文化財保護法

# 昭和二十五年法律第二百十四号 #

第四十二条 # 補助等に係る重要文化財譲渡の場合の納付金

@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正

1項

国が修理 又は滅失、き損 若しくは盗難の防止の措置(以下この条において、「修理等」という。)につき第三十五条第一項の規定により補助金を交付し、又は第三十六条第二項第三十七条第三項 若しくは第四十条第一項の規定により費用を負担した重要文化財のその当時における所有者 又は その相続人、受遺者 若しくは受贈者(第二次以下の相続人、受遺者 又は受贈者を含む。以下この条において同じ。)(以下この条において、「所有者等」という。)は、補助 又は費用負担に係る修理等が行われた後 当該重要文化財を有償で譲り渡した場合においては、当該補助金 又は負担金の額(第四十条第一項の規定による負担金については、同条第二項の規定により所有者から 徴収した部分を控除した額をいう。以下この条において同じ。)の合計額から当該修理等が行われた後重要文化財の修理等のため自己の費した金額を控除して得た金額(以下この条において、「納付金額」という。)を、文部科学省令の定めるところにより国庫に納付しなければならない。

2項

前項に規定する「補助金 又は負担金の額」とは、補助金 又は負担金の額を、補助 又は費用負担に係る修理等を施した重要文化財 又は その部分につき文化庁長官が個別的に定める耐用年数で除して得た金額に、更に当該耐用年数から修理等を行つた時以後重要文化財の譲渡の時までの年数を控除した残余の年数(一年に満たない部分があるときは、これを切り捨てる。)を乗じて得た金額に相当する金額とする。

3項

補助 又は費用負担に係る修理等が行われた後、当該重要文化財が所有者等の責に帰することのできない事由により著しく その価値を減じた場合 又は当該重要文化財を国に譲り渡した場合には、文化庁長官は、納付金額の全部 又は一部の納付を免除することができる。

4項

文化庁長官の指定する期限までに納付金額を完納しないときは、国税滞納処分の例により、これを徴収することができる。


この場合における徴収金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。

5項

納付金額を納付する者が相続人、受遺者 又は受贈者であるときは、第一号に定める相続税額 又は贈与税額と第二号に定める額との差額に相当する金額を第三号に定める年数で除して得た金額に第四号に定める年数を乗じて得た金額をその者が納付すべき納付金額から控除するものとする。

一 号

当該重要文化財の取得につきその者が納付した、 又は納付すべき相続税額 又は贈与税額

二 号

前号の相続税額 又は贈与税額の計算の基礎となつた課税価格に算入された当該重要文化財 又は その部分につき当該相続、遺贈 又は贈与の時までに行つた修理等に係る第一項の補助金 又は負担金の額の合計額を当該課税価格から控除して得た金額を課税価格として計算した場合に当該重要文化財 又は その部分につき納付すべきこととなる相続税額 又は贈与税額に相当する額

三 号

第二項の規定により当該重要文化財 又は その部分につき文化庁長官が定めた耐用年数から当該重要文化財 又は その部分の修理等を行つた時以後当該重要文化財の相続、遺贈 又は贈与の時までの年数を控除した残余の年数(一年に満たない部分があるときは、これを切り捨てる。

四 号

第二項に規定する当該重要文化財 又は その部分についての残余の耐用年数

6項

前項第二号に掲げる第一項の補助金 又は負担金の額については、第二項の規定を準用する。


この場合において、

同項
譲渡の時」とあるのは、
「相続、遺贈 又は贈与の時」と

読み替えるものとする。

7項

第一項の規定により納付金額を納付する者の同項に規定する譲渡に係る所得税法昭和四十年法律第三十三号第三十三条第一項に規定する譲渡所得の金額の計算については、第一項の規定により納付する金額は、同条第三項に規定する資産の譲渡に要した費用とする。