司法書士法

# 昭和二十五年法律第百九十七号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   司法
@ 施行日 : 令和四年九月一日 ( 2022年 9月1日 )
@ 最終更新 : 令和元年法律第七十一号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする登記、供託、訴訟 その他の法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。

1項

司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令 及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。

1項

司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。

一 号

登記 又は供託に関する手続について代理すること。

二 号

法務局 又は地方法務局に提出し、又は提供する書類 又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第四号において同じ。)を作成すること。


ただし同号に掲げる事務を除く

三 号

法務局 又は地方法務局の長に対する登記 又は供託に関する審査請求の手続について代理すること。

四 号

裁判所 若しくは検察庁に提出する書類 又は筆界特定の手続(不動産登記法平成十六年法律第百二十三号第六章第二節の規定による筆界特定の手続 又は筆界特定の申請の却下に関する審査請求の手続をいう。第八号において同じ。)において法務局 若しくは地方法務局に提出し若しくは提供する書類 若しくは電磁的記録を作成すること。

五 号

前各号の事務について相談に応ずること。

六 号

簡易裁判所における次に掲げる手続について代理すること。


ただし、上訴の提起(自ら代理人として手続に関与している事件の判決、決定 又は命令に係るものを除く)、再審 及び強制執行に関する事項(に掲げる手続を除く)については、代理することができない

民事訴訟法平成八年法律第百九号)の規定による手続(に規定する手続 及び訴えの提起前における証拠保全手続を除く)であつて、訴訟の目的の価額が裁判所法昭和二十二年法律第五十九号第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの

民事訴訟法第二百七十五条の規定による和解の手続 又は同法第七編の規定による支払督促の手続であつて、請求の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの

民事訴訟法第二編第四章第七節の規定による訴えの提起前における証拠保全手続 又は民事保全法平成元年法律第九十一号)の規定による手続であつて、本案の訴訟の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの

民事調停法昭和二十六年法律第二百二十二号)の規定による手続であつて、調停を求める事項の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの

民事執行法昭和五十四年法律第四号第二章第二節第四款第二目の規定による少額訴訟債権執行の手続であつて、請求の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないもの

七 号

民事に関する紛争(簡易裁判所における民事訴訟法の規定による訴訟手続の対象となるものに限る)であつて紛争の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は仲裁事件の手続 若しくは裁判外の和解について代理すること。

八 号

筆界特定の手続であつて対象土地(不動産登記法第百二十三条第三号に規定する対象土地をいう。)の価額として法務省令で定める方法により算定される額の合計額の二分の一に相当する額に筆界特定によつて通常得られることとなる利益の割合として法務省令で定める割合を乗じて得た額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えないものについて、相談に応じ、又は代理すること。

2項

前項第六号から 第八号までに規定する業務(以下「簡裁訴訟代理等関係業務」という。)は、次のいずれにも該当する司法書士に限り、行うことができる。

一 号

簡裁訴訟代理等関係業務について法務省令で定める法人が実施する研修であつて法務大臣が指定するものの課程を修了した者であること。

二 号

前号に規定する者の申請に基づき法務大臣が簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力を有すると認定した者であること。

三 号

司法書士会の会員であること。

3項

法務大臣は、次のいずれにも該当するものと認められる研修についてのみ前項第一号の指定をするものとする。

一 号

研修の内容が、簡裁訴訟代理等関係業務を行うのに必要な能力の習得に十分なものとして法務省令で定める基準を満たすものであること。

二 号

研修の実施に関する計画が、その適正かつ確実な実施のために適切なものであること。

三 号

研修を実施する法人が、前号の計画を適正かつ確実に遂行するに足りる専門的能力 及び経理的基礎を有するものであること。

4項

法務大臣は、第二項第一号の研修の適正かつ確実な実施を確保するために必要な限度において、当該研修を実施する法人に対し、当該研修に関して、必要な報告 若しくは資料の提出を求め、又は必要な命令をすることができる。

5項

司法書士は、第二項第二号の規定による認定を受けようとするときは、政令で定めるところにより、手数料を納めなければならない。

6項

第二項に規定する司法書士は、民事訴訟法第五十四条第一項本文(民事保全法第七条 又は民事執行法第二十条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず第一項第六号イから ハまで 又はに掲げる手続における訴訟代理人 又は代理人となることができる。

7項

第二項に規定する司法書士であつて第一項第六号イ 及びに掲げる手続において訴訟代理人になつたものは、民事訴訟法第五十五条第一項の規定にかかわらず、委任を受けた事件について、強制執行に関する訴訟行為をすることができない


ただし第二項に規定する司法書士であつて第一項第六号イに掲げる手続のうち少額訴訟の手続において訴訟代理人になつたものが同号ホに掲げる手続についてする訴訟行為については、この限りでない。

8項

司法書士は、第一項に規定する業務であつても、 その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、これを行うことができない

1項

次の各号いずれかに該当する者は、司法書士となる資格を有する。

一 号
司法書士試験に合格した者
二 号

裁判所事務官、裁判所書記官、法務事務官 若しくは検察事務官としてその職務に従事した期間が通算して十年以上になる者 又はこれと同等以上の法律に関する知識 及び実務の経験を有する者であつて、法務大臣が前条第一項第一号から 第五号までに規定する業務を行うのに必要な知識 及び能力を有すると認めたもの

1項

次に掲げる者は、司法書士となる資格を有しない

一 号

禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しない者

二 号
未成年者
三 号

破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

四 号

公務員であつて懲戒免職の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者

五 号

第四十七条の規定により業務の禁止の処分を受け、その処分の日から三年を経過しない者

六 号

懲戒処分により、公認会計士の登録を抹消され、又は土地家屋調査士、弁理士、税理士 若しくは行政書士の業務を禁止され、これらの処分の日から三年を経過しない者