商法

# 明治三十二年法律第四十八号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和二年四月一日 ( 2020年 4月1日 )
@ 最終更新 : 平成二十九年法律第四十五号による改正
最終編集日 : 2024年 05月30日 09時33分


1項

次に掲げる行為は、商行為とする。

一 号

利益を得て譲渡する意思をもってする動産、不動産 若しくは有価証券の有償取得 又はその取得したものの譲渡を目的とする行為

二 号

他人から取得する動産 又は有価証券の供給契約 及びその履行のためにする有償取得を目的とする行為

三 号

取引所においてする取引

四 号

手形 その他の商業証券に関する行為

1項

次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする。


ただし、専ら賃金を得る目的で物を製造し、又は労務に従事する者の行為は、この限りでない。

一 号

賃貸する意思をもってする動産 若しくは不動産の有償取得 若しくは賃借 又はその取得し 若しくは賃借したものの賃貸を目的とする行為

二 号

他人のためにする製造 又は加工に関する行為

三 号

電気 又はガスの供給に関する行為

四 号
運送に関する行為
五 号

作業 又は労務の請負

六 号

出版、印刷 又は撮影に関する行為

七 号

客の来集を目的とする場屋における取引

八 号

両替 その他の銀行取引

九 号

保険

十 号

寄託の引受け

十一 号

仲立ち又は取次ぎに関する行為

十二 号

商行為の代理の引受け

十三 号

信託の引受け

1項

商人がその営業のためにする行為は、商行為とする。

2項

商人の行為は、その営業のためにするものと推定する。

1項

商行為の代理人が本人のためにすることを示さないでこれをした場合であっても、その行為は、本人に対してその効力を生ずる。


ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知らなかったときは、代理人に対して履行の請求をすることを妨げない。

1項

商行為の受任者は、委任の本旨に反しない範囲内において、委任を受けていない行為をすることができる。

1項

商行為の委任による代理権は、本人の死亡によっては、消滅しない。

1項

商人である隔地者の間において承諾の期間を定めないで契約の申込みを受けた者が相当の期間内に承諾の通知を発しなかったときは、その申込みは、その効力を失う。

2項

民法第五百二十四条の規定は、前項の場合について準用する。

1項

商人が平常取引をする者からその営業の部類に属する契約の申込みを受けたときは、遅滞なく、契約の申込みに対する諾否の通知を発しなければならない。

2項

商人が前項の通知を発することを怠ったときは、その商人は、同項の契約の申込みを承諾したものとみなす。

1項

商人がその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合において、その申込みとともに受け取った物品があるときは、その申込みを拒絶したときであっても、申込者の費用をもってその物品を保管しなければならない。


ただし、その物品の価額がその費用を償うのに足りないとき、又は商人がその保管によって損害を受けるときは、この限りでない。

1項

数人の者がその一人 又は全員のために商行為となる行為によって債務を負担したときは、その債務は、各自が連帯して負担する。

2項

保証人がある場合において、債務が主たる債務者の商行為によって生じたものであるとき、又は保証が商行為であるときは、主たる債務者 及び保証人が各別の行為によって債務を負担したときであっても、その債務は、各自が連帯して負担する。

1項

商人がその営業の範囲内において他人のために行為をしたときは、相当な報酬を請求することができる。

1項

商人間において金銭の消費貸借をしたときは、貸主は、法定利息を請求することができる。

2項

商人がその営業の範囲内において他人のために金銭の立替えをしたときは、その立替えの日以後の法定利息を請求することができる。

1項

民法第三百四十九条の規定は、商行為によって生じた債権を担保するために設定した質権については、適用しない

1項

商行為によって生じた債務の履行をすべき場所がその行為の性質 又は当事者の意思表示によって定まらないときは、特定物の引渡しはその行為の時にその物が存在した場所において、その他の債務の履行は債権者の現在の営業所(営業所がない場合にあっては、その住所)において、それぞれしなければならない。

1項

金銭 その他の物 又は有価証券の給付を目的とする有価証券の所持人がその有価証券を喪失した場合において、非訟事件手続法平成二十三年法律第五十一号第百十四条に規定する公示催告の申立てをしたときは、その債務者に、その債務の目的物を供託させ、又は相当の担保を供してその有価証券の趣旨に従い履行をさせることができる。

1項

商人間においてその双方のために商行為となる行為によって生じた債権が弁済期にあるときは、債権者は、その債権の弁済を受けるまで、その債務者との間における商行為によって自己の占有に属した債務者の所有する物 又は有価証券を留置することができる。


ただし、当事者の別段の意思表示があるときは、この限りでない。