道路交通法

# 昭和三十五年法律第百五号 #
略称 : 道交法 

第五十一条の四 # 放置違反金

@ 施行日 : 令和六年五月二十四日 ( 2024年 5月24日 )
@ 最終更新 : 令和六年法律第三十四号による改正

1項

警察署長は、警察官等に、違法駐車と認められる場合における車両(軽車両にあつては、牽引されるための構造 及び装置を有し、かつ、車両総重量(道路運送車両法第四十条第三号の車両総重量をいう。)が七百五十キログラムを超えるもの(以下「重被牽引車」という。)に限る。以下この条において同じ。)であつて、その運転者がこれを離れて直ちに運転することができない状態にあるもの(以下「放置車両」という。)の確認をさせ、内閣府令で定めるところにより、当該確認をした旨 及び当該車両に係る違法駐車行為(違法駐車と認められる場合に係る車両の運転者の行為をいう。第四項 及び第十六項において同じ。)をした者について第四項ただし書に規定する場合に該当しないときは同項本文の規定により当該車両の使用者が放置違反金の納付を命ぜられることがある旨を告知する標章を当該車両の見やすい箇所に取り付けさせることができる。

2項

何人も、前項の規定により車両に取り付けられた標章を破損し、若しくは汚損し、又はこれを取り除いてはならない。


ただし、当該車両の使用者、運転者 その他当該車両の管理について責任がある者が取り除く場合は、この限りでない。

3項

警察署長は、第一項の規定により車両に標章を取り付けさせたときは、当該車両の駐車に関する状況を公安委員会に報告しなければならない。

4項

前項の規定による報告を受けた公安委員会は、当該報告に係る車両を放置車両と認めるときは、当該車両の使用者に対し、放置違反金の納付を命ずることができる。


ただし第一項の規定により当該車両に標章が取り付けられた日の翌日から起算して三十日以内に、当該車両に係る違法駐車行為をした者が当該違法駐車行為について第百二十八条第一項の規定による反則金の納付をした場合 又は当該違法駐車行為に係る事件について公訴を提起され、若しくは家庭裁判所の審判に付された場合は、この限りでない。

5項

前項本文の規定による命令(以下「納付命令」という。)は、放置違反金の額 並びに納付の期限 及び場所を記載した文書により行うものとする。

6項

公安委員会は、納付命令をしようとするときは、当該車両の使用者に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を書面で通知し、相当の期間を指定して、当該事案について弁明を記載した書面(以下 この項 及び第九項において「弁明書」という。)及び有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。

一 号

当該納付命令の原因となる事実

二 号

弁明書の提出先 及び提出期限

7項

公安委員会は、納付命令を受けるべき者の所在が判明しないときは、前項の規定による通知を、その者の氏名 及び同項第二号に掲げる事項 並びに公安委員会が同項各号に掲げる事項を記載した書面をいつでも その者に交付する旨を当該公安委員会の掲示板に掲示することによつて行うことができる。


この場合においては、掲示を始めた日から二週間を経過したときに、当該通知がその者に到達したものとみなす。

8項

放置違反金の額は、別表第一に定める金額の範囲内において、政令で定める。

9項

第六項の規定による通知を受けた者は、弁明書の提出期限までに、政令で定めるところにより、放置違反金に相当する金額を仮に納付することができる。

10項

納付命令は、前項の規定による仮納付をした者については、政令で定めるところにより、公示して行うことができる。

11項

第九項の規定による仮納付をした者について同項の通知に係る納付命令があつたときは、当該放置違反金に相当する金額の仮納付は、当該納付命令による放置違反金の納付とみなす。

12項

公安委員会は、第九項の規定による仮納付をした者について同項の通知に係る納付命令をしないこととしたときは、速やかに、その者に対し、理由を明示してその旨を書面で通知し、当該仮納付に係る金額を返還しなければならない。

13項

公安委員会は、納付命令を受けた者が納付の期限を経過しても放置違反金を納付しないときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促しなければならない。


この場合において、公安委員会は、放置違反金につき年十四・五パーセントの割合により計算した額の範囲内の延滞金 及び督促に要した手数料を徴収することができる。

14項

前項の規定による督促を受けた者がその指定期限までに放置違反金 並びに同項後段の延滞金 及び手数料(以下 この条 及び第五十一条の七において「放置違反金等」という。)を納付しないときは、公安委員会は、地方税の滞納処分の例により、放置違反金等を徴収することができる。


この場合における放置違反金等の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。

15項

納付され、又は徴収された放置違反金等は、当該公安委員会が置かれている都道府県の収入とする。

16項

公安委員会は、納付命令をした場合において、当該納付命令の原因となつた車両に係る違法駐車行為をした者が当該違法駐車行為について第百二十八条第一項の規定による反則金の納付をしたとき、又は当該違法駐車行為に係る事件について公訴を提起され、若しくは家庭裁判所の審判に付されたときは、当該納付命令を取り消さなければならない。

17項

公安委員会は、前項の規定により納付命令を取り消したときは、速やかに、理由を明示してその旨を当該納付命令を受けた者に通知しなければならない。


この場合において、既に当該納付命令に係る放置違反金等が納付され、又は徴収されているときは、公安委員会は、当該放置違反金等に相当する金額を還付しなければならない。

18項

放置違反金等の徴収 又は還付に関する書類の送達 及び公示送達については、地方税の例による。