民事訴訟法

# 平成八年法律第百九号 #
略称 : 民訴法 

第八章 当事者に対する住所、氏名等の秘匿

分類 法律
カテゴリ   民事
@ 施行日 : 令和八年六月二十四日 ( 2026年 6月24日 )
@ 最終更新 : 令和八年法律第四十六号
最終編集日 : 2026年 07月23日 00時05分


1項

申立て等をする者 又はその法定代理人の住所、居所 その他その通常所在する場所(以下 この項 及び次項において「住所等」という。)の全部 又は一部が当事者に知られることによって当該申立て等をする者 又は当該法定代理人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることにつき疎明があった場合には、裁判所は、申立てにより、決定で、住所等の全部 又は一部を秘匿する旨の裁判をすることができる。


申立て等をする者 又はその法定代理人の氏名 その他当該者を特定するに足りる事項(次項において「氏名等」という。)についても、同様とする。

2項

前項の申立てをするときは、同項の申立て等をする者 又はその法定代理人(以下この章 において「秘匿対象者」という。)の住所等 又は氏名等(次条第二項において「秘匿事項」という。) その他最高裁判所規則で定める事項を書面 その他最高裁判所規則で定める方法により届け出なければならない。

3項

第一項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、当該申立てに係る秘匿対象者以外の者は、訴訟記録等(訴訟記録 又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録をいう。以下この章において同じ。)中前項の規定による届出に係る部分(次条において「秘匿事項届出部分」という。)について訴訟記録等の閲覧等(訴訟記録の閲覧等、非電磁的証拠収集処分記録の閲覧等 又は電磁的証拠収集処分記録の閲覧等をいう。以下この章において同じ。)の請求をすることができない。

4項

第一項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項

裁判所は、秘匿対象者の住所 又は氏名について第一項の決定(以下この章 において「秘匿決定」という。)をする場合には、当該秘匿決定において、当該秘匿対象者の住所 又は氏名に代わる事項を定めなければならない。


この場合において、その事項を当該事件 並びにその事件についての反訴、参加、強制執行、仮差押え 及び仮処分に関する手続において記載し、又は記録したときは、この法律 その他の法令の規定の適用については、当該秘匿対象者の住所 又は氏名を記載し、又は記録したものとみなす。

1項
秘匿決定があった場合には、秘匿事項届出部分に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限る。
2項

前項の場合において、裁判所は、申立てにより、決定で、訴訟記録等中秘匿事項届出部分以外のものであって秘匿事項 又は秘匿事項を推知することができる事項が記載され、又は記録された部分(以下この条において「秘匿事項記載部分」という。)に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができる者を当該秘匿決定に係る秘匿対象者に限ることができる。

3項

前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、当該秘匿決定に係る秘匿対象者以外の者は、当該秘匿事項記載部分に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができない。

4項

第二項の申立てを却下した裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5項

裁判所は、第二項の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、電磁的訴訟記録等(電磁的訴訟記録 又は第百三十二条の四第一項の処分の申立てに係る事件の記録中ファイル記録事項に係る部分をいう。以下この項 及び次項において同じ。)中当該秘匿事項記載部分につき、その内容を書面に出力し、又はこれを他の記録媒体に記録するとともに、当該部分を電磁的訴訟記録等から消去する措置 その他の当該秘匿事項記載部分の安全管理のために必要かつ適切なものとして最高裁判所規則で定める措置を講ずることができる。

6項

前項の規定による電磁的訴訟記録等から消去する措置が講じられた場合において、その後に第二項の申立てを却下する裁判が確定したとき、又は当該申立てに係る決定を取り消す裁判が確定したときは、裁判所書記官は、当該秘匿事項記載部分をファイルに記録しなければならない。

1項

裁判所は、当事者 又はその法定代理人に対して送達をするため、その者の住所、居所 その他送達をすべき場所についての調査を嘱託した場合において、当該嘱託に係る調査結果の報告が記載され、又は記録された書面 又は電磁的記録が閲覧されることにより、当事者 又はその法定代理人が社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがあることが明らかであると認めるときは、決定で、当該書面 又は電磁的記録 及びこれに基づいてされた送達に関する第百条の書面 又は電磁的記録 その他これに類する書面 又は電磁的記録に係る訴訟記録等の閲覧等の請求をすることができる者を当該当事者 又は当該法定代理人に限ることができる。


当事者 又はその法定代理人を特定するため、その者の氏名 その他当該者を特定するに足りる事項についての調査を嘱託した場合についても、同様とする。

2項

前条第五項 及び第六項の規定は、前項の規定による決定があった場合について準用する。

1項

秘匿決定、第百三十三条の二第二項の決定 又は前条第一項の決定(次項 及び第七項において「秘匿決定等」という。)に係る者以外の者は、訴訟記録等の存する裁判所に対し、その要件を欠くこと 又はこれを欠くに至ったことを理由として、その決定の取消しの申立てをすることができる。

2項

秘匿決定等に係る者以外の当事者は、秘匿決定等がある場合であっても、自己の攻撃 又は防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは、訴訟記録等の存する裁判所の許可を得て、第百三十三条の二第一項 若しくは第二項 又は前条第一項の規定により訴訟記録等の閲覧等の請求が制限される部分につきその請求をすることができる。

3項

裁判所は、前項の規定による許可の申立てがあった場合において、その原因となる事実につき疎明があったときは、これを許可しなければならない。

4項

裁判所は、第一項の取消し 又は第二項の許可の裁判をするときは、次の各号に掲げる区分に従い、それぞれ当該各号に定める者の意見を聴かなければならない。

一 号

秘匿決定 又は第百三十三条の二第二項の決定に係る裁判をするとき

当該決定に係る秘匿対象者

二 号

前条の決定に係る裁判をするとき

当該決定に係る当事者 又は法定代理人

5項

第一項の取消しの申立てについての裁判 及び第二項の許可の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

6項

第一項の取消し及び第二項の許可の裁判は、確定しなければその効力を生じない。

7項

第二項の許可の裁判があったときは、その許可の申立てに係る当事者 又はその法定代理人、訴訟代理人 若しくは補佐人は、正当な理由なく、その許可により得られた情報を、当該手続の追行の目的以外の目的のために利用し、又は秘匿決定等に係る者以外の者に開示してはならない。