所得税の納税地は、納税義務者が次の各号に掲げる場合のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める場所とする。
所得税法
第五章 納税地
国内に住所を有する場合
その住所地
国内に住所を有せず、居所を有する場合
その居所地
前二号に掲げる場合を除き、 恒久的施設を有する非居住者である場合
その恒久的施設を通じて行う事業に係る事務所、事業所 その他 これらに準ずるものの所在地(これらが二以上ある場合には、主たるものの所在地)
第一号 又は第二号の規定により納税地を定められていた者が国内に住所 及び居所を有しないこととなつた場合において、その者がその有しないこととなつた時に前号に規定する事業に係る事務所、事業所その他 これらに準ずるものを有せず、かつ、その納税地とされていた場所にその者の親族 その他 その者と特殊の関係を有する者として政令で定める者が引き続き、又は その者に代わつて居住しているとき。
その納税地とされていた場所
前各号に掲げる場合を除き、第百六十一条第一項第七号(国内源泉所得)に掲げる対価(船舶 又は航空機の貸付けによるものを除く。)を受ける場合
当該対価に係る資産の所在地(その資産が二以上ある場合には、主たる資産の所在地)
前各号に掲げる場合以外の場合
政令で定める場所
国内に住所のほか居所を有する納税義務者(第十八条第一項(納税地の指定)の規定により納税地の指定を受けている納税義務者を除く。次項において同じ。)は、前条第一号の規定にかかわらず、 その住所地に代え、その居所地を納税地とすることができる。
国内に住所 又は居所を有し、かつ、その住所地 又は居所地以外の場所にその営む事業に係る事業場 その他これに準ずるもの(以下この条において「事業場等」という。)を有する納税義務者は、前条第一号 又は第二号の規定にかかわらず、その住所地 又は居所地に代え、その事業場等の所在地(その事業場等が二以上ある場合には、これらのうち主たる事業場等の所在地。以下この条において同じ。)を納税地とすることができる。
第一項の規定の適用を受けようとする者は、その住所地の所轄税務署長に対し、その住所地 及び居所地、その居所地を納税地とすることを便宜とする事情 その他財務省令で定める事項を記載した書類を提出しなければならない。
この場合において、当該書類の提出があつたときは、その提出があつた日後における納税地は、その居所地とする。
第二項の規定の適用を受けようとする者は、その納税地とされている住所地 又は居所地の所轄税務署長に対し、その住所地 又は居所地 及び事業場等の所在地、その事業場等の所在地を納税地とすることを便宜とする事情 その他財務省令で定める事項を記載した書類を提出しなければならない。
この場合においては、前項後段の規定を準用する。
第一項 又は第二項の規定により居所地 又は事業場等の所在地を納税地としている者は、これらの規定の適用を受ける必要がなくなつた場合において、その納税地の所轄税務署長に対し、その旨 及び当該納税地 その他財務省令で定める事項を記載した書類を提出したときは、その提出があつた日後における納税地は、その住所地(同項の規定により事業場等の所在地を納税地としている者で住所地を有していない者については、居所地)とする。
納税義務者が死亡した場合には、その死亡した者の所得税の納税地は、その相続人の所得税の納税地によらず、その死亡当時におけるその死亡した者の所得税の納税地とする。
第二十八条第一項(給与所得)に規定する給与等の支払をする者 その他第四編第一章から 第六章まで(源泉徴収)に規定する支払をする者(以下この条において「給与等支払者」という。)のその支払につき源泉徴収をすべき所得税の納税地は、当該給与等支払者の事務所、事業所 その他 これらに準ずるものでその支払事務を取り扱うもの(以下この条において「事務所等」という。)のその支払の日における所在地(当該支払の日以後に当該給与等支払者が国内において事務所等を移転した場合には、当該事務所等の移転後の所在地 その他の政令で定める場所)とする。
ただし、公社債の利子、内国法人(第六条の三第一号(受託法人等に関するこの法律の適用)の規定により内国法人とされる同条に規定する受託法人を含む。)が支払う第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当 その他の政令で定めるものについては、その支払をする者の本店 又は主たる事務所の所在地 その他の政令で定める場所とする。
第十五条(納税地)又は第十六条(納税地の特例)の規定による納税地が納税義務者の所得の状況からみて所得税の納税地として不適当であると認められる場合には、その納税地の所轄国税局長(政令で定める場合には、国税庁長官。以下この条において同じ。)は、これらの規定にかかわらず、その所得税の納税地を指定することができる。
前条の規定による納税地が同条に規定する支払をする者の支払事務の形態その他の状況からみて同条の所得税の納税地として不適当であると認められる場合には、その納税地の所轄国税局長は、同条の規定にかかわらず、 その所得税の納税地を指定することができる。
国税局長は、前二項の規定により所得税の納税地を指定したときは、これらの規定に規定する納税義務者 又は支払をする者に対し、書面によりその旨を通知する。
再調査の請求についての決定 若しくは審査請求についての裁決 又は判決により、前条第一項 又は第二項の規定による納税地の指定の処分の取消しがあつた場合においても、その処分の取消しは、その取消しの対象となつた処分のあつた時から その取消しの時までの間に、その取消しの対象となつた納税地をその処分に係る納税地として同条第一項に規定する納税義務者の所得税 又は同条第二項に規定する支払をする者の同項の所得税に関してされた申告、申請、請求、届出 その他書類の提出 及び納付 並びに国税庁長官、国税局長 又は税務署長の処分(その取消しの対象となつた処分を除く。)の効力に影響を及ぼさないものとする。
納税義務者は、その所得税の納税地に異動があつた場合(第十六条第三項から 第五項まで(納税地の特例)に規定する書類の提出 又は第十八条第一項(納税地の指定)の指定によりその納税地に異動があつた場合を除く。)には、政令で定めるところにより、その異動前の納税地の所轄税務署長にその旨を届け出なければならない。