匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。
商法
第四章 匿名組合
匿名組合員の出資は、営業者の財産に属する。
匿名組合員は、金銭 その他の財産のみをその出資の目的とすることができる。
匿名組合員は、営業者の業務を執行し、又は営業者を代表することができない。
匿名組合員は、営業者の行為について、第三者に対して権利 及び義務を有しない。
匿名組合員は、自己の氏 若しくは氏名を営業者の商号中に用いること 又は自己の商号を営業者の商号として使用することを許諾したときは、その使用以後に生じた債務については、営業者と連帯してこれを弁済する責任を負う。
出資が損失によって減少したときは、その損失をてん補した後でなければ、匿名組合員は、利益の配当を請求することができない。
匿名組合員は、営業年度の終了時において、営業者の営業時間内に、次に掲げる請求をし、又は営業者の業務 及び財産の状況を検査することができる。
営業者の貸借対照表が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧 又は謄写の請求
営業者の貸借対照表が電磁的記録(電子的方式、磁気的方式 その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもので法務省令で定めるものをいう。)をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を省令で定める方法により表示したものの閲覧 又は謄写の請求
匿名組合員は、重要な事由があるときは、いつでも、裁判所の許可を得て、営業者の業務 及び財産の状況を検査することができる。
前項の許可に係る事件は、営業者の営業所の所在地(営業所がない場合にあっては、営業者の住所地)を管轄する地方裁判所が管轄する。
匿名組合契約で匿名組合の存続期間を定めなかったとき、又はある当事者の終身の間匿名組合が存続すべきことを定めたときは、各当事者は、営業年度の終了時において、契約の解除をすることができる。
ただし、六箇月前にその予告をしなければならない。
匿名組合の存続期間を定めたか否かにかかわらず、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、いつでも匿名組合契約の解除をすることができる。
前条の場合のほか、匿名組合契約は、次に掲げる事由によって終了する。
匿名組合の目的である事業の成功 又はその成功の不能
営業者の死亡 又は営業者が後見開始の審判を受けたこと。
営業者 又は匿名組合員が破産手続開始の決定を受けたこと。
匿名組合契約が終了したときは、営業者は、匿名組合員にその出資の価額を返還しなければならない。
ただし、出資が損失によって減少したときは、その残額を返還すれば足りる。