裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律

# 平成十六年法律第百五十一号 #
略称 : ADR法 

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   司法
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号による改正
最終編集日 : 2022年 10月09日 16時59分


1項

この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、裁判外紛争解決手続(訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与して、その解決を図る手続をいう。以下同じ。)が、第三者の専門的な知見を反映して紛争の実情に即した迅速な解決を図る手続として重要なものとなっていることに鑑み、裁判外紛争解決手続についての基本理念 及び国等の責務を定めるとともに、民間紛争解決手続の業務に関し、認証の制度を設け、併せて時効の完成猶予等に係る特例を定めて その利便の向上を図ること等により、紛争の当事者が その解決を図るのにふさわしい手続を選択することを容易にし、もって国民の権利利益の適切な実現に資することを目的とする。

1項

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 号

民間紛争解決手続

民間事業者が、紛争の当事者が和解をすることができる民事上の紛争について、紛争の当事者双方からの依頼を受け、当該紛争の当事者との間の契約に基づき、和解の仲介を行う裁判外紛争解決手続をいう。

二 号

手続実施者

民間紛争解決手続において和解の仲介を実施する者をいう。

三 号

認証紛争解決手続

第五条の認証を受けた業務として行う民間紛争解決手続をいう。

四 号

認証紛争解決事業者

第五条の認証を受け、認証紛争解決手続の業務を行う者をいう。

1項

裁判外紛争解決手続は、法による紛争の解決のための手続として、紛争の当事者の自主的な紛争解決の努力を尊重しつつ、公正かつ適正に実施され、かつ、専門的な知見を反映して紛争の実情に即した迅速な解決を図るものでなければならない。

2項

裁判外紛争解決手続を行う者は、前項の基本理念にのっとり、相互に連携を図りながら協力するように努めなければならない。

1項

国は、裁判外紛争解決手続の利用の促進を図るため、裁判外紛争解決手続に関する内外の動向、その利用の状況 その他の事項についての調査 及び分析 並びに情報の提供 その他の必要な措置を講じ、裁判外紛争解決手続についての国民の理解を増進させるように努めなければならない。

2項

地方公共団体は、裁判外紛争解決手続の普及が住民福祉の向上に寄与することにかんがみ、国との適切な役割分担を踏まえつつ、裁判外紛争解決手続に関する情報の提供 その他の必要な措置を講ずるように努めなければならない。