支障がないと認めて許可したものの建蔽率は、第一項から第三項までの規定にかかわらず、その許可の範囲内において、これらの規定による限度を超えるものとすることができる。

一 号

特定行政庁が街区における避難上 及び消火上必要な機能の確保を図るため必要と認めて前面道路の境界線から後退して壁面線を指定した場合における、当該壁面線を越えない建築物

二 号

特定防災街区整備地区に関する都市計画において特定防災機能(密集市街地整備法第二条第三号に規定する特定防災機能をいう。次号において同じ。)の確保を図るため必要な壁面の位置の制限(道路に面する建築物の壁 又はこれに代わる柱の位置 及び道路に面する高さ二メートルを超える門 又は塀の位置を制限するものに限る同号において同じ。)が定められた場合における、当該壁面の位置の制限として定められた限度の線を越えない建築物

三 号

第六十八条の二第一項の規定に基づく条例において防災街区整備地区計画の区域(特定建築物地区整備計画 又は防災街区整備地区整備計画が定められている区域に限る)における特定防災機能の確保を図るため必要な壁面の位置の制限が定められた場合における、当該壁面の位置の制限として定められた限度の線を越えない建築物

四 号
建築物のエネルギー消費性能の向上のため必要な外壁に関する工事 その他の屋外に面する建築物の部分に関する工事を行う建築物で構造上やむを得ないものとして国土交通省令で定めるもの
6項

前各項の規定は、次の各号いずれかに該当する建築物については、適用しない

一 号

防火地域(第一項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が十分の八とされている地域に限る)内にある耐火建築物等

二 号
巡査派出所、公衆便所、公共用歩廊 その他これらに類するもの
三 号

公園、広場、道路、川 その他これらに類するものの内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上 及び衛生上支障がないと認めて許可したもの

7項

建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物等であるときは、その敷地は、全て防火地域内にあるものとみなして、第三項第一号 又は前項第一号の規定を適用する。

8項

建築物の敷地が準防火地域と防火地域 及び準防火地域以外の区域とにわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物等 又は準耐火建築物等であるときは、その敷地は、全て準防火地域内にあるものとみなして、第三項第一号の規定を適用する。

9項

第四十四条第二項の規定は、第四項第五項 又は第六項第三号の規定による許可をする場合に準用する。