外国為替及び外国貿易法

# 昭和二十四年法律第二百二十八号 #

第一章 総則

分類 法律
@ 施行日 : 令和六年四月一日 ( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第九十七号による改正
最終編集日 : 2024年 11月23日 19時25分


1項

この法律は、外国為替、外国貿易 その他の対外取引が自由に行われることを基本とし、対外取引に対し必要最小限の管理 又は調整を行うことにより、対外取引の正常な発展 並びに我が国 又は国際社会の平和 及び安全の維持を期し、もつて国際収支の均衡 及び通貨の安定を図るとともに我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

1項

この法律は、本邦内に主たる事務所を有する法人の代表者、代理人、使用人 その他の従業者が、外国においてその法人の財産 又は業務についてした行為にも適用する。


本邦内に住所を有る人 又はその代理人、使用人 その他の従業者が、外国においてその人の財産 又は業務についてした行為についても、同様とする。

1項

この法律 又はこの法律に基づく命令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 号

本邦」とは、本州、北海道、四国、九州 及び財務省令・経済産業省令で定めるその附属の島をいう。

二 号

外国」とは、本邦以外の地域をいう。

三 号

本邦通貨」とは、日本円を単位とする通貨をいう。

四 号

外国通貨」とは、本邦通貨以外の通貨をいう。

五 号

居住者」とは、本邦内に住所 又は居所を有する自然人 及び本邦内に主たる事務所を有する法人をいう。


非居住者の本邦内の支店、出張所 その他の事務所は、法律上代理権があると否とにかかわらず、その主たる事務所が外国にある場合においても居住者とみなす。

六 号

非居住者」とは、居住者以外の自然人 及び法人をいう。

七 号

支払手段」とは、次に掲げるものをいう。

銀行券、政府紙幣 及び硬貨

小切手(旅行小切手を含む。)、為替手形、郵便為替 及び信用状

証票、電子機器 その他の物(第十九条第一項において「証票等」という。)に電磁的方法(電子的方法、磁気的方法 その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。)により入力されている財産的価値であつて、不特定 又は多数の者相互間での支払のために使用することができるもの(その使用の状況が通貨のそれと近似しているものとして政令で定めるものに限る

又はに掲げるものに準ずるものとして政令で定めるもの

八 号

対外支払手段」とは、外国通貨 その他通貨の単位のいかんにかかわらず、外国通貨をもつて表示され、又は外国において支払のために使用することのできる支払手段(本邦通貨を除く)をいう。

九 号

電子決済手段等」とは、次に掲げるものをいう。

電子決済手段(資金決済に関する法律平成二十一年法律第五十九号第二条第五項に規定する電子決済手段をいう。第十六条の二の表の一の項の下欄、第十七条の四第二項 及び第十八条の六第二項において同じ。

暗号資産(資金決済に関する法律第二条第十四項に規定する暗号資産をいう。第十六条の二の表の五の項の下欄において同じ。

十 号

貴金属」とは、金の地金、金の合金の地金、流通していない金貨 その他金を主たる材料とする物をいう。

十一 号

証券」とは、券面が発行されていると否とを問わず、公債、社債、株式、出資の持分、公債 又は株式に関する権利を与える証書、債券、国庫証券、抵当証券、利潤証券、利札、配当金受領証、利札引換券 その他これらに類する証券 又は証書として政令で定めるものをいう。

十二 号

外貨証券」とは、外国において支払を受けることができる証券 又は外国通貨をもつて表示される証券をいう。

十三 号

債権」とは、定期預金、当座預金、特別当座預金、通知預金、保険証券 及び当座勘定残高 並びに貸借、入札 その他により生ずる金銭債権で前各号に掲げられていないものをいう。

十四 号

金融指標等先物契約」とは、金融商品取引法昭和二十三年法律第二十五号)第二条第二十一項に規定する市場デリバティブ取引(政令で定めるものを除く。以下 この号において同じ。)、同条第二十二項に規定する店頭デリバティブ取引(政令で定めるものを除く)及び同条第八項第三号ロに規定する外国金融商品市場において行われる同条第二十一項に規定する市場デリバティブ取引に類する取引 その他これらに類する取引として政令で定める取引に係る契約をいう。

十五 号

貨物」とは、貴金属、支払手段 及び証券 その他債権を化体する証書以外の動産をいう。

十六 号

財産」とは、第七号第九号から第十一号まで第十三号 及び前号に規定するものを含む財産をいう。

2項
居住者 又は非居住者の区別が明白でない場合については、財務大臣の定めるところによる。
1項
財務大臣は、本邦通貨の基準外国為替相場 及び外国通貨の本邦通貨に対する裁定外国為替相場を定め、これを告示するものとする。
2項

財務大臣は、前項の規定により本邦通貨の基準外国為替相場を定めようとするときは、内閣の承認を得なければならない。

3項
財務大臣は、対外支払手段の売買等所要の措置を講ずることにより、本邦通貨の外国為替相場の安定に努めるものとする。
1項

この法律の適用を受ける取引 又は行為に係る通貨による支払等(支払 又は支払の受領をいう。以下同じ。)は、財務大臣の指定する通貨により行わなければならない。

1項

主務大臣は、国際経済の事情に急激な変化があつた場合において、緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、政令で定める期間内において、この法律の適用を受ける取引、行為 又は支払等の停止を命ずることができる。

2項

前項の規定により命ずる停止は、その停止の時までにこの法律により認められている支払を不可能とするものではなく、その停止による支払の遅延は、政令で定める期間内に限られるものとする。