個別漁業権(漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第六十二条第二項第一号ホニ規定スル個別漁業権ヲ謂フ以下同ジ)ヲ有スル者、漁業ノ用ニ供スル登記シタル船舶ヲ有スル者 又ハ水産物ノ養殖場ヲ有スル者ハ之ニ付 抵当権ノ目的ト為ス為漁業財団ヲ設クルコトヲ得
漁業財団抵当法
漁業財団ハ左ニ掲クルモノニシテ 同一人ニ属スルモノノ全部 又ハ一部ヲ以テ之ヲ組成スルコトヲ得
船舶 並其ノ属具及附属設備
土地 及 工作物
地上権 及土地 若ハ水面ノ使用 又ハ引水若 ハ排水ニ関スル権利
漁具 及 副漁具
機械、器具 其ノ他ノ附属物
前項ノ権利(個別漁業権ヲ除ク)ニシテ其ノ移転ニ付行政庁ノ許可 又ハ認可ヲ要スルモノニ付テハ其ノ許可 又ハ認可ヲ、 賃借権ニ付テハ賃貸人ノ承諾ヲ得ルニ非サレハ 之ヲ漁業財団ニ属セシムルコトヲ得ス
個別漁業権ハ都道府県知事ノ認可ヲ得ルニ非ザレバ 之ヲ漁業財団ニ属セシムルコトヲ得ズ
都道府県知事ハ当該漁業ノ経営ニ必要ナル資金ノ融通ノ為 已ムヲ得ザル場合ニ非ザレバ前項ノ認可ヲ為スコトヲ得ズ
個別漁業権カ漁業財団ニ属スル場合ニ於テハ抵当権ハ 其ノ漁場ニ定著シタル工作物ニ及フ
船舶カ漁業財団ニ属スル場合ニ於テハ抵当権ハ其ノ船舶ノ属具ニ及フ
前二項ノ規定ハ設定行為ニ別段ノ定アルトキ又ハ債務者ノ行為ニ付キ民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十四条第三項ニ規定スル 詐害行為取消請求ヲスルコトヲ得ル場合ニハ之ヲ適用セス
個別漁業権ニ付設定シタル 漁業財団ヲ目的トスル抵当権ノ設定ハ都道府県知事ノ認可ヲ受クルニ非ザレバ 其ノ効力ヲ生ゼズ
第二条第四項ノ規定ハ前項ノ認可ニ之ヲ準用ス
個別漁業権ニ付 漁業財団ヲ設定シタル場合ニ於テ 其ノ個別漁業権ノ取消アリタルトキハ其ノ処分ヲ為シタル行政官庁ハ 直ニ之ヲ抵当権者ニ通知スヘシ
前項ノ場合ニ於テハ抵当権者ハ 其ノ権利ヲ実行スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ 抵当権ヲ実行セムトスルトキハ抵当権者ハ 第一項ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ六月内ニ其ノ手続ヲ為スヘシ
個別漁業権ハ前項ノ期間内 又ハ抵当権実行ノ終了ニ至ル迄抵当権実行ノ目的ノ範囲内ニ於テ 仍存続スルモノト看做ス
買受人ガ代金ヲ納付シタルトキハ個別漁業権ノ取消ハ 其ノ効力ヲ生セサリシモノト看做ス
前四項ノ規定ハ漁業調整、船舶ノ航行碇泊繋留、水底電線ノ敷設其ノ他 公益上必要アリト認ムル場合ニ於ケル個別漁業権ノ取消ニ関シテハ之ヲ適用セス
漁業財団ニ付テハ本法ニ規定スルモノ 及 罰則ヲ除クノ外 工場抵当法中工場財団ニ関スル規定ヲ準用ス
但シ工場抵当法第十七条 及第四十五条ノ規定ノ準用ニ付テハ個別漁業権ハ 其ノ漁場ニ最近キ沿岸ノ属スル市町村又ハ之ニ相当スル行政区画、漁業ノ用ニ供スル登記シタル船舶ハ其ノ船籍港ヲ以テ其ノ所在地ト看做ス