建築基準法

# 昭和二十五年法律第二百一号 #
略称 : 建基法 

第八十七条の三 # 建築物の用途を変更して一時的に他の用途の建築物として使用する場合の制限の緩和

@ 施行日 : 令和六年六月十九日 ( 2024年 6月19日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第五十三号による改正

1項

非常災害があつた場合において、非常災害区域等内にある建築物の用途を変更して災害救助用建築物(住宅、病院 その他これらに類する建築物で、国、地方公共団体 又は日本赤十字社が災害救助のために使用するものをいう。以下この条 及び第百一条第一項第十六号において同じ。)として使用するとき(その災害が発生した日から一月以内に当該用途の変更に着手するときに限る)における当該災害救助用建築物については、建築基準法令の規定は、適用しない


ただし、非常災害区域等のうち防火地域内にある建築物については、この限りでない。

2項

災害があつた場合において、建築物の用途を変更して公益的建築物(学校、集会場 その他これらに類する公益上必要な用途に供する建築物をいう。以下この条 及び第百一条第一項第十六号において同じ。)として使用するときにおける当該公益的建築物については、第十二条第一項から第四項まで第二十一条第二十二条第二十六条第三十条第三十四条第二項第三十五条第三十六条第二十一条第二十六条第三十四条第二項 及び第三十五条に係る部分に限る)、第三十九条第四十条第三章 並びに第八十七条第一項 及び第二項の規定は、適用しない

3項

建築物の用途を変更して第一項の災害救助用建築物 又は前項の公益的建築物とした者は、その用途の変更を完了した後三月を超えて当該建築物を引き続き災害救助用建築物 又は公益的建築物として使用しようとする場合においては、その超えることとなる日前に、特定行政庁の許可を受けなければならない。


ただし、当該許可の申請をした場合において、その超えることとなる日前に当該申請に対する処分がされないときは、当該処分がされるまでの間は、当該建築物を引き続き災害救助用建築物 又は公益的建築物として使用することができる。

4項

特定行政庁は、前項の許可の申請があつた場合において、安全上、防火上 及び衛生上支障がないと認めるときは、二年以内の期間を限つて、その許可をすることができる。

5項

特定行政庁は、被災者の需要に応ずるに足りる適当な建築物が不足すること その他の理由により前項に規定する期間を超えて使用する特別の必要がある災害救助用建築物 又は公益的建築物について、安全上、防火上 及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認める場合においては、同項の規定にかかわらず、更に一年を超えない範囲内において同項の規定による許可の期間を延長することができる。


被災者の需要に応ずるに足りる適当な建築物が不足すること その他の理由により当該延長に係る期間を超えて使用する特別の必要がある災害救助用建築物 又は公益的建築物についても、同様とする。

6項

特定行政庁は、建築物の用途を変更して興行場等(興行場、博覧会建築物、店舗 その他これらに類する建築物をいう。以下同じ。)とする場合における当該興行場等について安全上、防火上 及び衛生上支障がないと認めるときは、一年以内の期間(建築物の用途を変更して代替建築物(建築物の工事を施工するためその工事期間中当該従前の建築物に代えて使用する興行場、店舗 その他これらに類する建築物をいう。)とする場合における当該代替建築物については、特定行政庁が当該工事の施工上必要と認める期間)を定めて、当該建築物を興行場等として使用することを許可することができる。


この場合においては、第十二条第一項から第四項まで第二十一条第二十二条第二十四条第二十六条第二十七条第三十四条第二項第三十五条の二第三十五条の三第三章 及び第八十七条第二項の規定は、適用しない

7項

特定行政庁は、建築物の用途を変更して特別興行場等(国際的な規模の会議 又は競技会の用に供すること その他の理由により一年を超えて使用する特別の必要がある興行場等をいう。以下この項において同じ。)とする場合における当該特別興行場等について、安全上、防火上 及び衛生上支障がなく、かつ、公益上やむを得ないと認めるときは、前項の規定にかかわらず、当該特別興行場等の使用上必要と認める期間を定めて、当該建築物を特別興行場等として使用することを許可することができる。


この場合においては、同項後段の規定を準用する。

8項

特定行政庁は、第五項の規定により許可の期間を延長する場合 又は前項の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。


ただし、病院、学校 その他の公益上特に必要なものとして国土交通省令で定める用途に供する災害救助用建築物 又は公益的建築物について第五項の規定により許可の期間を延長する場合は、この限りでない。