日本国憲法

# 昭和二十一年憲法 #

第四章 国会

分類 憲法
カテゴリ   憲法
最終編集日 : 2024年 03月27日 05時59分


1項

国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

1項

国会は、衆議院 及び参議院の両議院でこれを構成する。

1項

両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。

○2項

両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

1項

両議院の議員 及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。


但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産 又は収入によつて差別してはならない。

1項

衆議院議員の任期は、四年とする。


但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。

1項

参議院議員の任期は、六年とし、三年ごとに議員の半数を改選する。

1項

選挙区、投票の方法 その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

1項

何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

1項

両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

1項

両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

1項

両議院の議員は、議院で行つた演説、討論 又は表決について、院外で責任を問はれない。

1項

国会の常会は、毎年一回これを召集する。

1項

内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。


いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

1項

衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。

○2項

衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。


但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。

○3項

前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後十日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

1項

両議院は、各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。


但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

1項

両議院は、各々 その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。

○2項

両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

1項

両議院の会議は、公開とする。


但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。

○2項

両議院は、各々 その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。

○3項

出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。

1項

両議院は、各々その議長 その他の役員を選任する。

○2項

両議院は、各々その会議 その他の手続 及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。


但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。

1項

法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

○2項

衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

○3項

前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

○4項

参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

1項

予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。

○2項

予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

1項

条約の締結に必要な国会の承認については、前条第二項の規定を準用する。

1項

両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭 及び証言 並びに記録の提出を要求することができる。

1項

内閣総理大臣 その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。


又、答弁 又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

1項

国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。

○2項

弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。