災害対策基本法

# 昭和三十六年法律第二百二十三号 #

第六十四条 # 応急公用負担等

@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正

1項

市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、当該市町村の区域内の他人の土地、建物 その他の工作物を一時使用し、又は土石、竹木 その他の物件を使用し、若しくは収用することができる。

2項

市町村長は、当該市町村の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、応急措置を実施するため緊急の必要があると認めるときは、現場の災害を受けた工作物 又は物件で当該応急措置の実施の支障となるもの(以下この条において「工作物等」という。)の除去 その他必要な措置をとることができる。


この場合において、工作物等を除去したときは、市町村長は、当該工作物等を保管しなければならない。

3項

市町村長は、前項後段の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の占有者、所有者 その他当該工作物等について権原を有する者(以下この条において「占有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、政令で定めるところにより、政令で定める事項を公示しなければならない。

4項

市町村長は、第二項後段の規定により保管した工作物等が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又はその保管に不相当な費用 若しくは手数を要するときは、政令で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。

5項

前三項に規定する工作物等の保管、売却、公示等に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき占有者等の負担とし、その費用の徴収については、行政代執行法昭和二十三年法律第四十三号第五条 及び第六条の規定を準用する。

6項

第三項に規定する公示の日から起算して六月を経過してもなお第二項後段の規定により保管した工作物等(第四項の規定により売却した代金を含む。以下 この項において同じ。)を返還することができないときは、当該工作物等の所有権は、当該市町村長の統轄する市町村に帰属する。

7項

前条第二項の規定は、第一項 及び第二項前段の場合について準用する。

8項

第一項 及び第二項前段の規定は、市町村長 その他第一項 又は第二項前段に規定する市町村長の職権を行うことができる者がその場にいない場合に限り、災害派遣を命ぜられた部隊等自衛官の職務の執行について準用する。


この場合において、第一項 又は第二項前段に規定する措置をとつたときは、当該災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、直ちに、その旨を市町村長に通知しなければならない。

9項

警察官、海上保安官 又は災害派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、第七項において準用する前条第二項 又は前項において準用する第二項前段の規定により工作物等を除去したときは、当該工作物等を当該工作物等が設置されていた場所を管轄する警察署長等 又は内閣府令で定める自衛隊法第八条に規定する部隊等の長(以下この条において「自衛隊の部隊等の長」という。)に差し出さなければならない。


この場合において、警察署長等 又は自衛隊の部隊等の長は、当該工作物等を保管しなければならない。

10項

前項の規定により警察署長等 又は自衛隊の部隊等の長が行う工作物等の保管については、第三項から第六項までの規定の例によるものとする。


ただし第三項の規定の例により公示した日から起算して六月を経過してもなお返還することができない工作物等の所有権は、警察署長が保管する工作物等にあつては当該警察署の属する都道府県に、政令で定める管区海上保安本部の事務所の長 又は自衛隊の部隊等の長が保管する工作物等にあつては国に、それぞれ帰属するものとする。