一般社団法人の会計は、その行う事業に応じて、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
第四節 計算
⤏ 第一款 会計の原則
⤏ 第二款 会計帳簿
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
一般社団法人は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿 及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
総社員の議決権の十分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を有する社員は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
会計帳簿 又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
会計帳簿 又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
一般社団法人は、前項の請求があったときは、次のいずれかに該当する場合を除き、これを拒むことができない。
当該請求を行う社員(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保 又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
請求者が当該一般社団法人の業務の遂行を妨げ、又は社員の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
請求者が当該一般社団法人の業務と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事するものであるとき。
請求者が会計帳簿 又はこれに関する資料の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
請求者が、過去二年以内において、会計帳簿 又はこれに関する資料の閲覧 又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部 又は一部の提出を命ずることができる。
⤏ 第三款 計算書類等
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表 及び損益計算書をいう。以下この款において同じ。)及び事業報告 並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書は、電磁的記録をもって作成することができる。
一般社団法人は、計算書類を作成した時から十年間、当該計算書類 及びその附属明細書を保存しなければならない。
監事設置一般社団法人においては、前条第二項の計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監事の監査を受けなければならない。
前項の規定にかかわらず、会計監査人設置一般社団法人においては、次の各号に掲げるものは、法務省令で定めるところにより、当該各号に定める者の監査を受けなければならない。
前条第二項の計算書類 及びその附属明細書
監事 及び会計監査人
前条第二項の事業報告 及びその附属明細書
監事
理事会設置一般社団法人においては、第一項 又は前項の監査を受けた計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書は、理事会の承認を受けなければならない。
理事会設置一般社団法人においては、理事は、定時社員総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類 及び事業報告 並びに監査報告(同条第二項の規定の適用がある場合にあっては、会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。
次の各号に掲げる一般社団法人においては、理事は、当該各号に定める計算書類 及び事業報告を定時社員総会に提出し、又は提供しなければならない。
監事設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人 及び会計監査人設置一般社団法人を除く。)
第百二十四条第一項の監査を受けた計算書類 及び事業報告
会計監査人設置一般社団法人(理事会設置一般社団法人を除く。)
第百二十四条第二項の監査を受けた計算書類 及び事業報告
理事会設置一般社団法人
第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類 及び事業報告
前三号に掲げるもの以外の一般社団法人
第百二十三条第二項の計算書類 及び事業報告
前項の規定により提出され、又は提供された計算書類は、定時社員総会の承認を受けなければならない。
理事は、第一項の規定により提出され、又は提供された事業報告の内容を定時社員総会に報告しなければならない。
会計監査人設置一般社団法人については、第百二十四条第三項の承認を受けた計算書類が法令 及び定款に従い一般社団法人の財産 及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合には、前条第二項の規定は、適用しない。
この場合においては、理事は、当該計算書類の内容を定時社員総会に報告しなければならない。
一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後 遅滞なく、貸借対照表(大規模一般社団法人にあっては、貸借対照表 及び損益計算書)を公告しなければならない。
前項の規定にかかわらず、その公告方法が第三百三十一条第一項第一号 又は第二号に掲げる方法である一般社団法人は、前項に規定する貸借対照表の要旨を公告することで足りる。
前項の一般社団法人は、法務省令で定めるところにより、定時社員総会の終結後 遅滞なく、第一項に規定する貸借対照表の内容である情報を、定時社員総会の終結の日後五年を経過する日までの間、継続して電磁的方法により不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置く措置をとることができる。
この場合においては、前二項の規定は、適用しない。
一般社団法人は、計算書類等(各事業年度に係る計算書類 及び事業報告 並びにこれらの附属明細書(第百二十四条第一項 又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告 又は会計監査報告を含む。)をいう。以下この条において同じ。)を、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から五年間、その主たる事務所に備え置かなければならない。
一般社団法人は、計算書類等の写しを、定時社員総会の日の一週間(理事会設置一般社団法人にあっては、二週間)前の日(第五十八条第一項の場合にあっては、同項の提案があった日)から三年間、その従たる事務所に備え置かなければならない。
ただし、計算書類等が電磁的記録で作成されている場合であって、従たる事務所における次項第三号 及び第四号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。
社員 及び債権者は、一般社団法人の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
ただし、第二号 又は第四号に掲げる請求をするには、当該一般社団法人の定めた費用を支払わなければならない。
計算書類等が書面をもって作成されているときは、当該書面 又は当該書面の写しの閲覧の請求
前号の書面の謄本 又は抄本の交付の請求
計算書類等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧の請求
前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であって一般社団法人の定めたものにより提供することの請求 又はその事項を記載した書面の交付の請求
裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、計算書類 及びその附属明細書の全部 又は一部の提出を命ずることができる。