次に掲げる者が三年以下の拘禁刑 又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
刑法
第四章 刑の執行猶予
前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者
前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日 又はその執行の免除を得た日から五年以内に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者
前に拘禁刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が二年以下の拘禁刑の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。
ただし、この項本文の規定により刑の全部の執行を猶予されて、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。
前条第一項の場合においては猶予の期間中保護観察に付することができ、同条第二項の場合においては猶予の期間中保護観察に付する。
前項の規定により付せられた保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは、前条第二項ただし書 及び第二十六条の二第二号の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられなかったものとみなす。
次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。
ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十五条第一項第二号に掲げる者であるとき、又は次条第三号に該当するときは、この限りでない。
猶予の期間内に更に罪を犯して拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。
猶予の言渡し前に犯した他の罪について拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないとき。
猶予の言渡し前に他の罪について拘禁刑以上の刑に処せられたことが発覚したとき。
次に掲げる場合においては、刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず、その情状が重いとき。
前二条の規定により拘禁刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の拘禁刑(次条第二項後段 又は第二十七条の七第二項後段の規定によりその執行を猶予されているものを除く。次条第六項、第二十七条の六 及び第二十七条の七第六項において同じ。)についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。
刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
前項の規定にかかわらず、刑の全部の執行猶予の期間内に更に犯した罪(罰金以上の刑に当たるものに限る。)について公訴の提起がされているときは、同項の刑の言渡しは、当該期間が経過した日から第四項 又は第五項の規定によりこの項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しが取り消されることがなくなるまでの間(以下この項 及び次項において「効力継続期間」という。)、引き続きその効力を有するものとする。
この場合においては、当該刑については、当該効力継続期間はその全部の執行猶予の言渡しがされているものとみなす。
前項前段の規定にかかわらず、効力継続期間における次に掲げる規定の適用については、同項の刑の言渡しは、効力を失っているものとみなす。
第二十五条、第二十六条、第二十六条の二、次条第一項 及び第三項、第二十七条の四(第三号に係る部分に限る。)並びに第三十四条の二の規定
第二項前段の場合において、当該罪について拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないときは、同項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。
ただし、当該罪が同項前段の猶予の期間の経過後に犯した罪と併合罪として処断された場合において、犯情 その他の情状を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。
第二項前段の場合において、当該罪について罰金に処せられたときは、同項後段の規定による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
前二項の規定により刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の拘禁刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。
次に掲げる者が三年以下の拘禁刑の言渡しを受けた場合において、犯情の軽重 及び犯人の境遇 その他の情状を考慮して、再び犯罪をすることを防ぐために必要であり、かつ、相当であると認められるときは、一年以上五年以下の期間、その刑の一部の執行を猶予することができる。
前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者
前に拘禁刑以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日 又はその執行の免除を得た日から五年以内に拘禁刑以上の刑に処せられたことがない者
前項の規定によりその一部の執行を猶予された刑については、そのうち執行が猶予されなかった部分の期間を執行し、当該部分の期間の執行を終わった日 又はその執行を受けることがなくなった日から、その猶予の期間を起算する。
前項の規定にかかわらず、その刑のうち執行が猶予されなかった部分の期間の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった時において他に執行すべき拘禁刑があるときは、第一項の規定による猶予の期間は、その執行すべき拘禁刑の執行を終わった日 又はその執行を受けることがなくなった日から起算する。
前条第一項の場合においては、猶予の期間中保護観察に付することができる。
前項の規定により付せられた保護観察は、行政官庁の処分によって仮に解除することができる。
前項の規定により保護観察を仮に解除されたときは、第二十七条の五第二号の規定の適用については、その処分を取り消されるまでの間は、保護観察に付せられなかったものとみなす。
次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。
ただし、第三号の場合において、猶予の言渡しを受けた者が第二十七条の二第一項第三号に掲げる者であるときは、この限りでない。
次に掲げる場合においては、刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
猶予の言渡し後に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき。
第二十七条の三第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守しなかったとき。
前二条の規定により刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の拘禁刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。
刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、その拘禁刑を執行が猶予されなかった部分の期間を刑期とする拘禁刑に減軽する。
この場合においては、当該部分の期間の執行を終わった日 又はその執行を受けることがなくなった日において、刑の執行を受け終わったものとする。
前項の規定にかかわらず、刑の一部の執行猶予の言渡し後その猶予の期間を経過するまでに更に犯した罪(罰金以上の刑に当たるものに限る。)について公訴の提起がされているときは、当該期間が経過した日から第四項 又は第五項の規定によりこの項後段の規定による刑の一部の執行猶予の言渡しが取り消されることがなくなるまでの間(以下この項 及び次項において「効力継続期間」という。)、前項前段の規定による減軽は、されないものとする。
この場合においては、同項の刑については、当該効力継続期間は当該猶予された部分の刑の執行猶予の言渡しがされているものとみなす。
前項前段の規定にかかわらず、効力継続期間における次に掲げる規定の適用については、同項の刑は、第一項前段の規定による減軽がされ、同項後段に規定する日にその執行を受け終わったものとみなす。
第二十五条第一項(第二号に係る部分に限る。)、第二十七条の二第一項(第三号に係る部分に限る。)及び第三項、第二十七条の四、第二十七条の五、第三十四条の二 並びに第五十六条第一項の規定
第二項前段の場合において、当該罪について拘禁刑以上の刑に処せられたときは、同項後段の規定による刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならない。
ただし、当該罪が同項前段の猶予の期間の経過後に犯した罪と併合罪として処断された場合において、犯情 その他の情状を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでない。
第二項前段の場合において、当該罪について罰金に処せられたときは、同項後段の規定による刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
前二項の規定により刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の拘禁刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。