地域森林計画の対象となつている民有林であつて、当該森林の立木が数人の共有に属するもののうち、過失がなくて当該森林の森林所有者の一部を確知することができないもの(以下「共有者不確知森林」という。)について、当該共有者不確知森林の森林所有者で知れているもの(以下「確知森林共有者」という。)が当該共有者不確知森林の立木の伐採 及び伐採後の造林をするため次に掲げる権利の取得をしようとするときは、当該確知森林共有者は、単独で又は共同して、農林水産省令で定めるところにより、当該共有者不確知森林に係る次条の規定による公告を求める旨を当該共有者不確知森林の所在地の属する市町村の長に申請することができる。
森林法
第二節 共有者不確知森林の共有者による森林の施業の円滑化
当該共有者不確知森林の森林所有者で過失がなくて確知することができないものの当該共有者不確知森林の立木についての持分(以下「不確知立木持分」という。)
過失がなくて当該共有者不確知森林の土地の所有者の全部 又は一部を確知することができない場合には、当該共有者不確知森林について行う伐採 及び伐採後の造林の実施 並びにそのために必要な施設の整備のため当該共有者不確知森林の土地を使用する権利(以下「不確知土地使用権」という。)
前項の規定による申請をする確知森林共有者は、次に掲げる事項を明らかにする資料を添付しなければならない。
当該共有者不確知森林の立木の伐採について、前号の確知森林共有者の全部の同意を得ていること。
市町村の長は、前条第一項の規定による申請があつた場合において、当該申請が相当であると認めるときは、次に掲げる事項を公告するものとする。
次に掲げる者は、公告の日から起算して六月以内に、農林水産省令で定めるところにより、その権原を証する書面を添えて、市町村の長に申し出るべき旨
当該共有者不確知森林の森林所有者 又は当該共有者不確知森林の土地の所有者で、確知することができないもの(第十条の十二の七第一項において「不確知森林共有者等」という。)
当該共有者不確知森林に関し所有権以外の権利を有する者で、当該共有者不確知森林の伐採 及び伐採後の造林について異議のあるもの
市町村の長は、前条の規定による公告をした場合において、同条第四号に規定する期間を経過したときは、当該公告に係る申請をした確知森林共有者に対し、当該期間内における当該公告に係る同号イ 又はロに掲げる者からの同号の規定による申出の有無を通知するものとする。
この場合において、当該申出がないときは、当該確知森林共有者は、当該通知の日から起算して四月以内に、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、不確知立木持分 又は不確知土地使用権の取得に関し裁定を申請することができる。
都道府県知事は、前条の規定による申請をした確知森林共有者が不確知立木持分 又は不確知土地使用権を取得することが当該申請に係る共有者不確知森林の立木の伐採 及び伐採後の造林を実施するために必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該申請に係る不確知立木持分 又は不確知土地使用権を取得すべき旨の裁定をするものとする。
前項の裁定においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
前項各号に掲げる事項は、それぞれ次の各号に掲げる基準に適合するものとして定めなければならない。
前項第一号、第二号、第四号 及び第五号に掲げる事項については、申請の範囲を超えないこと。
前項第三号に規定する補償金のうち不確知立木持分に係るものの額については、不確知立木持分に係る立木の販売による標準的な収入の額から当該立木の育成、伐採 及び販売に要する標準的な費用の額を控除して得た額とすること。
前項第三号に規定する補償金のうち不確知土地使用権に係るものの額については、森林の土地に関する同種の権利の標準的な取引価格に相当する額とすること。
前項第三号に規定する支払の時期は、同項第四号に規定する伐採の時期の開始する日の前日までとすること。
都道府県知事は、前条第一項の裁定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨をその裁定の申請をした確知森林共有者 及び第十条の十二の三の規定による公告をした市町村の長に通知するとともに、これを公告しなければならない。
その裁定についての審査請求に対する裁決によつてその裁定の内容が変更されたときも、同様とする。
前条第一項の裁定について前項の規定による公告があつたときは、その裁定の定めるところにより、その裁定の申請をした確知森林共有者は、当該共有者不確知森林についての不確知立木持分 又は不確知土地使用権を取得する。
第十条の十二の五第一項の裁定の申請をした確知森林共有者は、その裁定において定められた補償金の支払の時期までに、その補償金を不確知森林共有者等のために供託しなければならない。
前項の規定による補償金の供託は、当該共有者不確知森林の所在地の供託所にするものとする。
第十条の十二の五第一項の裁定の定めるところにより不確知立木持分 又は不確知土地使用権を取得した確知森林共有者がその裁定において定められた補償金の支払の時期までにその供託をしないときは、その裁定は、その時以後 その効力を失う。