本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律

平成二十八年法律第六十八号
略称 : ヘイトスピーチ解消法 
分類 法律
カテゴリ   憲法
最終編集日 : 2024年 04月29日 18時04分

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  • 第一章 総則

  • 第二章 基本的施策

前文

我が国においては、近年、本邦の域外にある国 又は地域の出身であることを理由として、適法に居住するその出身者 又はその子孫を、我が国の地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動が行われ、その出身者 又はその子孫が多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている。


もとより、このような不当な差別的言動はあってはならず、こうした事態をこのまま看過することは、国際社会において我が国の占める地位に照らしても、ふさわしいものではない。


ここに、このような不当な差別的言動は許されないことを宣言するとともに、更なる人権教育と人権啓発などを通じて、国民に周知を図り、その理解と協力を得つつ、不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進すべく、この法律を制定する。

第一章 総則

1項

この法律は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進することを目的とする。

1項

この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国 若しくは地域の出身である者 又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し 又は誘発する目的で公然と その生命、身体、自由、名誉 若しくは財産に危害を加える旨を告知し 又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国 又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。

1項

国民は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない。

1項

は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を実施するとともに、地方公共団体が実施する本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を推進するために必要な助言 その他の措置を講ずる責務を有する。

2項

地方公共団体は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。

第二章 基本的施策

1項

は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止 又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するものとする。

2項

地方公共団体は、との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止 又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するよう努めるものとする。

1項

は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。

2項

地方公共団体は、との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

1項

は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、国民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報 その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。

2項

地方公共団体は、との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報 その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

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@ 施行期日

1項
この法律は、公布の日から施行する。

@ 不当な差別的言動に係る取組についての検討

2項

不当な差別的言動に係る取組については、この法律の施行後における本邦外出身者に対する不当な差別的言動の実態等を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。