道路法

# 昭和二十七年法律第百八十号 #

第五節 道路の立体的区域

分類 法律
カテゴリ   道路
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第三十四号による改正
最終編集日 : 2024年 04月03日 16時36分


1項

道路管理者は、道路の存する地域の状況を勘案し、適正かつ合理的な土地利用の促進を図るため必要があると認めるときは、第十八条第一項の規定により決定し又は変更する道路の区域を空間 又は地下について上下の範囲を定めたもの(以下「立体的区域」という。)とすることができる。

2項

道路管理者は、道路管理者以外の者が道路の区域を立体的区域とした道路を構成する敷地(国有財産法昭和二十三年法律第七十三号第三条第二項 又は地方自治法第二百三十八条第四項に規定する行政財産であるものに限る)の上の空間又は地下(当該道路の区域内の空間 又は地下を除く)に交通確保施設(歩行者の一般交通の用に供する通路 その他の安全かつ円滑な道路の交通の確保に資するものとして国土交通省令で定める施設をいう。以下この項において同じ。)を所有し、又は所有しようとする場合において、その者が、当該交通確保施設の整備 又は維持管理を適切に行うのに必要な技術的能力を有することその他の国土交通省令で定める要件に適合すると認めるときは、国有財産法第十八条第一項 又は地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、その者のために当該敷地に当該交通確保施設の所有を目的とする民法明治二十九年法律第八十九号第二百六十九条の二第一項の地上権を設定することができる。

3項

国有財産法第二十四条 及び第二十五条 並びに地方自治法第二百三十八条の五第四項から第六項までの規定は、前項の規定による地上権の設定について準用する。

1項

道路管理者は、道路の区域を立体的区域とした道路と当該道路の区域外に新築される建物とが一体的な構造となることについて、当該建物を新築してその所有者になろうとする者との協議が成立したときは、次に掲げる事項を定めた協定(以下この節において「協定」という。)を締結して、当該道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧 その他の管理を行うことができる。


この場合において、道路の管理上必要があると認めるときは、協定に従つて、当該建物の管理を行うことができる。

一 号

協定の目的となる建物(以下「道路一体建物」という。

二 号

道路一体建物の新築 及びこれに要する費用の負担

三 号

次に掲げる事項 及びこれらに要する費用の負担

道路一体建物に関する道路の管理上必要な行為の制限

道路の管理上必要な道路一体建物への立入り

道路に関する工事 又は道路一体建物に関する工事が行われる場合の調整

道路 又は道路一体建物に損害が生じた場合の措置

道路の附属物である自動車駐車場 若しくは自転車駐車場 又は特定車両停留施設(以下「自動車駐車場等」という。)と道路一体建物とが一体的な構造となる場合であつて、当該自動車駐車場等と連絡する通路 その他の当該道路一体建物の部分を当該自動車駐車場等の多数の利用者が利用すると見込まれるときは、当該部分の整備 及び管理に係る措置

四 号
協定の有効期間
五 号
協定に違反した場合の措置
六 号
協定の掲示方法
七 号

その他道路一体建物の管理に関し必要な事項

2項

道路管理者は、協定を締結したときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を公示し、かつ、当該協定の写しを道路管理者の事務所に備えて一般の閲覧に供するとともに、協定において定めるところにより、道路一体建物 又はその敷地内の見やすい場所に、道路管理者の事務所においてこれを閲覧に供している旨を掲示しなければならない。

1項

前条第二項の規定による公示のあつた協定は、その公示のあつた後において道路一体建物の所有者となつた者に対しても、その効力があるものとする。

1項

道路一体建物の所有者以外の者であつてその道路一体建物の敷地に関する所有権 又は地上権 その他の使用 若しくは収益を目的とする権利を有する者(次項において「敷地所有者等」という。)は、その道路一体建物の所有者に対する当該権利の行使が協定の目的たる道路を支持する道路一体建物としての効用を失わせることとなる場合においては、当該権利の行使をすることができない。

2項

前項の場合において、道路一体建物の所有者がその道路一体建物を所有するためのその敷地に関する地上権 その他の使用 又は収益を目的とする権利を有しないときは、その道路一体建物の収去を請求する権利を有する敷地所有者等は、その道路一体建物の所有者に対し、その道路一体建物を時価で売り渡すべきことを請求することができる。

1項

道路管理者は、道路の区域を立体的区域とした道路について、当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要があると認めるときは、当該道路の上下の空間 又は地下について、上下の範囲を定めて、道路保全立体区域の指定をすることができる。

2項

道路保全立体区域の指定は、当該道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するため必要な最小限度の上下の範囲に限つてするものとする。

3項

道路管理者は、道路保全立体区域の指定をしようとする場合においては、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を公示しなければならない。


その指定を変更し、又は解除しようとする場合においても、同様とする。

1項

道路保全立体区域内にある土地、竹木 又は建築物 その他の工作物の所有者 又は占有者は、その土地、竹木 又は建築物 その他の工作物が道路の構造に損害を及ぼし、又は交通に危険を及ぼすおそれがあると認められる場合においては、その損害 又は危険を防止するための施設の設置 その他その損害 又は危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。

2項

道路管理者は、前項に規定する損害 又は危険を防止するため特に必要があると認める場合においては、同項に規定する所有者 又は占有者に対して、同項に規定する施設の設置 その他その損害 又は危険を防止するため必要な措置を講ずべきことを命ずることができる。

3項

第一項に規定する所有者 又は占有者は、同項に規定するもののほか、高架の道路の橋脚の周囲 又は地盤面下の道路の上下における土石の採取 その他の道路保全立体区域における行為であつて、道路の構造に損害を及ぼし、又は交通に危険を及ぼすおそれがあると認められるものを行つてはならない。

4項

道路管理者は、前項の規定に違反している者に対し、行為の中止、物件の改築、移転 又は除却 その他道路の構造を保全し、又は交通の危険を防止するための必要な措置をすることを命ずることができる。