土地改良法

# 昭和二十四年法律第百九十五号 #

第一章 総則

分類 法律
カテゴリ   農業
@ 施行日 : 令和四年八月二十日 ( 2022年 8月20日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第四十四号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時24分


1項
この法律は、農用地の改良、開発、保全 及び集団化に関する事業を適正かつ円滑に実施するために必要な事項を定めて、農業生産の基盤の整備 及び開発を図り、もつて農業の生産性の向上、農業総生産の増大、農業生産の選択的拡大 及び農業構造の改善に資することを目的とする。
2項
土地改良事業の施行に当たつては、その事業は、環境との調和に配慮しつつ、国土資源の総合的な開発 及び保全に資するとともに国民経済の発展に適合するものでなければならない。
1項

この法律において「農用地」とは、耕作(農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第四十三条第一項の規定により耕作に該当するものとみなされる農作物の栽培を含む。以下同じ。)の目的 又は主として家畜の放牧の目的 若しくは養畜の業務のための採草の目的に供される土地をいう。

2項

この法律において「土地改良事業」とは、この法律により行う次に掲げる事業をいう。

一 号

農業用用排水施設、農業用道路 その他農用地の保全 又は利用上必要な施設(以下「土地改良施設」という。)の新設、管理、廃止 又は変更(あわせて一の土地改良事業として施行することを相当とするものとして政令で定める要件に適合する二以上の土地改良施設の新設 又は変更を一体とした事業 及び土地改良施設の新設 又は変更(当該二以上の土地改良施設の新設 又は変更を一体とした事業を含む。)とこれにあわせて一の土地改良事業として施行することを相当とするものとして政令で定める要件に適合する次号の区画整理、第三号の農用地の造成 その他農用地の改良 又は保全のため必要な事業とを一体とした事業を含む。

二 号

区画整理(土地の区画形質の変更の事業 及び当該事業とこれに附帯して施行することを相当とする次号の農用地の造成の工事 又は農用地の改良 若しくは保全のため必要な工事の施行とを一体とした事業をいう。

三 号

農用地の造成(農用地以外の土地の農用地への地目変換 又は農用地間における地目変換の事業(埋立て及び干拓を除く)及び当該事業とこれに附帯して施行することを相当とする土地の区画形質の変更の工事 その他農用地の改良 又は保全のため必要な工事の施行とを一体とした事業をいう。

四 号
埋立て又は干拓
五 号

農用地 若しくは土地改良施設の災害復旧(津波 又は高潮による海水の浸入のために農用地が受けた塩害の除去のため必要な事業を含む。)又は土地改良施設の突発事故被害(突発的な事故による被害をいう。以下同じ。)の復旧

六 号
農用地に関する権利 並びにその農用地の利用上必要な土地に関する権利、農業用施設に関する権利 及び水の使用に関する権利の交換分合
七 号
その他農用地の改良 又は保全のため必要な事業
1項

土地改良事業に参加する資格を有する者は、その事業の施行に係る地域内にある土地についての次の各号いずれかに該当する者とする。

一 号
農用地であつて所有権に基づき耕作 又は養畜の業務の目的に供されるものについては、その所有者
二 号

農用地であつて所有権以外の権原に基づき耕作 又は養畜の業務の目的に供されるものについては、政令で定めるところにより、農業委員会(農業委員会等に関する法律(昭和二十六年法律第八十八号)第三条第一項ただし書 又は第五項の規定により農業委員会を置かない市町村にあつては、市町村長。以下同じ。)に対しその所有者から当該土地改良事業に参加すべき旨の申出があり、かつ、その申出が相当であつて農業委員会がこれを承認した場合にあつては、その所有者、その他の場合にあつては、その農用地につき当該権原に基づき耕作 又は養畜の業務を営む者

三 号

農用地以外の土地であつて所有権に基づき使用 及び収益の目的に供されるものについては、その所有者

四 号

農用地以外の土地であつて所有権以外の権原に基づき使用 及び収益の目的に供されるものについては、その権原に基づき使用 及び収益をする者が、政令で定めるところにより、その所有者の同意を得て農業委員会に対し当該土地改良事業に参加すべき旨を申し出た場合にあつては、その者、その他の場合にあつては、その所有者

2項

前項第二号に規定する農用地につき所有権以外の権原に基づき耕作 又は養畜の業務を営む者で土地改良事業に参加する資格を有しないものが、政令で定めるところにより、当該農用地の所有者の同意を得て農業委員会に対しその資格を交替すべき旨を申し出たときは、その資格が交替するものとする。


同項第四号に規定する土地の所有者で土地改良事業に参加する資格を有しないものが、政令で定めるところにより、当該土地につき所有権以外の権原に基づき使用 及び収益をする者の同意を得て農業委員会に対しその資格を交替すべき旨を申し出たときも、同様とする。

3項

前二項の規定の適用については、賃貸人 又は貸主が、疾病 その他農林水産省令で定める事由によつて当該農用地につき自ら耕作 又は養畜の業務を営むことができないため、一時 その農用地を他人に貸し付け、その耕作 又は養畜の業務の目的に供した場合において、農業委員会が、政令で定めるところにより、その賃貸人 又は貸主が近く自ら耕作 又は養畜の業務を営むものと認め、かつ、これを相当と認めるときは、その賃貸人 又は貸主をその農用地につき権原に基づき耕作 又は養畜の業務を営む者とみなす。

4項

第一項 又は第二項の規定の適用については、農地中間管理機構(農地中間管理事業の推進に関する法律(平成二十五年法律第百一号)第二条第四項に規定する農地中間管理機構をいう。以下同じ。)がその借り受けている農用地をまだ貸し付けていないとき、又は農地中間管理機構がその借り受けている農用地を農地中間管理事業(同条第三項に規定する農地中間管理事業をいう。)の実施により一時他人に貸し付け、その耕作 若しくは養畜の業務の目的に供した場合において農業委員会が政令で定めるところによりその旨の認定をしたときは、その農地中間管理機構をその農用地につき権原に基づき耕作 又は養畜の業務を営む者とみなす。

5項

第一項の規定の適用については、第九十四条の八第七項第九十四条の八の二第六項において準用する場合を含む。)の規定により土地を使用する者は、その土地が農用地である場合にあつては、その農用地につき所有権に基づき耕作 又は養畜の業務を営む者とみなし、その土地が農用地以外の土地である場合にあつては、その土地の所有者とみなす。

6項

第五十条第一項の道路等の用に供している土地の所有者としての国 若しくは地方公共団体 又は前項に規定する土地の所有者としての国には、第一項の規定を適用しない

7項

換地計画において換地を定めない従前の土地 若しくは換地計画において第七条第四項の非農用地区域内に換地を定めた従前の土地 若しくは その換地の所有者 若しくは これらの土地につき所有権以外の権原に基づき使用 及び収益をする者、第五十三条の二第一項 若しくは第五十三条の二の三第一項これらの規定を第八十九条の二第三項 及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。以下 この項において同じ。)の規定により指定された土地(第五十三条の二の三第一項の規定により指定された土地にあつては、換地を定めない土地として指定されたものに限る)の所有者 若しくは当該土地につき所有権以外の権原に基づき使用 及び収益をする者 又は第五十四条の二第五項第八十九条の二第十項 及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)の規定により土地を取得した者(第五十三条の三の二第一項第一号第八十九条の二第三項 及び第九十六条の四第一項において準用する場合を含む。)に掲げる土地を取得した者を除く)には、これらの者としては、第一項の規定を適用しない

8項

第五条第六項 又は第七項これらの規定を第四十八条第九項第八十五条第五項第八十五条の二第五項第八十五条の三第四項 及び第十項第八十七条の二第十項第八十七条の三第七項第八十八条第六項 及び第十八項第九十六条の二第七項 並びに第九十六条の三第五項において準用する場合を含む。)の承認 又は同意に係る土地(承認に係る土地にあつては、農用地 及び第五十条第一項の道路等の用に供されている土地 並びにこれらの土地以外の土地で、その承認に際し、その承認をした行政庁 又は地方公共団体が農用地として利用する旨を農業委員会に申し出たものを除き、同意に係る土地にあつては、その同意に際し、その同意をした第一項第三号 又は第四号に該当する者が、(当該土地につき第五条第七項に掲げる権利を有する者が他に存するときは、その者の同意を得て、)農用地として利用する旨を農業委員会に申し出た土地を除く。以下「特定用途用地」という。)についての第一項第三号 又は第四号に該当する者には、当該特定用途用地 又は当該特定用途用地を従前の土地とする換地についての同項第三号 又は第四号に該当する者としては、同項の規定を適用しない

1項

この法律の規定の適用については、公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)により埋立ての免許を受けた者は、土地の所有者とみなす。