税制改革法

# 昭和六十三年法律第百七号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   国税
最終編集日 : 2022年 11月29日 15時23分


1項

この法律は、昭和六十三年六月十五日に行われた税制調査会の答申の趣旨にのつとつて行われる税制の抜本的な改革(以下「今次の税制改革」という。)の趣旨、基本理念 及び方針を明らかにし、かつ、簡潔にその全体像を示すことにより、今次の税制改革についての国民の理解を深めるとともに、今次の税制改革が、整合性をもつて、包括的かつ一体的に行われることに資するほか、今次の税制改革が我が国の経済社会に及ぼす影響にかんがみ、国等の配慮すべき事項について定めることを目的とする。

1項

今次の税制改革は、現行の税制が、産業構造 及び就業構造の変化、所得の水準の上昇 及び平準化、消費の多様化 及び消費におけるサービスの比重の増加、経済取引の国際化等を反映して著しく変化してきた現在の経済社会との間に不整合を生じている事態に対処して、将来の展望を踏まえつつ、国民の租税に対する不公平感を払しよくするとともに、所得、消費、資産等に対する課税を適切に組み合わせることにより均衡がとれた税体系を構築することが、国民生活 及び国民経済の安定 及び向上を図る上で緊要な課題であることにかんがみ、これに即応した税制を確立するために行われるものとする。

1項

今次の税制改革は、 租税は国民が社会共通の費用を広く公平に分かち合うためのものであるという基本的認識の下に、税負担の公平を確保し、税制の経済に対する中立性を保持し、 及び税制の簡素化を図ることを基本原則として行われるものとする。

1項

今次の税制改革は、 所得課税において税負担の公平の確保を図るための措置を講ずるとともに、税体系全体として税負担の公平に資するため、所得課税を軽減し、 消費に広く薄く負担を求め、資産に対する負担を適正化すること等により、 国民が公平感をもつて納税し得る税体系の構築を目指して行われるものとする。

2項

今次の税制改革は、全体として税負担の軽減を図るとともに、国 及び地方公共団体の財政運営に基本的に影響を与えることのないよう配慮して行われるものとする。

1項

国 及び地方公共団体は、今次の税制改革の趣旨 及び方針にかんがみ、福祉の充実に配慮しなければならない。

2項

国 及び地方公共団体は、今次の税制改革に際し、 行政 及び財政の改革の一層の推進に努めなければならない。

3項

国 及び地方公共団体は、国民に今次の税制改革の趣旨 及び内容の周知徹底を図り、その理解と協力を得るように努める等今次の税制改革の円滑な推進に資するための環境の整備配慮しなければならない。