犯罪捜査規範

# 昭和三十二年国家公安委員会規則第二号 #

第230条 # 領事上の特権等に係る特則

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和六年国家公安委員会規則第四号による改正

1項

次に掲げる者に係る事件の捜査を行うに当たつては、その者の身体の不可侵の特権を害することのないように注意しなければならない。

(1) 号

本務領事官(重大な犯罪の被疑者であり、かつ、その者について裁判官があらかじめ令状を発している場合における本務領事官 及び第3項に規定する領事官を除く

(2) 号

領事伝書使(当該任務を遂行している場合における領事伝書使に限る

2項

次に掲げる者に係る事件でその者が領事任務の遂行に当たつて行つた行為に係るものの捜査を行うに当たつては、その者が我が国の刑事裁判権からの免除を享受することを妨げないように注意しなければならない。

(1) 号

領事官(次項に規定する領事官を除く

(2) 号

領事機関(総領事館、領事館、副領事館 又は代理領事事務所をいう。以下同じ。)の事務技術職員(我が国の国民である者 又は我が国に通常居住している者を除く

3項

前2項の規定は、領事官であつて我が国の国民であるもの 又は我が国に通常居住しているものに係る事件でその者が任務の遂行に当たつて行つた公の行為に係るものの捜査について準用する。

4項

第226条(大公使等に関する特則)第3項の規定は、前3項の場合について準用する。


この場合において、

同項
外交特権」とあるのは、
「領事上の特権 又は免除」と

読み替えるものとする。

5項

領事機関の構成員 又は領事伝書使を逮捕し、又は取り調べる必要があると認められるときは、あらかじめ、警察本部長の指揮を受けなければならない。


ただし、現行犯人逮捕 その他緊急やむを得ない場合において、第1項 及び第2項第3項において準用する場合を含む。)に規定する特権 及び免除を害しないと認められるときは、この限りでない。

6項

本務領事官を長とする領事機関の公館については、当該領事機関の長 又はこれに代わるべき権限を有する者の請求 又は同意がある場合を除き、これに立ち入らないものとする。

7項

領事機関の公館 又は領事官の居宅において捜査を行う必要があると認められるときは、急速を要する場合を除きあらかじめ、警察本部長の指揮を受けなければならない。

8項

領事機関の公文書(名誉領事官を長とする領事機関の公文書で 他の文書と区別して保管されているもの以外のものを除く)に係る捜査については、文書の不可侵の特権を害することのないように注意しなければならない。