検察官は、その保管している押収物が第十条第一項第一号に掲げる物に該当すると思料する場合において、当該押収物について同条の規定による措置(以下「消去等措置」という。)をするときは、刑事訴訟法の規定による押収を解いた上、これを領置するものとする。
この場合において、当該押収物は、同法の規定により還付することを要しない。
検察官は、その保管している押収物が第十条第一項第一号に掲げる物に該当すると思料する場合において、当該押収物について同条の規定による措置(以下「消去等措置」という。)をするときは、刑事訴訟法の規定による押収を解いた上、これを領置するものとする。
この場合において、当該押収物は、同法の規定により還付することを要しない。
刑事被告事件の係属する裁判所は、次に掲げる押収物について、留置の必要がないと認める場合において、当該押収物が第十条第一項第一号に掲げる物に該当すると思料するときは、その旨を検察官に通知しなければならない。
この場合において、当該押収物は、刑事訴訟法の規定により還付することを要しない。
刑事訴訟法第九十九条第一項の規定により差し押さえた物であって、その差押えの時まで検察官により保管されていたもの
刑事訴訟法第九十九条第三項の規定により提出を受けた物であって、その提出を受ける時まで検察官により保管されていたもの
刑事訴訟法第百一条の規定により領置した物であって、検察官が同法第三百十条の規定により裁判所に提出したもの
家庭裁判所は、次に掲げる押収物について、留置の必要がないと認める場合において、当該押収物が第十条第一項第一号に掲げる物に該当すると思料するときは、その旨を検察官に通知しなければならない。
この場合において、当該押収物は、少年法(昭和二十三年法律第百六十八号)第十五条第二項において準用する刑事訴訟法の規定により還付することを要しない。
少年法第十五条第二項において準用する刑事訴訟法第九十九条第一項の規定により差し押さえた物であって、その差押えの時まで検察官により保管されていたもの
少年法第十五条第二項において準用する刑事訴訟法第九十九条第三項の規定により提出を受けた物であって、その提出を受ける時まで検察官により保管されていたもの
少年法第十五条第二項において準用する刑事訴訟法第百一条の規定により領置した物であって、少年の保護事件の処理に関する法令の規定により検察官が家庭裁判所に送付したもの
検察官は、第一項前段 又は前項前段の規定による通知に係る押収物について、当該押収物が第十条第一項第一号に掲げる物に該当すると思料するときは、これを領置することができる。
この場合において、裁判所は、検察官が当該押収物を領置するときは、その押収を解くものとし、検察官が当該押収物を領置しないときは、これを還付するものとする。
刑事被告事件の係属する裁判所は、第一項各号に掲げる押収物について、終局裁判 又は略式命令をする場合において、没収の言渡しをしない場合(略式命令の場合にあっては、没収を科さない場合)であって、当該押収物が第十条第一項第一号に掲げる物に該当すると思料するときは、これを検察官に引き渡す旨の言渡し(略式命令の場合にあっては、検察官に引き渡す旨の裁判)をしなければならない。
家庭裁判所は、第二項各号に掲げる押収物について、少年法第十八条、第十九条第一項、第二十三条第二項 又は第二十四条第一項の決定をする場合において、同法第二十四条の二第一項 又は第二項の決定をしない場合であって、当該押収物が第十条第一項第一号に掲げる物に該当すると思料するときは、これを検察官に引き渡す旨の決定をしなければならない。
第四項の言渡し 又は前項の決定については、行政事件訴訟に関する法令の規定は、適用しない。
検察官は、第四項の言渡し 又は第五項の決定に係る押収物について、当該押収物が第十条第一項第一号に掲げる物に該当すると思料するときは、これを領置することができる。
この場合において、検察官は、当該押収物を領置しないときは、これを還付するものとする。
検察官は、第二項各号に掲げる押収物について、第二十六条第一項各号に掲げる処分等 又は当該処分等に係る第二十九条第一項各号に定める裁決をするため必要な限度で、最高裁判所規則の定めるところにより、当該押収物に係る少年の保護事件の記録 及び証拠物を閲覧し、及び謄写することができる。
検察官は、第十二条前段 又は前条第三項前段 若しくは第七項前段の規定による領置をしたときは、その目録を作成し、所有者、所持者 若しくは保管者(同条第一項 若しくは第四項に規定する刑事被告事件の係属する裁判所 又は同条第二項 若しくは第五項に規定する家庭裁判所を除く。)又はこれらの者に代わるべき者に交付しなければならない。
検察官は、第十二条前段 又は第十三条第三項前段 若しくは第七項前段の規定により領置した物(以下「対象領置物件」という。)のうち、運搬 又は保管に不便な対象領置物件については、看守者を置き、又は所有者その他の者に、その承諾を得て、これを保管させることができる。
検察官は、消去等措置をするときは、第二十三条第五号に掲げる場合を除き、あらかじめ、とるべき措置の内容を明らかにして、その旨の決定(以下「消去等決定」という。)をしなければならない。
消去等決定 又は第十一条の規定による命令(以下「消去命令」という。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者に対してするものとする。
電磁的記録を消去する措置をとる旨の消去等決定をする場合
当該電磁的記録が帰属する者
対象領置物件を廃棄する措置をとる旨の消去等決定をする場合
当該対象領置物件の所有者 その他の権利者
消去命令をする場合
第十一条に規定する者
検察官は、消去等決定 又は消去命令をするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
前項の規定による聴聞を行う場合における行政手続法第十五条第四項 及び第二十二条第三項の規定の適用については、
同法第十五条第四項中
「(以下この項において「公示事項」という。)を総務省令で定める方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置くとともに、公示事項が記載された書面を当該行政庁の事務所の掲示場に掲示し、又は公示事項を当該事務所に設置した電子計算機の映像面に表示したものの閲覧をすることができる状態に置く措置をとる」とあるのは
「を当該行政庁の事務所の掲示場に掲示する」と、
同項 及び同法第二十二条第三項中
「当該措置を開始した」とあるのは
「掲示を始めた」と
する。
第二項の規定による聴聞を行う場合において、行政手続法第十八条第一項に規定する当事者等は、同項に規定する資料中対象姿態等が記録された部分については謄写を求めることができない。
検察官は、第二項の規定による聴聞を行った後、消去等決定 又は消去命令をすることが必要であると認めるときは、遅滞なく、消去等決定 又は消去命令をするものとする。
検察官は、第一項第一号 又は第二号に定める者が複数である場合において、これらの者の一部を知ることができないときは、これらの者に該当する旨を二週間以内に申し出るべき旨を政令で定める方法によって公告しなければならない。
この場合において、検察官は、当該期間を経過したときにこれらの者として判明している者について第二項の規定による聴聞 及び消去等決定を行えば消去等措置を実施することができる。
第二項の規定による聴聞を行う場合における行政手続法第三章第二節の規定に基づく処分 又はその不作為については、第二十六条の規定による審査の申立てをすることができない。
検察官は、第十条第一項第二号ロ 又はハに掲げる措置に係る消去等決定をする場合において、前条第一項第一号 又は第二号に定める者から、法務省令で定めるところにより、対象領置物件に記録されている電磁的記録を特定してこれを複写した他の記録媒体の交付を受けたい旨の申出があり、当該電磁的記録が対象電磁的記録ではないと認めるときは、当該措置を実施する前に、当該電磁的記録を他の記録媒体に複写し、これを交付するものとする。
前項の規定にかかわらず、検察官は、次の各号のいずれかに該当するときは、同項の規定による交付をしないことができる。
前項の申出をした者が対象電磁的記録ではない電磁的記録を複写する他の記録媒体を提供しないとき その他同項の規定による交付に関する検察官の指示に従わないとき。
前二号に定めるもののほか、前項の申出が権利の濫用と認められるとき。
検察官は、第一項に規定する者が同項の申出をするに当たり、必要があると認めるときは、その者に対し、対象領置物件に記録されている電磁的記録を確認する機会を与えるものとする。
第一項の規定により複写すべき電磁的記録の範囲は、消去等決定において定めるものとする。
検察官は、前条第一項の申出に係る電磁的記録が対象電磁的記録であるか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該申出をした者に対し、期間を定めて、当該申出に係る電磁的記録が対象電磁的記録ではないことの裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
この場合において、当該申出をした者が当該資料を提出しないときは、同項の規定の適用については、当該申出に係る電磁的記録は対象電磁的記録とみなす。
消去等決定 及び消去命令は、書面でしなければならない。
検察官は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める者に前項の書面の謄本を送達しなければならない。
電磁的記録を消去する措置をとる旨の消去等決定をした場合
第十七条第一項第一号に定める者
対象領置物件を廃棄する措置をとる旨の消去等決定をした場合
第十七条第一項第二号に定める者
消去命令をした場合
第十七条第一項第三号に定める者
前項の規定にかかわらず、送達を受けるべき者の所在が知れないとき、その他第一項の書面の謄本を送達することができないときは、検察官が当該書面の謄本を保管し、いつでもその送達を受けるべき者に交付すべき旨を当該検察官が所属する検察庁の掲示場に掲示することをもって前項の規定による送達に代えることができる。
この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過した時に同項の規定による送達があったものとみなす。
検察官は、第十七条第一項第一号 又は第二号に定める者を知ることができないため、消去等決定をすることができないときは、その旨 及び六月が経過してもこれらの者が判明しないときは消去等措置を実施することを政令で定める方法によって公告しなければならない。