雇用保険法
第三章の二 育児休業給付
第十条の三から第十二条までの規定は、育児休業給付について準用する。
育児休業給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者 及び日雇労働被保険者を除く。以下 この条 及び次条において同じ。)が、厚生労働省令で定めるところにより、その一歳に満たない子(民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百十七条の二第一項の規定により被保険者が当該被保険者との間における同項に規定する特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求した者(当該請求に係る家事審判事件が裁判所に係属している場合に限る。)であつて、当該被保険者が現に監護するもの、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第二十七条第一項第三号の規定により同法第六条の四第二号に規定する養子縁組里親である被保険者に委託されている児童 及びその他これらに準ずる者として厚生労働省令で定める者に、厚生労働省令で定めるところにより委託されている者を含む。以下この章において同じ。)(その子が一歳に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、一歳六か月に満たない子(その子が一歳六か月に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合に該当する場合にあつては、二歳に満たない子))を養育するための休業(以下この章において「育児休業」という。)をした場合において、当該育児休業(当該子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。以下 この項 及び第三項において同じ。)を開始した日前二年間(当該育児休業を開始した日前二年間に疾病、負傷 その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、支給単位期間について支給する。
被保険者が育児休業についてこの章の定めるところにより育児休業給付金の支給を受けたことがある場合において、当該被保険者が同一の子について三回以上の育児休業(厚生労働省令で定める場合に該当するものを除く。)をした場合における三回目以後の育児休業については、前項の規定にかかわらず、育児休業給付金は、支給しない。
第一項の「みなし被保険者期間」は、育児休業を開始した日を被保険者でなくなつた日とみなして第十四条の規定を適用した場合に計算されることとなる被保険者期間に相当する期間とする。
労働基準法第六十五条第二項の規定による休業をした被保険者であつて、前項に規定するみなし被保険者期間が十二箇月に満たないものについての第一項 及び前項の規定の適用については、
第一項中
「当該育児休業(当該子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。以下 この項 及び第三項において同じ。)を開始した日」とあるのは
「特例基準日(当該子について労働基準法第六十五条第一項の規定による休業を開始した日(厚生労働省令で定める理由により当該日によることが適当でないと認められる場合においては、当該理由に応じて厚生労働省令で定める日)をいう。以下 この項 及び第三項において同じ。)」と、
「育児休業を開始した日」とあるのは
「特例基準日」と、
前項中
「育児休業を開始した日」とあるのは
「特例基準日」と
する。
この条において「支給単位期間」とは、育児休業をした期間を、当該育児休業を開始した日 又は各月においてその日に応当し、かつ、当該育児休業をした期間内にある日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下 この項 及び次項において「休業開始応当日」という。)から各翌月の休業開始応当日の前日(当該育児休業を終了した日の属する月にあつては、当該育児休業を終了した日)までの各期間に区分した場合における当該区分による一の期間をいう。
育児休業給付金の額は、一支給単位期間について、育児休業給付金の支給を受けることができる被保険者を受給資格者と、当該被保険者が当該育児休業給付金の支給に係る育児休業(同一の子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。)を開始した日の前日を受給資格に係る離職の日とみなして第十七条の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額(以下 この項 及び次項において「休業開始時賃金日額」という。)に次の各号に掲げる支給単位期間の区分に応じて当該各号に定める日数(同項において「支給日数」という。)を乗じて得た額の百分の五十(当該育児休業(同一の子について二回以上の育児休業をした場合にあつては、初回の育児休業とする。)を開始した日から起算し当該育児休業給付金の支給に係る休業日数が通算して百八十日に達するまでの間に限り、百分の六十七)に相当する額(支給単位期間に当該育児休業給付金の支給に係る休業日数の百八十日目に当たる日が属する場合にあつては、休業開始時賃金日額に当該休業開始応当日から当該休業日数の百八十日目に当たる日までの日数を乗じて得た額の百分の六十七に相当する額に、休業開始時賃金日額に当該休業日数の百八十一日目に当たる日から育児休業を終了した日 又は翌月の休業開始応当日の前日のいずれか早い日までの日数を乗じて得た額の百分の五十に相当する額を加えて得た額)とする。
この場合における同条の規定の適用については、
同条第三項中
「困難であるとき」とあるのは
「できないとき 若しくは困難であるとき」と、
同条第四項中
「第二号に掲げる額」とあるのは
「第二号ハに定める額」と
する。
次号に掲げる支給単位期間以外の支給単位期間
三十日
育児休業を終了した日の属する支給単位期間
当該支給単位期間における当該育児休業を開始した日 又は休業開始応当日から当該育児休業を終了した日までの日数
前項の規定にかかわらず、育児休業をした被保険者に当該被保険者を雇用している事業主から支給単位期間に賃金が支払われた場合において、当該賃金の額に当該支給単位期間における育児休業給付金の額を加えて得た額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額から当該賃金の額を減じて得た額を、当該支給単位期間における育児休業給付金の額とする。
この場合において、当該賃金の額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、第一項の規定にかかわらず、当該賃金が支払われた支給単位期間については、育児休業給付金は、支給しない。
被保険者の養育する子について、当該被保険者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)が当該子の一歳に達する日以前のいずれかの日において当該子を養育するための休業をしている場合における第一項の規定の適用については、
同項中
「その一歳」とあるのは、
「その一歳二か月」と
する。
育児休業給付金の支給を受けたことがある者に対する第二十二条第三項 及び第三十七条の四第三項の規定の適用については、
第二十二条第三項中
「とする。ただし、当該期間」とあるのは
「とし、当該雇用された期間 又は当該被保険者であつた期間に育児休業給付金の支給に係る休業の期間があるときは、当該休業の期間を除いて算定した期間とする。ただし、当該雇用された期間 又は当該被保険者であつた期間」と、
第三十七条の四第三項中
「第二十二条第三項」とあるのは
「第二十二条第三項(第六十一条の七第九項において読み替えて適用する場合を含む。)」と
する。
出生時育児休業給付金は、被保険者が、厚生労働省令で定めるところにより、その子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日まで(出産予定日前に当該子が出生した場合にあつては当該出生の日から当該出産予定日から起算して八週間を経過する日の翌日までとし、出産予定日後に当該子が出生した場合にあつては当該出産予定日から当該出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日までとする。)の期間内に四週間以内の期間を定めて当該子を養育するための休業(当該被保険者が出生時育児休業給付金の支給を受けることを希望する旨を公共職業安定所長に申し出たものに限る。以下この条において「出生時育児休業」という。)をした場合において、当該出生時育児休業(当該子について二回目の出生時育児休業をした場合にあつては、初回の出生時育児休業とする。以下 この項 及び第三項において同じ。)を開始した日前二年間(当該出生時育児休業を開始した日前二年間に疾病、負傷 その他厚生労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、支給する。
被保険者が出生時育児休業についてこの章の定めるところにより出生時育児休業給付金の支給を受けたことがある場合において、当該被保険者が次の各号のいずれかに該当する出生時育児休業をしたときは、前項の規定にかかわらず、出生時育児休業給付金は、支給しない。
同一の子について当該被保険者が三回以上の出生時育児休業をした場合における三回目以後の出生時育児休業
同一の子について当該被保険者がした出生時育児休業ごとに、当該出生時育児休業を開始した日から当該出生時育児休業を終了した日までの日数を合算して得た日数が二十八日に達した日後の出生時育児休業
第一項の「みなし被保険者期間」は、出生時育児休業を開始した日を被保険者でなくなつた日とみなして第十四条の規定を適用した場合に計算されることとなる被保険者期間に相当する期間とする。
出生時育児休業給付金の額は、出生時育児休業給付金の支給を受けることができる被保険者を受給資格者と、当該被保険者が当該出生時育児休業給付金の支給に係る出生時育児休業(同一の子について二回目の出生時育児休業をした場合にあつては、初回の出生時育児休業とする。)を開始した日の前日を受給資格に係る離職の日とみなして第十七条の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額(次項において「休業開始時賃金日額」という。)に第二項第二号に規定する合算して得た日数(その日数が二十八日を超えるときは、二十八日。次項において「支給日数」という。)を乗じて得た額の百分の六十七に相当する額(次項において「支給額」という。)とする。
この場合における同条の規定の適用については、
同条第三項中
「困難であるとき」とあるのは
「できないとき 若しくは困難であるとき」と、
同条第四項中
「第二号に掲げる額」とあるのは
「第二号ハに定める額」と
する。
前項の規定にかかわらず、出生時育児休業をした被保険者に当該被保険者を雇用している事業主から当該出生時育児休業をした期間(第二項第二号に規定する合算して得た日数が二十八日を超えるときは、当該日数が二十八日に達する日までの期間に限る。)に賃金が支払われた場合において、当該賃金の額に支給額を加えて得た額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額から当該賃金の額を減じて得た額を、出生時育児休業給付金の額とする。
この場合において、当該賃金の額が休業開始時賃金日額に支給日数を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、第一項の規定にかかわらず、出生時育児休業給付金は、支給しない。
前条第九項の規定は、出生時育児休業給付金について準用する。
この場合において、
同項中
「第六十一条の七第九項」とあるのは、
「第六十一条の八第六項において読み替えて準用する第六十一条の七第九項」と
読み替えるものとする。
出生時育児休業給付金の支給を受けようとする被保険者が、既に同一の子について育児休業給付金の支給を受けていた場合における第一項、第三項 及び第四項の規定の適用については、
第一項中
「限る」とあるのは
「限り、育児休業給付金の支給に係るものを除く」と、
「当該出生時育児休業(当該子について二回目の出生時育児休業をした場合にあつては、初回の出生時育児休業とする。以下 この項 及び第三項において同じ。)」とあるのは
「当該子について当該被保険者がした初回の育児休業」と、
「(当該出生時育児休業」とあるのは
「(当該育児休業」と、
第三項中
「出生時育児休業」とあるのは
「同一の子についてした初回の育児休業」と、
第四項中
「当該出生時育児休業給付金の支給に係る出生時育児休業(同一の子について二回目の出生時育児休業をした場合にあつては、初回の出生時育児休業とする。)」とあるのは
「同一の子についてした初回の育児休業」と
する。
育児休業給付金の支給を受けようとする被保険者が、既に同一の子について出生時育児休業給付金の支給を受けていた場合における前条第二項、第五項 及び第六項の規定の適用については、
同条第二項中
「育児休業(」とあるのは
「育児休業(次条第一項に規定する出生時育児休業 及び」と、
同条第五項中
「、育児休業」とあるのは
「、育児休業(次条第一項に規定する出生時育児休業を除く。)」と、
同条第六項中
「起算し当該育児休業給付金」とあるのは
「起算し当該育児休業給付金(同一の子について当該被保険者が支給を受けていた次条第一項に規定する出生時育児休業給付金を含む。以下この項において同じ。)」と
する。
偽りその他不正の行為により育児休業給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、育児休業給付を支給しない。
ただし、やむを得ない理由がある場合には、育児休業給付の全部 又は一部を支給することができる。
前項の規定により育児休業給付の支給を受けることができない者とされたものが、同項に規定する日以後、当該育児休業給付の支給に係る育児休業を開始した日に養育していた子以外の子について新たに育児休業を開始し、育児休業給付の支給を受けることができる者となつた場合には、同項の規定にかかわらず、当該育児休業に係る育児休業給付を支給する。