都市再開発法

# 昭和四十四年法律第三十八号 #

第五款 工事完了等に伴う措置

分類 法律
カテゴリ   都市計画
@ 施行日 : 令和四年六月十七日 ( 2022年 6月17日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第六十八号
最終編集日 : 2024年 10月22日 11時43分

1項

施行者は、個別利用区内の宅地の整備 及びこれに関連する公共施設の整備に係る工事が完了したときは、速やかに、その旨を、公告するとともに、第八十七条第一項 又は第八十八条の二の規定により当該宅地 又はその使用収益権を取得した者に通知しなければならない。

2項

施行者は、施設建築物の建築工事が完了したときは、速やかに、その旨を、公告するとともに、第八十八条第二項 又は第五項の規定により施設建築物に関し権利を取得する者に通知しなければならない。

1項

施行者は、施設建築物の建築工事が完了したときは、遅滞なく、施設建築物 及び施設建築物に関する権利について必要な登記を申請し、又は嘱託しなければならない。

2項

施設建築物に関する権利に関しては、前項の登記がされるまでの間は、他の登記をすることができない。

1項

権利変換計画において施設建築物の一部等が与えられるように定められた者と当該施設建築物の一部について第七十七条第五項本文の規定により賃借権が与えられるように定められた者は、家賃 その他の借家条件について協議しなければならない。

2項

第百条第二項の規定による公告の日までに前項の規定による協議が成立しないときは、施行者は、当事者の一方 又は双方の申立てにより、審査委員の過半数の同意を得、又は市街地再開発審査会の議決を経て、次に掲げる事項について裁定することができる。


この場合においては、第七十九条第二項後段の規定を準用する。

一 号
賃借りの目的
二 号
家賃の額、支払期日 及び支払方法
三 号
敷金 又は賃借権の設定の対価を支払うべきときは、その額
3項

施行者は、前項の規定による裁定をするときは、賃借りの目的については賃借部分の構造 及び賃借人の職業を、家賃の額については賃貸人の受けるべき適正な利潤を、その他の事項についてはその地方における一般の慣行を考慮して定めなければならない。

4項

第二項の規定による裁定があつたときは、裁定の定めるところにより、当事者間に協議が成立したものとみなす。

5項

第二項の裁定に関し必要な手続に関する事項は、国土交通省令で定める。

6項

第二項の裁定に不服がある者は、その裁定があつた日から六十日以内に、訴えをもつてその変更を請求することができる。

7項

前項の訴えにおいては、当事者の他の一方を被告としなければならない。

1項

施行者は、第一種市街地再開発事業の工事が完了したときは、速やかに、当該事業に要した費用の額を確定するとともに、政令で定めるところにより、その確定した額 及び第八十条第一項に規定する三十日の期間を経過した日における近傍類似の土地、近傍同種の建築物 又は近傍類似の土地 若しくは近傍同種の建築物に関する同種の権利の取引価格等を考慮して定める相当の価額を基準として、施設建築敷地 若しくはその共有持分、施設建築物の一部等 若しくは個別利用区内の宅地 若しくはその使用収益権を取得した者 又は施行者の所有する施設建築物の一部について第七十七条第五項ただし書の規定により賃借権が与えられるように定められ、第八十八条第五項の規定により賃借権を取得した者ごとに、施設建築敷地 若しくはその共有持分、施設建築物の一部等 若しくは個別利用区内の宅地 若しくはその使用収益権の価額、施設建築敷地の地代の額 又は施行者が賃貸しする施設建築物の一部の家賃の額を確定し、これらの者にその確定した額を通知しなければならない。

2項

前項の規定により確定した地代の額は、当事者間に別段の合意がない限り、施設建築敷地について当事者の合意により定められた地代の額とみなす。


ただし、その額に不服がある者は、前項の通知を受けた日から六十日以内に、訴えをもつてその増減を請求することができる。

3項

前項ただし書の訴えにおいては、当事者の他の一方を被告としなければならない。

1項

前条第一項の規定により確定した施設建築敷地 若しくはその共有持分、施設建築物の一部等 又は個別利用区内の宅地 若しくはその使用収益権の価額とこれを与えられた者がこれに対応する権利として有していた施行地区内の宅地、使用収益権 又は建築物の価額とに差額があるときは、施行者は、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。


同項の規定により確定した施設建築敷地の地代の額と第八十八条第一項ただし書の規定により支払つた地代の概算額とに差額があるときも、同様とする。

2項

第九十九条の二第三項の規定により特定建築者が特定施設建築物の一部を取得する場合においては、施行者は、特定建築者が取得する部分以外の部分に係る特定施設建築物の整備に要した費用の額を政令で定めるところにより確定し、当該費用の額と第九十九条の六第二項の規定による譲渡の対価の額とに差額があるときは、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付しなければならない。

1項

前条第一項に規定する宅地、使用収益権 又は建築物が先取特権、質権 若しくは抵当権 又は仮登記 若しくは買戻しの特約の登記に係る権利の目的となつていたときは、これらの権利者の全てから供託しなくてもよい旨の申出があつたときを除き、施行者は、同項の規定により交付すべき清算金の交付に代えてこれを供託しなければならない。


第九十二条第五項 及び第六項の規定は、この場合について準用する。

2項

前項の先取特権、質権 又は抵当権を有していた者は、同項の規定により供託された清算金に対してその権利を行うことができる。

1項

第百四条第一項の規定により徴収すべき清算金は、政令で定めるところにより、利子を付して分割して徴収することができる。

2項

個人施行者以外の施行者は、第百四条第一項の規定により徴収すべき清算金(前項の規定により利子を付したときは、その利子を含む。以下同じ。)を滞納する者があるときは、督促状によつて納付すべき期限を指定して督促することができる。

3項

前項の督促をするときは、組合にあつては定款で定めるところにより、再開発会社にあつては規準で定めるところにより、地方公共団体 又は機構等にあつては政令で定めるところにより、年十四・五パーセントの割合を乗じて計算した額の範囲内の延滞金を徴収することができる。

4項

第二項の督促を受けた者がその督促状において指定した期限までにその納付すべき金額を納付しないときは、地方公共団体 又は機構等は、国税滞納処分の例により、同項の清算金 及び前項の延滞金を徴収することができる。


この場合における清算金 及び延滞金の先取特権の順位は、国税 及び地方税に次ぐものとする。

5項

延滞金は、清算金に先だつものとする。

6項

第四十一条の規定は、組合の徴収に係る第二項の清算金 及び第三項の延滞金を督促状において指定した期限までに納付しない者がある場合について準用する。

7項

第五十条の十一第一項 及び第二項の規定は、再開発会社の徴収に係る第二項の清算金 及び第三項の延滞金を督促状において指定した期限までに納付しない者がある場合について準用する。

8項

第四十二条の規定は、施行者が第二項の清算金 及び第三項の延滞金を徴収する権利について準用する。


この場合において、

同条第二項
「前条第一項」とあるのは、
第百六条第二項」と

読み替えるものとする。

1項

第百四条第一項の清算金を徴収する権利を有する施行者は、その納付義務者に与えられる施設建築物の一部の上に先取特権を有する。

2項

前項の先取特権は、第百一条第一項の規定による登記の際に清算金の予算額を登記することによつてその効力を保存する。


ただし、清算金の額がその予算額を超過するときは、その超過額については存在しない。

3項

第一項の先取特権は、不動産工事の先取特権とみなし、前項本文の規定に従つてした登記は、民法明治二十九年法律第八十九号第三百三十八条第一項前段の規定に従つてした登記とみなす。

1項

第一種市街地再開発事業により施行者が取得した施設建築物の一部等 又は個別利用区内の宅地は、次に掲げる場合を除き、公募により賃貸し、又は譲渡しなければならない。


この場合において、施行者は、賃貸 又は譲渡後の施設建築物の一部等 又は個別利用区内の宅地が当該第一種市街地再開発事業の目的に適合して利用されるよう十分に配慮しなければならない。

一 号

巡査派出所、電気事業者の電気工作物 その他公益上欠くことができない施設の用に供するため必要があるとき。

二 号

施行地区内に宅地、借地権 若しくは権原に基づき存する建築物を有する者 又は施行地区内の建築物について借家権を有する者の居住 又は業務の用に供するため特に必要があるとき。

三 号

再開発会社が施行する第一種市街地再開発事業にあつては、当該再開発会社の株主 又は社員の居住 又は業務の用に供するため特に必要があるとき。

四 号

施行地区が第二条の三第一項第二号 又は第二項の地区内にある場合において、当該地区内に宅地、借地権 若しくは権原に基づき存する建築物を有する者 又は当該地区内の建築物について借家権を有する者であつて、当該地区内における他の市街地再開発事業 又は土地区画整理法による土地区画整理事業、密集市街地整備法による防災街区整備事業 若しくは都市計画事業の施行に伴い当該宅地、借地権、建築物 又は借家権を失い、かつ、当該権利に対応する権利を与えられないものの居住 又は業務の用に供するため特に必要があるとき。

五 号
その他国土交通省令で定める場合
2項

施行者が地方公共団体であるときは、施行者が第一種市街地再開発事業により取得した施設建築敷地 若しくはその共有持分、施設建築物の所有を目的とする地上権、施設建築物の一部等 又は個別利用区内の宅地の管理処分については、当該地方公共団体の財産の管理処分に関する法令の規定は、適用しない

1項

第一種市街地再開発事業の施行により設置された公共施設は、当該公共施設の整備に関する工事が完了したときは、その存する市町村の管理に属する。


ただし、法律 又は規準、規約、定款 若しくは施行規程に管理すべき者の定めがあるときは、それらの者の管理に属するものとする。