この法律は、民間の資金、経営能力 及び技術的能力を活用した公共施設等の整備等の促進を図るための措置を講ずること等により、効率的かつ効果的に社会資本を整備するとともに、国民に対する低廉かつ良好なサービスの提供を確保し、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律
第一章 総則
この法律において「公共施設等」とは、次に掲げる施設(設備を含む。)をいう。
情報通信施設、熱供給施設、新エネルギー施設、リサイクル施設(廃棄物処理施設を除く。)、観光施設 及び研究施設
船舶、航空機 その他の輸送施設 及び人工衛星(これらの施設の運行に必要な施設を含む。)
前各号に掲げる施設に準ずる施設として政令で定めるもの
この法律において「特定事業」とは、公共施設等の整備等(公共施設等の建設、製造、改修、維持管理 若しくは運営 又はこれらに関する企画をいい、国民に対するサービスの提供を含む。以下同じ。)に関する事業(市街地再開発事業、土地区画整理事業 その他の市街地開発事業を含む。)であって、民間の資金、経営能力 及び技術的能力を活用することにより効率的かつ効果的に実施されるものをいう。
この法律において「公共施設等の管理者等」とは、次に掲げる者をいう。
公共施設等の管理者である各省各庁の長(衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、会計検査院長 及び大臣をいう。以下同じ。)又は特定事業を所管する大臣
公共施設等の整備等を行う独立行政法人、特殊法人 その他の公共法人(市街地再開発事業、土地区画整理事業 その他の市街地開発事業を施行する組合を含む。以下「公共法人」という。)
この法律において「選定事業」とは、第七条の規定により選定された特定事業をいう。
この法律において「選定事業者」とは、第八条第一項の規定により選定事業を実施する者として選定された者をいう。
この法律において「公共施設等運営事業」とは、特定事業であって、第十六条の規定による設定を受けて、公共施設等の管理者等が所有権(公共施設等を構成する建築物 その他の工作物の敷地の所有権を除く。第二十九条第四項において同じ。)を有する公共施設等(利用料金(公共施設等の利用に係る料金をいう。以下同じ。)を徴収するものに限る。)について、運営等(運営 及び維持管理 並びにこれらに関する企画をいい、国民に対するサービスの提供を含む。以下同じ。)を行い、利用料金を自らの収入として収受するものをいう。
この法律において「公共施設等運営権」とは、公共施設等運営事業を実施する権利をいう。
公共施設等の整備等に関する事業は、国 及び地方公共団体(これらに係る公共法人を含む。以下この条 及び第七十七条において同じ。)と民間事業者との適切な役割分担 並びに財政資金の効率的使用の観点を踏まえつつ、行政の効率化 又は国 及び地方公共団体の財産の有効利用にも配慮し、当該事業により生ずる収益等をもってこれに要する費用を支弁することが可能である等の理由により民間事業者に行わせることが適切なものについては、できる限りその実施を民間事業者に委ねるものとする。
特定事業は、国 及び地方公共団体と民間事業者との責任分担の明確化を図りつつ、収益性を確保するとともに、国 及び地方公共団体の民間事業者に対する関与を必要最小限のものとすることにより民間事業者の有する技術 及び経営資源、その創意工夫等が十分に発揮され、低廉かつ良好なサービスが国民に対して提供されることを旨として行われなければならない。