災害対策基本法

# 昭和三十六年法律第二百二十三号 #

第七十六条の六 # 災害時における車両の移動等

@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正

1項

第七十六条の四第二項に規定する道路管理者等(以下この条において「道路管理者等」という。)は、その管理する道路の存する都道府県 又はこれに隣接し若しくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、道路における車両の通行が停止し、又は著しく停滞し、車両 その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあり、かつ、緊急通行車両の通行を確保するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その管理する道路についてその区間を指定して、当該車両 その他の物件の占有者、所有者 又は管理者(第三項第三号において「車両等の占有者等」という。)に対し、当該車両 その他の物件を付近の道路外の場所へ移動すること その他当該指定をした道路の区間における緊急通行車両の通行を確保するため必要な措置をとることを命ずることができる。

2項

道路管理者等は、前項の規定による指定をしたときは、直ちに、当該指定をした道路の区間(以下 この項において「指定道路区間」という。)内に在る者に対し、当該指定道路区間を周知させる措置をとらなければならない。

3項

次に掲げる場合においては、道路管理者等は、自ら第一項の規定による措置をとることができる。


この場合において、道路管理者等は、当該措置をとるためやむを得ない限度において、当該措置に係る車両 その他の物件を破損することができる。

一 号

第一項の規定による措置をとることを命ぜられた者が、当該措置をとらない場合

二 号

道路管理者等が、第一項の規定による命令の相手方が現場にいないために同項の規定による措置をとることを命ずることができない場合

三 号

道路管理者等が、道路の状況 その他の事情により車両等の占有者等に第一項の規定による措置をとらせることができないと認めて同項の規定による命令をしないこととした場合

4項

道路管理者等は、第一項 又は前項の規定による措置をとるためやむを得ない必要があるときは、その必要な限度において、他人の土地を一時使用し、又は竹木 その他の障害物を処分することができる。

5項

独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構以下「機構」という。)は、会社管理高速道路の道路管理者に代わつて、第一項から前項までの規定による権限を行うものとする。

6項

機構は、前項の規定により会社管理高速道路の道路管理者に代わつてその権限を行つた場合においては、遅滞なく、その旨を会社に通知しなければならない。

7項

機構は、第五項の規定により会社管理高速道路の道路管理者に代わつて行う権限に係る事務の一部を会社に委託しようとするときは、その委託する事務の円滑かつ効率的な実施を確保するため、あらかじめ、会社と協議し、当該委託する事務の内容 及びこれに要する費用の負担の方法を定めておかなければならない。

8項

地方道路公社は、公社管理道路の道路管理者に代わつて、第一項から第四項までの規定による権限を行うものとする。

9項

第五項の規定により機構が会社管理高速道路の道路管理者に代わつて行う権限は、道路整備特別措置法第二十五条第一項の規定により公告する料金の徴収期間の満了の日までに限り行うことができるものとする。


前項の規定により地方道路公社が公社管理道路の道路管理者に代わつて行う権限についても、同様とする。