日本語教育の推進に関する法律

# 令和元年法律第四十八号 #
略称 : 日本語教育推進法 

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   教育
@ 施行日 : 令和五年十二月一日 ( 2023年 12月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第五十六号
最終編集日 : 2024年 10月28日 16時22分


1項

この法律は、日本語教育の推進が、我が国に居住する外国人が日常生活 及び社会生活を国民と共に円滑に営むことができる環境の整備に資するとともに、我が国に対する諸外国の理解と関心を深める上で重要であることに鑑み、日本語教育の推進に関し、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体 及び事業主の責務を明らかにするとともに、基本方針の策定 その他日本語教育の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進し、もって多様な文化を尊重した活力ある共生社会の実現に資するとともに、諸外国との交流の促進 並びに友好関係の維持 及び発展に寄与することを目的とする。

1項

この法律において「外国人等」とは、日本語に通じない外国人 及び日本の国籍を有する者をいう。

2項

この法律において「日本語教育」とは、外国人等が日本語を習得するために行われる教育 その他の活動(外国人等に対して行われる日本語の普及を図るための活動を含む。)をいう。

1項

日本語教育の推進は、日本語教育を受けることを希望する外国人等に対し、その希望、置かれている状況 及び能力に応じた日本語教育を受ける機会が最大限に確保されるよう行われなければならない。

2項

日本語教育の推進は、日本語教育の水準の維持向上が図られるよう行われなければならない。

3項

日本語教育の推進は、外国人等に係る教育 及び労働、出入国管理 その他の関連施策 並びに外交政策との有機的な連携が図られ、総合的に行われなければならない。

4項

日本語教育の推進は、国内における日本語教育が地域の活力の向上に寄与するものであるとの認識の下に行われなければならない。

5項

日本語教育の推進は、海外における日本語教育を通じて我が国に対する諸外国の理解と関心を深め、諸外国との交流を促進するとともに、諸外国との友好関係の維持 及び発展に寄与することとなるよう行われなければならない。

6項

日本語教育の推進は、日本語を学習する意義についての外国人等の理解と関心が深められるように配慮して行われなければならない。

7項

日本語教育の推進は、我が国に居住する幼児期 及び学齢期(満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから満十五歳に達した日の属する学年の終わりまでの期間をいう。)にある外国人等の家庭における教育等において使用される言語の重要性に配慮して行われなければならない。

1項

国は、前条の基本理念(以下単に「基本理念」という。)にのっとり、日本語教育の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

1項

地方公共団体は、基本理念にのっとり、日本語教育の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

1項

外国人等を雇用する事業主は、基本理念にのっとり、国 又は地方公共団体が実施する日本語教育の推進に関する施策に協力するとともに、その雇用する外国人等 及びその家族に対する日本語学習(日本語を習得するための学習をいう。以下同じ。)の機会の提供 その他の日本語学習に関する支援に努めるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、国内における日本語教育が適切に行われるよう、関係省庁相互間 その他関係機関、日本語教育を行う機関(日本語教育を行う学校(学校教育法昭和二十二年法律第二十六号第一条に規定する学校、同法第百二十四条に規定する専修学校 及び同法第百三十四条第一項に規定する各種学校をいう。)を含む。以下同じ。)、外国人等を雇用する事業主、外国人等の生活支援を行う団体等の関係者相互間の連携の強化 その他必要な体制の整備に努めるものとする。

2項

国は、海外における日本語教育が持続的かつ適切に行われるよう、独立行政法人国際交流基金、日本語教育を行う機関、諸外国の行政機関 及び教育機関等との連携の強化 その他必要な体制の整備に努めるものとする。

1項

政府は、日本語教育の推進に関する施策を実施するため必要な法制上 又は財政上の措置 その他の措置を講じなければならない。

1項

政府は、日本語教育の状況 及び政府が日本語教育の推進に関して講じた施策に関する資料を作成し、適切な方法により随時公表しなければならない。