大気汚染防止法
第五章 雑則
前項の規定による環境大臣による報告の徴収 又はその職員による立入検査は、大気の汚染により人の健康 又は生活環境に係る被害が生ずることを防止するため緊急の必要があると認められる場合に行うものとする。
第一項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。
第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第二条第一項第十八号に規定する電気工作物、ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第二条第十三項に規定するガス工作物 又は鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)第十三条第一項の経済産業省令で定める施設であるばい煙発生施設、特定施設、揮発性有機化合物排出施設、一般粉じん発生施設、特定粉じん発生施設 又は水銀排出施設(以下「ばい煙発生施設等」という。)において発生し、又は飛散するばい煙、特定物質、揮発性有機化合物、一般粉じん、特定粉じん 又は水銀等(以下「ばい煙等」という。)を排出し、又は飛散させる者については、第六条から第十条まで(同条第二項にあつては、第十七条の十三第一項、第十八条の十三第一項 及び第十八条の三十六第一項において準用する場合を含む。)、第十一条 及び第十二条(これらの規定を第十七条の十三第二項、第十八条の十三第二項 及び第十八条の三十六第二項において準用する場合を含む。)、第十七条第二項 及び第三項、第十七条の五から第十七条の九まで、第十八条、第十八条の二、第十八条の六から第十八条の九まで 並びに第十八条の二十八から第十八条の三十二までの規定を適用せず、電気事業法、ガス事業法 又は鉱山保安法の相当規定の定めるところによる。
前項に規定する法律に基づく権限を有する国の行政機関の長(以下この条において単に「行政機関の長」という。)は、第六条、第八条、第十一条 若しくは第十二条第三項(これらの規定を第十七条の十三第二項、第十八条の十三第二項 及び第十八条の三十六第二項において準用する場合を含む。)、第十七条の五、第十七条の七、第十八条、第十八条の六、第十八条の二十八 又は第十八条の三十の規定に相当する電気事業法、ガス事業法 又は鉱山保安法の規定による前項に規定するばい煙発生施設等に係る許可 若しくは認可の申請 又は届出があつたときは、その許可 若しくは認可の申請 又は届出に係る事項のうちこれらの規定による届出事項に該当する事項を当該ばい煙発生施設等の所在地を管轄する都道府県知事に通知するものとする。
都道府県知事は、第一項に規定するばい煙発生施設等において発生し、又は飛散するばい煙等に起因する大気の汚染により人の健康 又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあると認めるときは、行政機関の長に対し、第九条、第九条の二、第十七条の八、第十八条の八 又は第十八条の三十一の規定に相当する電気事業法、ガス事業法 又は鉱山保安法の規定による措置を執るべきことを要請することができる。
行政機関の長は、前項の規定による要請があつた場合において講じた措置を当該都道府県知事に通知するものとする。
都道府県知事は、第一項に規定するばい煙発生施設等について、第十四条第一項 若しくは第三項、第十七条の十一、第十八条の四 若しくは第十八条の十一の規定による命令 又は第十八条の三十四第一項の規定による勧告 若しくは同条第二項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、行政機関の長に協議しなければならない。
環境大臣は、大気の汚染により人の健康に係る被害が生ずることを防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事 又は第三十一条第一項の政令で定める市(特別区を含む。)の長に対し、次に掲げる事務に関し必要な指示をすることができる。
第九条、第九条の二、第十四条第一項 及び第三項、第十五条第二項、第十五条の二第二項、第十七条第三項、第十七条の八、第十七条の十一、第十八条の四、第十八条の八、第十八条の十一、第十八条の十八、第十八条の二十一、第十八条の三十一、第十八条の三十四第二項 並びに第二十三条第二項の規定による命令に関する事務
第十五条第一項、第十五条の二第一項 及び第十八条の三十四第一項の規定による勧告に関する事務
第二十一条第一項、第二十三条第二項 及び第二十七条第三項の規定による要請に関する事務
第二十一条第三項の規定による意見を述べることに関する事務
第二十三条第一項の規定による周知 及び協力を求めることに関する事務
前条第二項の規定による協力を求め、又は意見を述べることに関する事務
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定 又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
この法律の規定により都道府県知事の権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、政令で定める市(特別区を含む。以下同じ。)の長が行うこととすることができる。
前項の政令で定める市の長は、この法律の施行に必要な事項で環境省令で定めるものを都道府県知事に通知しなければならない。
この法律の規定により都道府県が処理することとされている事務のうち、第五条の二第一項の規定により処理することとされているもの(指定ばい煙総量削減計画の作成に係るものを除く。)並びに同条第二項 及び第三項、第十五条第三項、第十五条の二第三項 及び第四項 並びに第二十二条第一項 及び第二項の規定により処理することとされているものは、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。
この法律の規定は、地方公共団体が、ばい煙発生施設について、そのばい煙発生施設において発生するばい煙以外の物質の大気中への排出に関し、ばい煙発生施設以外のばい煙を発生し、及び排出する施設について、その施設において発生するばい煙の大気中への排出に関し、揮発性有機化合物排出施設について、その揮発性有機化合物排出施設に係る揮発性有機化合物以外の物質の大気中への排出に関し、揮発性有機化合物排出施設以外の揮発性有機化合物を排出する施設について、その施設に係る揮発性有機化合物の大気中への排出に関し、一般粉じん発生施設以外の一般粉じんを発生し、及び排出し、又は飛散させる施設について、その施設において発生し、又は飛散する一般粉じんの大気中への排出 又は飛散に関し、特定粉じん発生施設について、その特定粉じん発生施設において発生し、又は飛散する特定粉じん以外の物質の大気中への排出 又は飛散に関し、特定粉じん発生施設以外の特定粉じんを発生し、及び排出し、又は飛散させる施設について、その施設において発生し、又は飛散する特定粉じんの大気中への排出 又は飛散に関し、特定粉じん排出等作業について、その作業に伴い発生し、又は飛散する特定粉じん以外の物質の大気中への排出 又は飛散に関し、特定粉じん排出等作業以外の建築物等を解体し、改造し、又は補修する作業について、その作業に伴い発生し、又は飛散する特定粉じんの大気中への排出 又は飛散に関し、水銀排出施設について、その水銀排出施設に係る水銀等以外の物質の大気中への排出に関し、並びに水銀排出施設以外の水銀等を大気中に排出する施設について、その施設に係る水銀等の大気中への排出に関し、条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。