家庭裁判所は、次条から第八百十七条の七までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という。)を成立させることができる。
民法
第五款 特別養子
前項に規定する請求をするには、第七百九十四条 又は第七百九十八条の許可を得ることを要しない。
養親となる者は、配偶者のある者でなければならない。
夫婦の一方は、他の一方が養親とならないときは、養親となることができない。
ただし、夫婦の一方が他の一方の嫡出である子(特別養子縁組以外の縁組による養子を除く。)の養親となる場合は、この限りでない。
二十五歳に達しない者は、養親となることができない。
ただし、養親となる夫婦の一方が二十五歳に達していない場合においても、その者が二十歳に達しているときは、この限りでない。
第八百十七条の二に規定する請求の時に十五歳に達している者は、養子となることができない。
特別養子縁組が成立するまでに十八歳に達した者についても、同様とする。
前項前段の規定は、養子となる者が十五歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されている場合において、十五歳に達するまでに第八百十七条の二に規定する請求がされなかったことについてやむを得ない事由があるときは、適用しない。
養子となる者が十五歳に達している場合においては、特別養子縁組の成立には、その者の同意がなければならない。
特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。
ただし、父母がその意思を表示することができない場合 又は父母による虐待、悪意の遺棄 その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は、この限りでない。
特別養子縁組は、父母による養子となる者の監護が著しく困難 又は不適当であること その他特別の事情がある場合において、子の利益のため特に必要があると認めるときに、これを成立させるものとする。
特別養子縁組を成立させるには、養親となる者が養子となる者を六箇月以上の期間監護した状況を考慮しなければならない。
前項の期間は、第八百十七条の二に規定する請求の時から起算する。
ただし、その請求前の監護の状況が明らかであるときは、この限りでない。
養子と実方の父母 及びその血族との親族関係は、特別養子縁組によって終了する。
ただし、第八百十七条の三第二項ただし書に規定する他の一方 及びその血族との親族関係については、この限りでない。
次の各号のいずれにも該当する場合において、養子の利益のため特に必要があると認めるときは、家庭裁判所は、養子、実父母 又は検察官の請求により、特別養子縁組の当事者を離縁させることができる。
養親による虐待、悪意の遺棄 その他養子の利益を著しく害する事由があること。
離縁は、前項の規定による場合のほか、これをすることができない。
養子と実父母 及びその血族との間においては、離縁の日から、特別養子縁組によって終了した親族関係と同一の親族関係を生ずる。