1項
社会福祉法人は、毎会計年度において、第一号に掲げる額が第二号に掲げる額を超えるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該会計年度の前会計年度の末日(同号において「基準日」という。)において現に行つている社会福祉事業 若しくは公益事業(以下この項 及び第三項第一号において「既存事業」という。)の充実 又は既存事業以外の社会福祉事業 若しくは公益事業(同項第一号において「新規事業」という。)の実施に関する計画(以下「社会福祉充実計画」という。)を作成し、これを所轄庁に提出して、その承認を受けなければならない。
ただし、当該会計年度前の会計年度において作成した第十一項に規定する承認社会福祉充実計画の実施期間中は、この限りでない。
一
号
当該会計年度の前会計年度に係る貸借対照表の資産の部に計上した額から負債の部に計上した額を控除して得た額
二
号
基準日において現に行つている事業を継続するために必要な財産の額として厚生労働省令で定めるところにより算定した額
2項
前項の承認の申請は、第五十九条の規定による届出と同時に行わなければならない。
3項
社会福祉充実計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一
号
既存事業(充実する部分に限る。)又は新規事業(以下この条において「社会福祉充実事業」という。)の規模 及び内容
二
号
社会福祉充実事業を行う区域(以下この条において「事業区域」という。)
三
号
社会福祉充実事業の実施に要する費用の額(第五項において「事業費」という。)
四
号
第一項第一号に掲げる額から同項第二号に掲げる額を控除して得た額(第五項 及び第九項第一号において「社会福祉充実残額」という。)
五
号
社会福祉充実計画の実施期間
六
号
その他厚生労働省令で定める事項
4項
社会福祉法人は、前項第一号に掲げる事項の記載に当たつては、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事業の順にその実施について検討し、行う事業を記載しなければならない。
一
号
社会福祉事業 又は公益事業(第二条第四項第四号に掲げる事業に限る。)
二
号
公益事業(第二条第四項第四号に掲げる事業を除き、日常生活 又は社会生活上の支援を必要とする事業区域の住民に対し、無料 又は低額な料金で、その需要に応じた福祉サービスを提供するものに限る。第六項 及び第九項第三号において「地域公益事業」という。)
三
号
5項
社会福祉法人は、社会福祉充実計画の作成に当たつては、事業費 及び社会福祉充実残額について、公認会計士、税理士 その他財務に関する専門的な知識経験を有する者として厚生労働省令で定める者の意見を聴かなければならない。
6項
社会福祉法人は、地域公益事業を行う社会福祉充実計画の作成に当たつては、当該地域公益事業の内容 及び事業区域における需要について、当該事業区域の住民 その他の関係者の意見を聴かなければならない。
7項
社会福祉充実計画は、評議員会の承認を受けなければならない。
8項
所轄庁は、社会福祉法人に対し、社会福祉充実計画の作成 及び円滑かつ確実な実施に関し必要な助言 その他の支援を行うものとする。
9項
所轄庁は、第一項の承認の申請があつた場合において、当該申請に係る社会福祉充実計画が、次の各号に掲げる要件のいずれにも適合するものであると認めるときは、その承認をするものとする。
一
号
社会福祉充実事業として記載されている社会福祉事業 又は公益事業の規模 及び内容が、社会福祉充実残額に照らして適切なものであること。
二
号
社会福祉充実事業として社会福祉事業が記載されている場合にあつては、その規模 及び内容が、当該社会福祉事業に係る事業区域における需要 及び供給の見通しに照らして適切なものであること。
三
号
社会福祉充実事業として地域公益事業が記載されている場合にあつては、その規模 及び内容が、当該地域公益事業に係る事業区域における需要に照らして適切なものであること。
四
号
その他厚生労働省令で定める要件に適合するものであること。
10項
所轄庁は、社会福祉充実計画が前項第二号 及び第三号に適合しているかどうかを調査するため必要があると認めるときは、関係地方公共団体の長に対して、資料の提供 その他必要な協力を求めることができる。
11項
第一項の承認を受けた社会福祉法人は、同項の承認があつた社会福祉充実計画(次条第一項の変更の承認があつたときは、その変更後のもの。同項 及び第五十五条の四において「承認社会福祉充実計画」という。)に従つて事業を行わなければならない。