非訟事件手続法

# 平成二十三年法律第五十一号 #
略称 : 非訟法 

第一章 共有に関する事件

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和五年十一月十五日 ( 2023年 11月15日 )
@ 最終更新 : 令和五年法律第二十八号による改正
最終編集日 : 2024年 04月17日 08時51分


1項

次に掲げる裁判に係る事件は、当該裁判に係る共有物 又は民法明治二十九年法律第八十九号第二百六十四条に規定する数人で所有権以外の財産権を有する場合における当該財産権(以下この条において単に「共有物」という。)の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

一 号

民法第二百五十一条第二項第二百五十二条第二項第一号 及び第二百五十二条の二第二項これらの規定を同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)の規定による裁判

二 号

民法第二百五十二条第二項第二号同法第二百六十四条において準用する場合を含む。第三項において同じ。)の規定による裁判

2項

前項第一号の裁判については、裁判所が次に掲げる事項を公告し、かつ、第二号の期間が経過した後でなければ、することができない。


この場合において、同号の期間は、一箇月を下ってはならない。

一 号

当該共有物について前項第一号の裁判の申立てがあったこと。

二 号

裁判所が前項第一号の裁判をすることについて異議があるときは、当該 他の共有者等(民法第二百五十一条第二項同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)に規定する当該 他の共有者、同法第二百五十二条第二項第一号同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)に規定する他の共有者 又は同法第二百五十二条の二第二項同法第二百六十四条において準用する場合を含む。)に規定する当該共有者をいう。第六項において同じ。)は一定の期間内にその旨の届出をすべきこと。

三 号

前号の届出がないときは、前項第一号の裁判がされること。

3項

第一項第二号の裁判については、裁判所が次に掲げる事項を当該 他の共有者(民法第二百五十二条第二項第二号に規定する当該 他の共有者をいう。以下 この項 及び次項において同じ。)に通知し、かつ、第二号の期間が経過した後でなければ、することができない。


この場合において、同号の期間は、一箇月を下ってはならない。

一 号

当該共有物について第一項第二号の裁判の申立てがあったこと。

二 号

当該他の共有者は裁判所に対し一定の期間内に共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべきこと。

三 号

前号の期間内に当該 他の共有者が裁判所に対し共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにしないときは、第一項第二号の裁判がされること。

4項

前項第二号の期間内に裁判所に対し共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにした当該 他の共有者があるときは、裁判所は、その者に係る第一項第二号裁判をすることができない

5項

前項第二号の期間内に裁判所に対し共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにした当該他の共有者があるときは、裁判所は、その者に係る第一項第二号裁判をすることができない

6項

第一項第一号の裁判は、当該他の共有者等に告知することを要しない。

1項

民法第二百六十二条第三項の規定による証書の保存者の指定の事件は、共有物の分割がされた地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

2項

裁判所は、前項の指定の裁判をするには、分割者(申立人を除く)の陳述を聴かなければならない。

3項

裁判所が前項の裁判をする場合における手続費用は、分割者の全員が等しい割合で負担する。

4項

第二項の裁判に対しては、不服を申し立てることができない

1項

所在等不明共有者の持分の取得の裁判(民法第二百六十二条の二第一項同条第五項において準用する場合を含む。次項第一号において同じ。)の規定による所在等不明共有者の持分の取得の裁判をいう。以下この条において同じ。)に係る事件は、当該裁判に係る不動産の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

2項

裁判所は、次に掲げる事項を公告し、かつ、第二号第三号 及び第五号の期間が経過した後でなければ、所在等不明共有者の持分の取得の裁判をすることができない


この場合において、第二号第三号 及び第五号の期間は、いずれも三箇月を下ってはならない。

一 号

所在等不明共有者(民法第二百六十二条の二第一項に規定する所在等不明共有者をいう。以下この条において同じ。)の持分について所在等不明共有者の持分の取得の裁判の申立てがあったこと。

二 号
裁判所が所在等不明共有者の持分の取得の裁判をすることについて異議があるときは、所在等不明共有者は一定の期間内にその旨の届出をすべきこと。
三 号

民法第二百六十二条の二第二項同条第五項において準用する場合を含む。)の異議の届出は、一定の期間内にすべきこと。

四 号

前二号の届出がないときは、所在等不明共有者の持分の取得の裁判がされること。

五 号

所在等不明共有者の持分の取得の裁判の申立てがあった所在等不明共有者の持分について申立人以外の共有者が所在等不明共有者の持分の取得の裁判の申立てをするときは一定の期間内にその申立てをすべきこと。

3項

裁判所は、前項の規定による公告をしたときは、遅滞なく、登記簿上 その氏名 又は名称が判明している共有者に対し、同項各号第二号除く)の規定により公告した事項を通知しなければならない。


この通知は、通知を受ける者の登記簿上の住所 又は事務所に宛てて発すれば足りる。

4項

裁判所は、第二項第三号の異議の届出が同号の期間を経過した後にされたときは、当該届出を却下しなければならない。

5項

裁判所は、所在等不明共有者の持分の取得の裁判をするには、申立人に対して、一定の期間内に、所在等不明共有者のために、裁判所が定める額の金銭を裁判所の指定する供託所に供託し、かつ、その旨を届け出るべきことを命じなければならない。

6項

裁判所は、前項の規定による決定をした後所在等不明共有者の持分の取得の裁判をするまでの間に、事情の変更により同項の規定による決定で定めた額を不当と認めるに至ったときは、同項の規定により供託すべき金銭の額を変更しなければならない。

7項

前二項の規定による裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

8項

裁判所は、申立人が第五項の規定による決定に従わないときは、その申立人の申立てを却下しなければならない。

9項

所在等不明共有者の持分の取得の裁判は、確定しなければその効力を生じない。

10項
所在等不明共有者の持分の取得の裁判は、所在等不明共有者に告知することを要しない。
11項

所在等不明共有者の持分の取得の裁判の申立てを受けた裁判所が第二項の規定による公告をした場合において、その申立てがあった所在等不明共有者の持分について申立人以外の共有者が同項第五号の期間が経過した後に所在等不明共有者の持分の取得の裁判の申立てをしたときは、裁判所は、当該申立人以外の共有者による所在等不明共有者の持分の取得の裁判の申立てを却下しなければならない。

1項

所在等不明共有者の持分を譲渡する権限の付与の裁判(民法第二百六十二条の三第一項同条第四項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)の規定による所在等不明共有者の持分を譲渡する権限の付与の裁判をいう。第三項において同じ。)に係る事件は、当該裁判に係る不動産の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。

2項

前条第二項第一号第二号 及び第四号 並びに第五項から第十項までの規定は、前項の事件について準用する。

3項

所在等不明共有者の持分を譲渡する権限の付与の裁判の効力が生じた後二箇月以内にその裁判により付与された権限に基づく所在等不明共有者(民法第二百六十二条の三第一項に規定する所在等不明共有者をいう。)の持分の譲渡の効力が生じないときは、その裁判は、その効力を失う。


ただし、この期間は、裁判所において伸長することができる。

1項

第四十条の規定は、この章の規定による非訟事件の手続には、適用しない