災害対策基本法

# 昭和三十六年法律第二百二十三号 #

第四節 応急措置等

分類 法律
カテゴリ   災害対策
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十四号
最終編集日 : 2024年 09月13日 10時10分


1項

市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令 又は地域防災計画の定めるところにより、消防、水防、救助 その他災害の発生を防禦し、又は災害の拡大を防止するために必要な応急措置(以下「応急措置」という。)をすみやかに実施しなければならない。

2項

市町村の委員会 又は委員、市町村の区域内の公共的団体 及び防災上重要な施設の管理者 その他法令の規定により応急措置の実施の責任を有する者は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、地域防災計画の定めるところにより、市町村長の所轄の下にその所掌事務 若しくは所掌業務に係る応急措置を実施し、又は市町村長の実施する応急措置に協力しなければならない。

1項

災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、人の生命 又は身体に対する危険を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、警戒区域を設定し、災害応急対策に従事する者以外の者に対して当該区域への立入りを制限し、若しくは禁止し、又は当該区域からの退去を命ずることができる。

2項

前項の場合において、市町村長 若しくはその委任を受けて同項に規定する市町村長の職権を行なう市町村の職員が現場にいないとき、又はこれらの者から要求があつたときは、警察官 又は海上保安官は、同項に規定する市町村長の職権を行なうことができる。


この場合において、同項に規定する市町村長の職権を行なつたときは、警察官 又は海上保安官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。

3項

第一項の規定は、市町村長 その他同項に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、自衛隊法昭和二十九年法律第百六十五号第八十三条第二項の規定により派遣を命ぜられた同法第八条に規定する部隊等の自衛官(以下「災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官」という。)の職務の執行について準用する。


この場合において、第一項に規定する措置をとつたときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。

4項

第六十一条の二の規定は、第一項の規定により警戒区域を設定しようとする場合について準用する。

1項

市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該市町村の区域内の他人の土地、建物 その他の工作物を一時使用し、又は土石、竹木 その他の物件を使用し、若しくは収用することができる。

2項

市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、現場の災害を受けた工作物 又は物件で当該応急措置の実施の支障となるもの(以下この条において「工作物等」という。)の除去 その他必要な措置をとることができる。


この場合において、工作物等を除去したときは、市町村長は、当該工作物等を保管しなければならない。

3項

市町村長は、前項後段の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の占有者、所有者 その他当該工作物等について権原を有する者(以下この条において「占有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。

4項

市町村長は、第二項後段の規定により保管した工作物等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又はその保管に不相当な費用 若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。

5項

前三項に規定する工作物等の保管、売却、公示等に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき占有者等の負担とし、その費用の徴収については、行政代執行法昭和二十三年法律第四十三号第五条 及び第六条の規定を準用する。

6項

第三項に規定する公示の日から起算して六月を経過してもなお第二項後段の規定により保管した工作物等(第四項の規定により売却した代金を含む。以下この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、当該市町村長の統轄する市町村に帰属する。

7項

前条第二項の規定は、第一項 及び第二項前段の場合について準用する。

8項

第一項 及び第二項前段の規定は、市町村長 その他第一項 又は第二項前段に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等自衛官の職務の執行について準用する。


この場合において、第一項 又は第二項前段に規定する措置をとつたときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。

9項

警察官、海上保安官 又は災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、第七項において準用する前条第二項 又は前項において準用する第二項前段の規定により工作物等を除去したときは、当該工作物等を当該工作物等が設置されていた場所を管轄する警察署長等 又は内閣府令で定める自衛隊法第八条に規定する部隊等の長(以下この条において「自衛隊の部隊等の長」という。)に差し出さなければならない。


この場合において、警察署長等 又は自衛隊の部隊等の長は、当該工作物等を保管しなければならない。

10項

前項の規定により警察署長等 又は自衛隊の部隊等の長が行う工作物等の保管については、第三項から第六項までの規定の例によるものとする。


ただし第三項の規定の例により公示した日から起算して六月を経過してもなお返還することができない工作物等の所有権は、警察署長が保管する工作物等にあつては当該警察署の属する都道府県に、政令で定める管区海上保安本部の事務所の長 又は自衛隊の部隊等の長が保管する工作物等にあつては国に、それぞれ帰属するものとする。

1項

市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、当該市町村の区域内の住民 又は当該応急措置を実施すべき現場にある者を当該応急措置の業務に従事させることができる。

2項

第六十三条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

3項

第一項の規定は、市町村長 その他同項に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。


この場合において、同項に規定する措置をとつたときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。

1項

災害が発生した場合において、水難救護法明治三十二年法律第九十五号第二十九条第一項に規定する漂流物 又は沈没品を取り除いたときは、警察署長等は、同項の規定にかかわらず、当該物件を保管することができる。

2項

水難救護法第二章の規定は、警察署長等が前項の規定により漂流物 又は沈没品を保管した場合について準用する。

1項

市町村長等は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、災害応急対策を実施するため必要があると認めるときは、他の市町村の市町村長等に対し、応援を求めることができる。


この場合において、応急措置を実施するための応援を求められた市町村長等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。

2項

前項の応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を求めた市町村長等の指揮の下に行動するものとする。

1項

市町村長等は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、災害応急対策を実施するため必要があると認めるときは、都道府県知事等に対し、応援を求め、又は災害応急対策の実施を要請することができる。


この場合において、応援を求められ、又は災害応急対策の実施を要請された都道府県知事等は、正当な理由がない限り、応援 又は災害応急対策の実施を拒んではならない。

1項

市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、自衛隊法第八十三条第一項の規定による要請(次項において「要請」という。)をするよう求めることができる。


この場合において、市町村長は、その旨 及び当該市町村の地域に係る災害の状況を防衛大臣 又はその指定する者に通知することができる。

2項

市町村長は、前項の要求ができない場合には、その旨 及び当該市町村の地域に係る災害の状況を防衛大臣 又はその指定する者に通知することができる。


この場合において、当該通知を受けた防衛大臣 又はその指定する者は、その事態に照らし特に緊急を要し、要請を待ついとまがないと認められるときは、人命 又は財産の保護のため、要請を待たないで、自衛隊法第八条に規定する部隊等を派遣することができる。

3項

市町村長は、前二項の通知をしたときは、速やかに、その旨を都道府県知事に通知しなければならない。

1項

市町村は、当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第二百五十二条の十四 及び第二百五十二条の十五の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その事務 又は市町村長等の権限に属する事務の一部を他の地方公共団体に委託して、当該地方公共団体の長 その他の執行機関にこれを管理し、及び執行させることができる。

1項

都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令 又は地域防災計画の定めるところにより、その所掌事務に係る応急措置をすみやかに実施しなければならない。


この場合において、都道府県知事は、その区域内の市町村の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれることとなるように努めなければならない。

2項

都道府県の委員会 又は委員は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令 又は地域防災計画の定めるところにより、都道府県知事の所轄の下にその所掌事務に係る応急措置を実施しなければならない。

3項

第一項の場合において、応急措置を実施するため、又はその区域内の市町村の実施する応急措置が的確かつ円滑に行われるようにするため必要があると認めるときは、都道府県知事は、指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長 又は当該都道府県の他の執行機関、指定公共機関 若しくは指定地方公共機関に対し、応急措置の実施を要請し、又は求めることができる。


この場合において、応急措置の実施を要請された指定行政機関の長 又は指定地方行政機関の長は、正当な理由がない限り、応急措置の実施を拒んではならない。

1項

都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、第五十条第一項第四号から第九号までに掲げる事項について応急措置を実施するため特に必要があると認めるときは、災害救助法昭和二十二年法律第百十八号第七条から第十条までの規定の例により、従事命令、協力命令 若しくは保管命令を発し、施設、土地、家屋 若しくは物資を管理し、使用し、若しくは収用し、又はその職員に施設、土地、家屋 若しくは物資の所在する場所 若しくは物資を保管させる場所に立ち入り検査をさせ、若しくは物資を保管させた者から必要な報告を取ることができる。

2項

前項の規定による都道府県知事の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、その一部を市町村長が行うこととすることができる。

1項

都道府県知事は、当該都道府県の区域内の市町村の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれるようにするため特に必要があると認めるときは、市町村長に対し、応急措置の実施について必要な指示をし、又は他の市町村長を応援すべきことを指示することができる。

2項

都道府県知事は、当該都道府県の区域内の市町村の実施する災害応急対策(応急措置を除く。以下この項において同じ。)が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、市町村長に対し、災害応急対策の実施を求め、又は他の市町村長を応援することを求めることができる。

3項

前二項の規定による都道府県知事の指示 又は要求に係る応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を受ける市町村長の指揮の下に行動するものとする。

1項

都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の発生により市町村がその全部 又は大部分の事務を行なうことができなくなつたときは、当該市町村の市町村長が第六十三条第一項第六十四条第一項 及び第二項 並びに第六十五条第一項の規定により実施すべき応急措置の全部 又は一部を当該市町村長に代わつて実施しなければならない。

2項

都道府県知事は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。

3項

第一項の規定による都道府県知事の代行に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

都道府県知事等は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、災害応急対策を実施するため必要があると認めるときは、他の都道府県の都道府県知事等に対し、応援を求めることができる。


この場合において、応急措置を実施するための応援を求められた都道府県知事等は、正当な理由がない限り、応援を拒んではならない。

2項

前項の応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を求めた都道府県知事等の指揮の下に行動するものとする。


この場合において、警察官にあつては、当該応援を求めた都道府県の公安委員会の管理の下にその職権を行うものとする。

1項

都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、第七十二条第一項の規定による指示 又は同条第二項の規定による要求のみによつては当該都道府県の区域内の市町村の実施する災害応急対策に係る応援が円滑に実施されないと認めるときは、他の都道府県知事に対し、当該災害が発生し又は発生するおそれがある市町村の市町村長(次項 及び次条において「災害発生市町村長」という。)を応援することを求めることができる。

2項

前項の規定による要求を受けた都道府県知事は、当該要求に応じ応援をする場合において、災害発生市町村長の実施する災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、当該都道府県の区域内の市町村の市町村長に対し、当該災害発生市町村長を応援することを求めることができる。

3項

前二項の規定による都道府県知事の要求に係る応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を受ける市町村長の指揮の下に行動するものとする。

1項

都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、第七十二条第一項の規定による指示 又は同条第二項第七十四条第一項 若しくは前条第一項の規定による要求のみによつては災害応急対策に係る応援が円滑に実施されないと認めるときは、内閣総理大臣に対し、他の都道府県の知事に対し当該災害が発生し 又は発生するおそれがある都道府県の知事(以下この条において「災害発生都道府県知事」という。)又は災害発生市町村長を応援することを求めるよう求めることができる。

2項

内閣総理大臣は、前項の規定による要求があつた場合において、災害発生都道府県知事 及び災害発生市町村長の実施する災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、当該災害発生都道府県知事以外の都道府県知事に対し、当該災害発生都道府県知事 又は当該災害発生市町村長を応援することを求めることができる。

3項

内閣総理大臣は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合であつて、災害発生都道府県知事 及び災害発生市町村長の実施する災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認める場合において、その事態に照らし特に緊急を要し、第一項の規定による要求を待ついとまがないと認められるときは、当該要求を待たないで、当該災害発生都道府県知事以外の都道府県知事に対し、当該災害発生都道府県知事 又は当該災害発生市町村長を応援することを求めることができる。


この場合において、内閣総理大臣は、当該災害発生都道府県知事に対し、速やかにその旨を通知するものとする。

4項

災害発生都道府県知事以外の都道府県知事は、前二項の規定による内閣総理大臣の要求に応じ応援をする場合において、災害発生市町村長の実施する災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、当該都道府県の区域内の市町村の市町村長に対し、当該災害発生市町村長を応援することを求めることができる。

5項

第二項 又は第三項の規定による内閣総理大臣の要求に係る応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を受ける都道府県知事の指揮の下に行動するものとする。

6項

第四項の規定による都道府県知事の要求に係る応援に従事する者は、災害応急対策の実施については、当該応援を受ける市町村長の指揮の下に行動するものとする。

1項

第七十条第三項に規定するもののほか、都道府県知事は、当該都道府県の地域に係る災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、災害応急対策を実施するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長 又は指定地方行政機関の長に対し、応援を求め、又は災害応急対策の実施を要請することができる。


この場合において、応援を求められ、又は災害応急対策の実施を要請された指定行政機関の長 又は指定地方行政機関の長は、正当な理由がない限り、応援 又は災害応急対策の実施を拒んではならない。

1項

都道府県は、当該都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、地方自治法第二百五十二条の十四 及び第二百五十二条の十五の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、その事務 又は都道府県知事等の権限に属する事務の一部を他の都道府県に委託して、当該都道府県の都道府県知事等にこれを管理し、及び執行させることができる。

1項

都道府県公安委員会は、当該都道府県 又はこれに隣接し若しくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、道路の区間(災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場所 及びこれらの周辺の地域にあつては、区域 又は道路の区間)を指定して、緊急通行車両(道路交通法昭和三十五年法律第百五号第三十九条第一項の緊急自動車 その他の車両で災害応急対策の的確かつ円滑な実施のためその通行を確保することが特に必要なものとして政令で定めるものをいう。以下同じ。以外の車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。

2項

前項の規定による通行の禁止 又は制限(以下「通行禁止等」という。)が行われたときは、当該通行禁止等を行つた都道府県公安委員会 及び当該都道府県公安委員会と管轄区域が隣接し又は近接する都道府県公安委員会は、直ちに、それぞれの都道府県の区域内に在る者に対し、通行禁止等に係る区域 又は道路の区間(次条第四項 及び第七十六条の三第一項において「通行禁止区域等」という。)その他必要な事項を周知させる措置をとらなければならない。

1項

道路の区間に係る通行禁止等が行われたときは、当該道路の区間に在る通行禁止等の対象とされる車両の運転者は、速やかに、当該車両を当該道路の区間以外の場所へ移動しなければならない。


この場合において、当該車両を速やかに当該道路の区間以外の場所へ移動することが困難なときは、当該車両をできる限り道路の左側端に沿つて駐車する等緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならない。

2項

区域に係る通行禁止等が行われたときは、当該区域に在る通行禁止等の対象とされる車両の運転者は、速やかに、当該車両を道路外の場所へ移動しなければならない。


この場合において、当該車両を速やかに道路外の場所へ移動することが困難なときは、当該車両をできる限り道路の左側端に沿つて駐車する等緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならない。

3項

前二項の規定による駐車については、道路交通法第三章第九節 及び第七十五条の八の規定は、適用しない

4項

第一項 及び第二項の規定にかかわらず、通行禁止区域等に在る車両の運転者は、警察官の指示を受けたときは、その指示に従つて車両を移動し、又は駐車しなければならない。

5項

第一項第二項 又は前項の規定による車両の移動 又は駐車については、前条第一項の規定による車両の通行の禁止 及び制限は、適用しない

1項

警察官は、通行禁止区域等において、車両 その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認めるときは、当該車両 その他の物件の占有者、所有者 又は管理者に対し、当該車両 その他の物件を付近の道路外の場所へ移動すること その他当該通行禁止区域等における緊急通行車両の円滑な通行を確保するため必要な措置をとることを命ずることができる。

2項

前項の場合において、同項の規定による措置をとることを命ぜられた者が当該措置をとらないとき又はその命令の相手方が現場にいないために当該措置をとることを命ずることができないときは、警察官は、自ら当該措置をとることができる。


この場合において、警察官は、当該措置をとるためやむを得ない限度において、当該措置に係る車両 その他の物件を破損することができる

3項

前二項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。


この場合において、

第一項
緊急通行車両の通行」とあるのは
「自衛隊用緊急通行車両(自衛隊の使用する緊急通行車両で災害応急対策の実施のため運転中のものをいう。以下この項において同じ。)の通行」と、

緊急通行車両の円滑な通行」とあるのは
「自衛隊用緊急通行車両の円滑な通行」と

読み替えるものとする。

4項

第一項 及び第二項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、消防吏員の職務の執行について準用する。


この場合において、

第一項
緊急通行車両の通行」とあるのは
「消防用緊急通行車両(消防機関の使用する緊急通行車両で災害応急対策の実施のため運転中のものをいう。以下この項において同じ。)の通行」と、

緊急通行車両の円滑な通行」とあるのは
「消防用緊急通行車両の円滑な通行」と

読み替えるものとする。

5項

第一項前二項において準用する場合を含む。)の規定による命令に従つて行う措置 及び第二項前二項において準用する場合を含む。)の規定により行う措置については、第七十六条第一項の規定による車両の通行の禁止 及び制限 並びに前条第一項第二項 及び第四項の規定は、適用しない

6項

災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官 又は消防吏員は、第三項 若しくは第四項において準用する第一項の規定による命令をし、又は第三項 若しくは第四項において準用する第二項の規定による措置をとつたときは、直ちに、その旨を、当該命令をし、又は措置をとつた場所を管轄する警察署長に通知しなければならない。

1項

都道府県公安委員会は、通行禁止等を行うため必要があると認めるときは、道路管理者等に対し、当該通行禁止等を行おうとする道路の区間において、第七十六条の六第一項の規定による指定 若しくは命令をし、又は同条第三項 若しくは第四項の規定による措置をとるべきことを要請することができる。

2項

前項の「道路管理者等」とは、道路管理者(高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第四条第一項に規定する高速自動車国道にあつては国土交通大臣、その他の道路にあつては道路法昭和二十七年法律第百八十号第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。以下同じ。)、港湾管理者(港湾法第二条第一項に規定する港湾管理者をいい、同条第五項第四号の道路(同条第六項の規定により同号の道路とみなされたものを含む。)を管理している者に限る第七十六条の七第二項において同じ。)又は漁港管理者(漁港及び漁場の整備等に関する法律昭和二十五年法律第百三十七号第二十五条の規定により決定された地方公共団体をいい、同法第三条第二号イの道路(同法第六十六条第一項 又は第三項の規定により同号イの道路とみなされたものを含む。)を管理している者に限る第七十六条の七第三項において同じ。)をいう。

3項

会社管理高速道路(道路整備特別措置法(昭和三十一年法律第七号)第二条第四項に規定する会社(第七十六条の六第六項 及び第七項において「会社」という。)が同法第四条の規定により維持、修繕 及び災害復旧を行う高速道路(高速道路株式会社法(平成十六年法律第九十九号)第二条第二項に規定する高速道路をいう。)をいう。第七十六条の六において同じ。)の区間について第一項の規定による要請をする場合における同項の規定の適用については、

同項中 「道路管理者等」とあるのは「独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構以下この項において「機構」という。)」と、

第七十六条の六第一項」とあるのは「第七十六条の六第五項の規定により会社管理高速道路の道路管理者に代わつて機構が行う同条第一項」と

する。

4項

公社管理道路(地方道路公社(地方道路公社法(昭和四十五年法律第八十二号)第一条の地方道路公社をいう。以下同じ。)が道路整備特別措置法第十四条の規定により維持、修繕 及び災害復旧を行い、又は同法第十五条第一項の許可を受けて維持、修繕 及び災害復旧を行う道路をいう。第七十六条の六第八項 及び第九項において同じ。)の区間について第一項の規定による要請をする場合における同項の規定の適用については、

同項中 「道路管理者等」とあるのは「地方道路公社(第四項に規定する地方道路公社をいう。以下この項において同じ。)」と、

第七十六条の六第一項」とあるのは「第七十六条の六第八項の規定により公社管理道路の道路管理者に代わつて地方道路公社が行う同条第一項」と

する

1項

国家公安委員会は、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、関係都道府県公安委員会に対し、通行禁止等に関する事項について指示することができる。

1項

第七十六条の四第二項に規定する道路管理者等(以下この条において「道路管理者等」という。)は、その管理する道路の存する都道府県 又はこれに隣接し若しくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生した場合において、道路における車両の通行が停止し、又は著しく停滞し、車両 その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあり、かつ、緊急通行車両の通行を確保するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その管理する道路についてその区間を指定して、当該車両 その他の物件の占有者、所有者 又は管理者(第三項第三号において「車両等の占有者等」という。)に対し、当該車両 その他の物件を付近の道路外の場所へ移動すること その他当該指定をした道路の区間における緊急通行車両の通行を確保するため必要な措置をとることを命ずることができる。

2項

道路管理者等は、前項の規定による指定をしたときは、直ちに、当該指定をした道路の区間(以下この項において「指定道路区間」という。)内に在る者に対し、当該指定道路区間を周知させる措置をとらなければならない。

3項

次に掲げる場合においては、道路管理者等は、自ら第一項の規定による措置をとることができる。


この場合において、道路管理者等は、当該措置をとるためやむを得ない限度において、当該措置に係る車両 その他の物件を破損することができる。

一 号

第一項の規定による措置をとることを命ぜられた者が、当該措置をとらない場合

二 号

道路管理者等が、第一項の規定による命令の相手方が現場にいないために同項の規定による措置をとることを命ずることができない場合

三 号

道路管理者等が、道路の状況 その他の事情により車両等の占有者等に第一項の規定による措置をとらせることができないと認めて同項の規定による命令をしないこととした場合

4項

道路管理者等は、第一項 又は前項の規定による措置をとるためやむを得ない必要があるときは、その必要な限度において、他人の土地を一時使用し、又は竹木 その他の障害物を処分することができる。

5項

独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構以下「機構」という。)は、会社管理高速道路の道路管理者に代わつて、第一項から前項までの規定による権限を行うものとする。

6項

機構は、前項の規定により会社管理高速道路の道路管理者に代わつてその権限を行つた場合においては、遅滞なく、その旨を会社に通知しなければならない。

7項

機構は、第五項の規定により会社管理高速道路の道路管理者に代わつて行う権限に係る事務の一部を会社に委託しようとするときは、その委託する事務の円滑かつ効率的な実施を確保するため、あらかじめ、会社と協議し、当該委託する事務の内容 及びこれに要する費用の負担の方法を定めておかなければならない。

8項

地方道路公社は、公社管理道路の道路管理者に代わつて、第一項から第四項までの規定による権限を行うものとする。

9項

第五項の規定により機構が会社管理高速道路の道路管理者に代わつて行う権限は、道路整備特別措置法第二十五条第一項の規定により公告する料金の徴収期間の満了の日までに限り行うことができるものとする。


前項の規定により地方道路公社が公社管理道路の道路管理者に代わつて行う権限についても、同様とする。

1項

国土交通大臣は道路法第十三条第一項に規定する指定区間外の国道(同法第三条第二号に掲げる一般国道をいう。)、都道府県道(同法第三条第三号に掲げる都道府県道をいう。)及び市町村道(同法第三条第四号に掲げる市町村道をいう。以下この項において同じ。)に関し、都道府県知事は地方自治法第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市の市道以外の市町村道に関し、緊急通行車両の通行を確保し、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、それぞれ当該道路の道路管理者に対し、前条第一項の規定による指定 若しくは命令をし、又は同条第三項 若しくは第四項の規定による措置をとるべきことを指示することができる。

2項

国土交通大臣は、港湾管理者が管理する道路に関し、緊急通行車両の通行を確保し、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該港湾管理者に対し、前条第一項の規定による指定 若しくは命令をし、又は同条第三項 若しくは第四項の規定による措置をとるべきことを指示することができる。

3項

農林水産大臣は、漁港管理者が管理する道路に関し、緊急通行車両の通行を確保し、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該漁港管理者に対し、前条第一項の規定による指定 若しくは命令をし、又は同条第三項 若しくは第四項の規定による措置をとるべきことを指示することができる。

1項

第七十六条の六に規定する道路管理者である国土交通大臣の権限 並びに前条第一項 及び第二項に規定する国土交通大臣の権限は、政令で定めるところにより、その全部 又は一部を地方整備局長 又は北海道開発局長に委任することができる。

1項

指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長は、災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令 又は防災計画の定めるところにより、その所掌事務に係る応急措置をすみやかに実施するとともに、都道府県 及び市町村の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれるようにするため、必要な施策を講じなければならない。

2項

前項の場合において、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長は、都道府県知事、市町村長 又は指定公共機関 若しくは指定地方公共機関に対し、応急措置の実施を要請し、又は指示することができる。

1項

災害が発生した場合において、第五十条第一項第四号から第九号までに掲げる事項について応急措置を実施するため特に必要があると認めるときは、指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長は、防災業務計画の定めるところにより、当該応急措置の実施に必要な物資の生産、集荷、販売、配給、保管 若しくは輸送を業とする者に対し、その取り扱う物資の保管を命じ、又は当該応急措置の実施に必要な物資を収用することができる。

2項

指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長は、前項の規定により物資の保管を命じ、又は物資を収用するため必要があると認めるときは、その職員に物資を保管させる場所 又は物資の所在する場所に立ち入り検査をさせることができる。

3項

指定行政機関の長 及び指定地方行政機関の長は、第一項の規定により物資を保管させた者から、必要な報告を取り、又はその職員に当該物資を保管させてある場所に立ち入り検査をさせることができる。

1項

指定行政機関の長 又は指定地方行政機関の長は、災害の発生により市町村 及び当該市町村を包括する都道府県がその全部 又は大部分の事務を行うことができなくなつたときは、法令 又は防災計画の定めるところにより、当該市町村の市町村長が第六十四条第一項 及び第二項 並びに第六十五条第一項の規定により実施すべき応急措置の全部 又は一部を当該市町村長に代わつて実施しなければならない。

2項

指定行政機関の長 又は指定地方行政機関の長は、前項の規定により市町村長の事務の代行を開始し、又は終了したときは、その旨を公示しなければならない。

3項

第一項の規定による指定行政機関の長 又は指定地方行政機関の長の代行に関し必要な事項は、政令で定める。

1項

災害が発生した場合において、その応急措置の実施に必要な通信のため緊急かつ特別の必要があるときは、指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長 又は都道府県知事 若しくは市町村長は、他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、電気通信事業法第二条第五号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、又は有線電気通信法第三条第四項第四号に掲げる者が設置する有線電気通信設備 若しくは無線設備を使用することができる。

1項

指定公共機関 及び指定地方公共機関は、災害が発生し、又はまさに発生しようとしているときは、法令 又は防災計画の定めるところにより、その所掌業務に係る応急措置をすみやかに実施するとともに、指定地方行政機関の長、都道府県知事等 及び市町村長等の実施する応急措置が的確かつ円滑に行なわれるようにするため、必要な措置を講じなければならない。

2項

指定公共機関 及び指定地方公共機関は、その所掌業務に係る応急措置を実施するため特に必要があると認めるときは、法令 又は防災計画の定めるところにより、指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長 又は都道府県知事 若しくは市町村長に対し、労務、施設、設備 又は物資の確保について応援を求めることができる。


この場合において、応援を求められた指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長 又は都道府県知事 若しくは市町村長は、正当な理由がない限り応援を拒んではならない。

1項

第七十一条 又は第七十八条第一項の規定による処分については、都道府県知事 若しくは市町村長 又は指定行政機関の長 若しくは指定地方行政機関の長は、それぞれ公用令書を交付して行なわなければならない。

2項

前項の公用令書には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。

一 号

公用令書の交付を受ける者の氏名 及び住所(法人にあつては、その名称 及び主たる事務所の所在地

二 号

当該処分の根拠となつた法律の規定

三 号

従事命令にあつては従事すべき業務、場所 及び期間、保管命令にあつては保管すべき物資の種類、数量、保管場所 及び期間、施設等の管理、使用 又は収用にあつては管理、使用 又は収用する施設等の所在する場所 及び当該処分に係る期間 又は期日

3項

前二項に規定するもののほか、公用令書の様式 その他公用令書について必要な事項は、政令で定める。

1項

国 又は地方公共団体(港務局を含む。)は、第六十四条第一項同条第八項において準用する場合を含む。)、同条第七項において同条第一項の場合について準用する第六十三条第二項第七十一条第七十六条の三第二項後段(同条第三項 及び第四項において準用する場合を含む。)、第七十六条の六第三項後段 若しくは第四項 又は第七十八条第一項の規定による処分が行われたときは、それぞれ、当該処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。

2項

機構 又は地方道路公社は、第七十六条の六第五項 又は第八項の規定により同条第三項後段 又は第四項の規定による処分が行われたときは、前項の規定にかかわらず、それぞれ、当該処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。

3項

都道府県は、第七十一条の規定による従事命令により応急措置の業務に従事した者に対して、政令で定める基準に従い、その実費を弁償しなければならない。

1項

第七十一条の規定により都道府県 若しくは市町村の職員が立ち入る場合 又は第七十八条第二項 若しくは第三項の規定により指定行政機関 若しくは指定地方行政機関の職員が立ち入る場合においては、当該職員は、あらかじめ、その旨をその場所の管理者に通知しなければならない。

2項

前項の場合においては、その職員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、関係人の請求があるときは、これを提示しなければならない。

1項

市町村長 又は警察官、海上保安官 若しくは災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官が、第六十五条第一項同条第三項において準用する場合を含む。)の規定 又は同条第二項において準用する第六十三条第二項の規定により、当該市町村の区域内の住民 又は応急措置を実施すべき現場にある者を応急措置の業務に従事させた場合において、当該業務に従事した者がそのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となつたときは、当該市町村は、政令で定める基準に従い、条例で定めるところにより、その者 又はその者の遺族 若しくは被扶養者がこれらの原因によつて受ける損害を補償しなければならない。

2項

都道府県は、第七十一条の規定による従事命令により応急措置の業務に従事した者がそのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となつたときは、政令で定める基準に従い、条例で定めるところにより、その者 又はその者の遺族 若しくは被扶養者がこれらの原因によつて受ける損害を補償しなければならない。

1項

国は、別に法律で定めるところにより、被災者の国税 その他国の徴収金について、軽減 若しくは免除 又は徴収猶予 その他必要な措置をとることができる。

2項

地方公共団体は、別に法律で定めるところにより、又は当該地方公共団体の条例で定めるところにより、被災者の地方税 その他地方公共団体の徴収金について、軽減 若しくは免除 又は徴収猶予 その他必要な措置をとることができる。

1項

国は、災害が発生した場合における応急措置を実施するため必要があると認める場合において、国有財産 又は国有の物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めるところにより、その貸付け 又は使用の対価を無償とし、若しくは時価より低く定めることができる。

2項

地方公共団体は、災害が発生した場合における応急措置を実施するため必要があると認める場合において、その所有に属する財産 又は物品を貸し付け、又は使用させるときは、別に法律で定めるところにより、その貸付け 又は使用の対価を無償とし、若しくは時価より低く定めることができる。

1項

著しく異常かつ激甚な非常災害であつて、当該災害に係る避難所 又は応急仮設住宅(以下この条において「避難所等」という。)が著しく不足し、被災者に対して住居を迅速に提供することが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該災害を政令で指定するものとする。

2項

前項の規定による指定があつたときは、政令で定める区域 及び期間において地方公共団体の長が設置する避難所等については、消防法昭和二十三年法律第百八十六号第十七条の規定は、適用しない

3項

地方公共団体の長は、前項の規定にかかわらず、消防法に準拠して、同項に規定する避難所等についての消防の用に供する設備、消防用水 及び消火活動上必要な施設の設置 及び維持に関する基準を定め、その他当該避難所等における災害を防止し、及び公共の安全を確保するため必要な措置を講じなければならない。

1項

著しく異常かつ激甚な非常災害であつて、当該災害に係る臨時の医療施設(被災者に対する医療の提供を行うための臨時の施設をいう。以下この条において同じ。)が著しく不足し、被災者に対して医療を迅速に提供することが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該災害を政令で指定するものとする。

2項

前項の規定による指定があつたときは、政令で定める区域 及び期間において地方公共団体の長が開設する臨時の医療施設については、医療法昭和二十三年法律第二百五号第四章の規定は、適用しない

3項

前条第二項 及び第三項の規定は、第一項の規定による指定があつた場合において、前項に規定する臨時の医療施設について準用する。

1項

著しく異常かつ激甚な非常災害であつて、当該災害により埋葬 又は火葬を円滑に行うことが困難となつたため、公衆衛生上の危害の発生を防止するため緊急の必要があると認められるものが発生した場合には、当該災害を政令で指定するものとする。

2項

厚生労働大臣は、前項の規定による指定があつたときは、政令で定めるところにより、厚生労働大臣の定める期間に限り、墓地、埋葬等に関する法律昭和二十三年法律第四十八号第五条 及び第十四条に規定する手続の特例を定めることができる。

1項

著しく異常かつ激甚な非常災害であつて、当該災害による生活環境の悪化を防止することが特に必要と認められるものが発生した場合には、当該災害を政令で指定するものとする。

2項

環境大臣は、前項の規定による指定があつたときは、その指定を受けた災害により生じた廃棄物(廃棄物の処理及び清掃に関する法律昭和四十五年法律第百三十七号。以下この条において「廃棄物処理法」という。第二条第一項に規定する廃棄物をいう。以下この条において同じ。)(以下この条において「指定災害廃棄物」という。)の円滑かつ迅速な処理を図るため、廃棄物処理法第五条の二第一項に規定する基本方針にのつとり、指定災害廃棄物の処理に関する基本的な指針(以下この条において「処理指針」という。)を定め、これを公表するものとする。

3項

処理指針には、次に掲げる事項を定めるものとする。

一 号

指定災害廃棄物の処理の基本的な方向

二 号

指定災害廃棄物の処理についての国、地方公共団体、事業者 その他の関係者の適切な役割分担 及び相互の連携協力の確保に関する事項

三 号

前二号に掲げるもののほか、指定災害廃棄物の円滑かつ迅速な処理の確保に関し必要な事項

4項

環境大臣は、第一項の規定による指定があつたときは、期間を限り、廃棄物の処理を迅速に行わなければならない地域を廃棄物処理特例地域として指定することができる。

5項

環境大臣は、前項の規定により廃棄物処理特例地域を指定したときは、廃棄物処理特例地域において適用する廃棄物の収集、運搬 及び処分(再生を含む。以下この条において同じ。)に関する基準 並びに廃棄物の収集、運搬 又は処分を市町村以外の者に委託する場合の基準を定めるものとする。


この場合において、これらの基準(以下この条において「廃棄物処理特例基準」という。)は、廃棄物処理法第六条の二第二項 及び第三項第十二条第一項 並びに第十二条の二第一項に規定する基準とみなす。

6項

廃棄物処理特例地域において地方公共団体の委託を受けて廃棄物の収集、運搬 又は処分を業として行う者は、廃棄物処理法第七条第一項 若しくは第六項第十四条第一項 若しくは第六項 又は第十四条の四第一項 若しくは第六項の規定にかかわらず、これらの規定による許可を受けないで、当該委託に係る廃棄物の収集、運搬 又は処分を業として行うことができる。

7項

前項の場合において、地方公共団体の長は、同項の規定により廃棄物の収集、運搬 又は処分を業として行う者により廃棄物処理特例基準に適合しない廃棄物の収集、運搬 又は処分が行われたときは、その者に対し、期限を定めて、当該廃棄物の収集、運搬 又は処分の方法の変更 その他必要な措置を講ずべきことを指示することができる。

8項

環境大臣は、第四項の規定により廃棄物処理特例地域を指定し、又は第五項の規定により廃棄物処理特例基準を定めたときは、その旨を公示しなければならない。

9項

環境大臣は、廃棄物処理特例地域内の市町村の長から要請があり、かつ、次に掲げる事項を勘案して指定災害廃棄物を円滑かつ迅速に処理するため必要があると認めるときは、その事務の遂行に支障のない範囲内で、処理指針に基づき、当該市町村に代わつて自ら当該市町村の指定災害廃棄物の収集、運搬 及び処分を行うことができる。

一 号

当該市町村における指定災害廃棄物の処理の実施体制

二 号

当該指定災害廃棄物の処理に関する専門的な知識 及び技術の必要性

三 号

当該指定災害廃棄物の広域的な処理の重要性

10項

第六項 及び第七項の規定は、前項の規定により指定災害廃棄物の収集、運搬 又は処分を行う環境大臣が当該収集、運搬 又は処分を他の者に委託する場合について準用する。


この場合において、

第六項
若しくは第六項、第十四条第一項 若しくは第六項 又は第十四条の四第一項 若しくは」とあるのは、
「又は」と

読み替えるものとする。

11項

第九項の規定により指定災害廃棄物の収集、運搬 又は処分を行つた環境大臣については、廃棄物処理法第十九条の四第一項の規定は、適用しない

12項

第九項の規定により環境大臣が行う指定災害廃棄物の収集、運搬 及び処分に要する費用は、国の負担とする。


この場合において、同項の市町村は、当該費用の額から、自ら当該指定災害廃棄物の収集、運搬 及び処分を行うこととした場合に国が当該市町村に交付すべき補助金の額に相当する額を控除した額を負担する。

13項

国は、前項後段の規定により市町村が負担する費用について、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。