道路交通法

# 昭和三十五年法律第百五号 #
略称 : 道交法 

第五十一条 # 違法駐車に対する措置

@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第六十三号による改正

1項

車両が第四十四条第一項第四十五条第一項 若しくは第二項第四十七条第二項 若しくは第三項第四十八条第四十九条の三第二項 若しくは第三項第四十九条の四 若しくは第四十九条の五後段の規定に違反して駐車していると認められるとき、又は第四十九条第一項のパーキング・チケット発給設備を設置する時間制限駐車区間において駐車している場合において当該車両に当該パーキング・チケット発給設備により発給を受けたパーキング・チケットが掲示されておらず、かつ、第四十九条の三第四項の規定に違反していると認められるとき(第五十一条の四第一項 及び第七十五条の二十二第三項において「違法駐車と認められる場合」と総称する。)は、警察官等は、当該車両の運転者 その他当該車両の管理について責任がある者(以下この条において「運転者等」という。)に対し、当該車両の駐車の方法を変更し、若しくは当該車両を当該駐車が禁止されている場所から移動すべきこと 又は当該車両を当該時間制限駐車区間の当該車両が駐車している場所から移動すべきことを命ずることができる。

2項

車両の故障 その他の理由により当該車両の運転者等が直ちに前項の規定による命令に従うことが困難であると認められるときは、警察官等は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法を変更し、又は当該車両を移動することができる。

3項

第一項の場合において、現場に当該車両の運転者等がいないために、当該運転者等に対して同項の規定による命令をすることができないときは、警察官等は、道路における交通の危険を防止し、又は交通の円滑を図るため必要な限度において、当該車両の駐車の方法の変更 その他必要な措置をとり、又は当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない道路上の場所に当該車両を移動することができる。

4項

前項の規定により車両の移動をしようとする場合において、当該車両が駐車している場所からの距離が五十メートルを超えない範囲の地域内の道路上に当該車両を移動する場所がないときは、警察官等は、当該車両が駐車している場所を管轄する警察署長にその旨を報告しなければならない。

5項

前項の報告を受けた警察署長は、駐車場、空地、第三項に規定する場所以外の道路上の場所 その他の場所に当該車両を移動することができる

6項

警察署長は、前項の規定により車両を移動したときは、当該車両を保管しなければならない。


この場合において、警察署長は、車両の保管の場所の形状、管理の態様等に応じ、当該車両に係る盗難等の事故の発生を防止するため、警察署長が当該車両を保管している旨の表示、車輪止め装置の取付け その他の必要な措置を講じなければならない。

7項

警察署長は、前項の規定により車両を保管したときは、当該車両の使用者に対し、保管を始めた日時 及び保管の場所 並びに当該車両を速やかに引き取るべき旨を告知しなければならない。

8項

警察署長は、前項の場合において、当該車両の使用者の氏名 及び住所を知ることができないとき、その他当該使用者に当該車両を返還することが困難であると認められるときは、当該車両の所有者に対し、同項に規定する旨を告知しなければならない。

9項

警察署長は、前項の場合において、当該車両の所有者の氏名 及び住所を知ることができないときは、政令で定めるところにより、当該車両の保管の場所 その他の政令で定める事項を公示しなければならない。

10項

警察署長は、前項の規定による公示をしたときは、内閣府令で定めるところにより、当該公示の日付 及び内容をインターネットの利用 その他の方法により公表するものとする。

11項

第七項から前項までに定めるもののほか第六項の規定により保管した車両の返還に関し必要な事項は、政令で定める。

12項

警察署長は、第六項の規定により保管した車両につき、第八項の規定による告知の日 又は第九項の規定による公示の日から起算して一月を経過してもなお当該車両を返還することができない場合において、政令で定めるところにより評価した当該車両の価額に比し、その保管に不相当な費用を要するときは、政令で定めるところにより、当該車両を売却し、その売却した代金を保管することができる。

13項

警察署長は、前項の規定による車両の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該車両を廃棄することができる

14項

第十二項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。

15項

第二項第三項 又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動、車両の保管、公示 その他の措置に要した費用は、当該車両の運転者等 又は使用者 若しくは所有者(以下 この条 及び次条において「使用者等」という。)の負担とする。

16項

警察署長は、前項の規定により運転者等 又は使用者等の負担とされる負担金につき納付すべき金額、納付の期限 及び場所を定め、これらの者に対し、文書でその納付を命じなければならない。


この場合において、納付すべき金額は、同項に規定する費用につき実費を勘案して都道府県規則でその額を定めたときは、その定めた額とする。

17項

警察署長は、前項の規定により納付を命ぜられた者が納付の期限を経過しても負担金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。


この場合において、警察署長は、負担金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金 及び督促に要した手数料を徴収することができる。

18項

前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに負担金 並びに同項後段の延滞金 及び手数料(以下この条において「負担金等」という。)を納付しないときは、警察署長は、地方税の滞納処分の例により、負担金等を徴収することができる。


この場合における負担金等の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。

19項

納付され、又は徴収された負担金等は、当該警察署の属する都道府県の収入とする。

20項

第八項の規定による告知の日 又は第九項の規定による公示の日から起算して三月を経過してもなお第六項の規定により保管した車両(第十二項の規定により売却した代金を含む。以下 この項において同じ。)を返還することができないときは、当該車両の所有権は、当該警察署の属する都道府県に帰属する。

21項

警察署長は、第十二項の規定による車両(道路運送車両法による登録を受けた自動車に限る。以下 この項において同じ。)の売却、第十三項の規定による車両の廃棄 又は前項の規定による車両の所有権の都道府県への帰属があつたときは、政令で定めるところにより、当該車両について、これらの処分等に係る同法による登録を国土交通大臣 又は同法第百五条第一項 若しくは第二項の規定により委任を受けた者に嘱託しなければならない。

22項

第六項第七項 及び第九項から第二十項までの規定は、第六項の規定により保管した車両に積載物があつた場合における当該積載物について準用する。


この場合において、

第七項
使用者」とあるのは
「所有者、占有者 その他当該積載物について権原を有する者(以下この条において「所有者等」という。)」と、

第九項
前項」とあるのは
第二十二項において読み替えて準用する第七項」と、

知ることができない」とあるのは
「知ることができず、かつ、当該積載物の所有者以外の者に当該積載物を返還することが困難であると認められる」と、

第十一項
第七項から前項まで」とあるのは
第二十二項において読み替えて準用する第七項 及び前二項」と、

第十二項
第八項の規定による告知の日 又は」とあるのは
「腐敗し、若しくは変質するおそれがあるとき、又は第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する告知の日 若しくは」と、

費用」とあるのは
「費用 若しくは手数」と、

第十五項
第二項、第三項 又は第五項から第十一項までの規定による車両の移動、」とあるのは
第二十二項において準用する第六項第七項 又は第九項から第十一項までの規定による」と、

運転者等 又は使用者 若しくは所有者(以下 この条 及び次条において「使用者等」という。)」とあるのは
「所有者等」と、

第十六項
運転者等 又は使用者等」とあるのは
「所有者等」と、

第二十項
第八項の規定による」とあるのは
第二十二項において読み替えて準用する第七項の規定による当該積載物の所有者に対する」と

読み替えるものとする。