沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法

# 平成七年法律第百二号 #
略称 : 跡地利用特措法 

第三章 地方公共団体等による駐留軍用地等内の土地の取得の円滑化のための措置

分類 法律
カテゴリ   国土開発
@ 施行日 : 令和四年四月一日 ( 2022年 4月1日 )
@ 最終更新 : 令和四年法律第七号による改正
最終編集日 : 2024年 05月12日 22時15分


第一節 駐留軍用地内の土地の取得の円滑化のための措置

1項

内閣総理大臣は、日米安全保障協議委員会 又は合同委員会において返還が合意された駐留軍用地であって、返還後の計画的な開発整備を行うことが必要と認められ、かつ、その区域内における公有地(沖縄県 及び関係市町村の所有する土地をいう。以下この項 及び第十八条の二第一項において同じ。)及び土地開発公社(公有地の拡大の推進に関する法律昭和四十七年法律第六十六号第十条の規定による土地開発公社をいう。第十四条第二項第一号において同じ。)の所有する公有地となるべき土地の割合が著しく低いことからその跡地の利用の推進に必要な公共用地を確保するためその区域内における公有地の計画的な拡大が必要と認められるもの(その面積が政令で定める規模以上であること その他政令で定める要件に該当するものに限る)を特定駐留軍用地として指定するものとする。

2項
内閣総理大臣は、特定駐留軍用地を指定しようとするときは、関係行政機関の長に協議するとともに、沖縄県知事の意見を聴かなければならない。
3項

沖縄県知事は、前項の意見を述べようとするときは、関係市町村の長の意見を聴かなければならない。

4項

内閣総理大臣は、特定駐留軍用地を指定したときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。

5項
内閣総理大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、遅滞なく、その指定した特定駐留軍用地の区域を変更するものとする。
6項
内閣総理大臣は、特定駐留軍用地の全部 又は一部の区域がアメリカ合衆国から返還された場合には、直ちに、その指定を解除し、又はその区域を変更するものとする。
7項

第二項から第四項までの規定は、第五項の規定による特定駐留軍用地の区域の変更について準用する。

1項

沖縄県知事 又は関係市町村の長は、沖縄県知事にあっては関係市町村の長に、関係市町村の長にあっては沖縄県知事に協議して、特定駐留軍用地について、都市計画法昭和四十三年法律第百号第十一条第一項各号に掲げる施設 又は土地収用法第三条各号に掲げるものに関する事業であって、当該特定駐留軍用地の返還後の跡地においてその実施を予定し、かつ、その実施に必要な当該特定駐留軍用地内の土地の先行取得を早期に行うことがその跡地の有効かつ適切な利用の推進に資するもの(以下「特定事業」という。)の見通し(以下単に「特定事業の見通し」という。)を定めることができる。

2項
特定事業の見通しにおいては、当該特定事業の種類 及び当該特定事業の用に供する土地の面積を示すものとする。
3項
特定事業の見通しは、当該特定駐留軍用地について総合整備計画が定められている場合には、当該総合整備計画との調和が保たれたものでなければならない。
4項
沖縄県知事 又は関係市町村の長は、特定事業の見通しを定めたときは、これを公表するものとする。
1項

特定駐留軍用地(特定事業の見通しが定められていないものを除く次条第一項において同じ。)内の土地を所有する者は、当該土地を有償で譲り渡そうとするときは、当該土地の所在 及び面積、当該土地の譲渡予定価額、当該土地を譲り渡そうとする相手方 その他内閣府令で定める事項を、内閣府令で定めるところにより、当該土地が所在する関係市町村の長に届け出なければならない。

2項

前項の規定は、同項に規定する土地が次の各号いずれかに該当する場合において、当該土地を有償で譲り渡そうとする者については、適用しない

一 号

国 若しくは地方公共団体等(沖縄県、関係市町村 及び沖縄県 又は関係市町村が単独で、又は共同して設立した土地開発公社をいう。以下この章において同じ。)に譲り渡されるものであるとき、又はこれらの者が譲り渡すものであるとき。

二 号

文化財保護法昭和二十五年法律第二百十四号第四十六条同法第八十三条において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けるものであるとき。

三 号

前項の規定による届出に係るものであって、第十七条に規定する期間の経過した日の翌日から起算して一年を経過する日までの間において当該届出をした者により有償で譲り渡されるものであるとき。

四 号

国土利用計画法昭和四十九年法律第九十二号第十二条第一項の規定により指定された規制区域に含まれるものであるとき。

五 号

国土利用計画法第二十七条の四第一項 又は第二十七条の七第一項に規定する土地売買等の契約を締結する場合に同法第二十七条の四第一項同法第二十七条の七第一項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による届出を要するものであるとき。

六 号
その面積が政令で定める規模未満のものであるとき。
3項

国土利用計画法第二十七条の四第一項の規定による届出は、第十六条第十七条同法第二十七条の五第一項 若しくは第二十七条の八第一項の規定による勧告 又は同法第二十七条の五第三項同法第二十七条の八第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定による通知を受けないで土地を有償で譲り渡す場合を除く)、第十八条 及び第三十三条第三号同法第二十七条の五第一項 若しくは第二十七条の八第一項の規定による勧告 又は同法第二十七条の五第三項の規定による通知を受けないで土地を有償で譲り渡した者を除く)の規定の適用については、第一項の規定による届出とみなす。

4項

公有地の拡大の推進に関する法律第四条第一項 及び第三項の規定は、第一項に規定する土地を有償で譲り渡そうとする者については、適用しない

1項

特定駐留軍用地内の土地(その面積が政令で定める規模以上のものに限る)を所有する者は、当該土地の地方公共団体等による買取りを希望するときは、内閣府令で定めるところにより、当該土地が所在する関係市町村の長に対し、その旨を申し出ることができる。

2項

前項の規定による申出があった場合においては、前条第一項の規定は、当該申出に係る同項に規定する土地につき、第十七条に規定する期間の経過した日の翌日から起算して一年を経過する日までの間、当該申出をした者については、適用しない

3項

公有地の拡大の推進に関する法律第五条第一項の規定は、第一項に規定する土地の地方公共団体等による買取りを希望する者については、適用しない

1項

関係市町村の長は、第十四条第一項の規定による届出 又は前条第一項の規定による申出(以下この条 及び次条において「届出等」という。)があった場合においては、沖縄県知事に協議して、特定事業の見通しに定められた特定事業の用に供するため当該届出等に係る土地を買い取ることを希望する地方公共団体等のうちから、当該土地の買取りの協議を行う地方公共団体等を定めるものとする。


ただし、沖縄県知事が当該届出等に係る特定駐留軍用地について特定事業の見通しを定めていないときは、沖縄県知事に協議することを要しない。

2項

関係市町村の長は、前項の規定により定められた地方公共団体等が当該土地の買取りの協議を行う旨を、その買取りの目的となる特定事業を示して、当該届出等をした者に通知するものとする。

3項

前項の規定による通知は、届出等のあった日から起算して三週間以内に、これを行うものとする。

4項

関係市町村の長は、第一項の場合において、当該届出等に係る土地の買取りを希望する地方公共団体等がないときは、当該届出等をした者に対し、直ちにその旨を通知しなければならない。

5項

第二項の規定による通知を受けた者は、正当な理由がなければ、当該通知に係る土地の買取りの協議を行うことを拒んではならない。

6項

第二項の規定による通知については、行政手続法平成五年法律第八十八号第三章の規定は、適用しない

1項

第十四条第一項 又は第十五条第一項に規定する土地に係る届出等をした者は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日 又は時までの間、当該届出等に係る土地を当該地方公共団体等以外の者に譲り渡してはならない。

一 号

前条第二項の規定による通知があった場合

当該通知があった日から起算して三週間を経過する日(その期間内に土地の買取りの協議が成立しないことが明らかになったときは、その時

二 号

前条第四項の規定による通知があった場合

当該通知があった時

三 号

前条第三項に規定する期間内に同条第二項 又は第四項の規定による通知がなかった場合

当該届出等をした日から起算して三週間を経過する日

1項

第十六条第一項の規定による手続により買い取られた土地は、同条第二項の規定により買取りの目的として示された特定事業の用に供されなければならない。

2項

第十六条第一項の規定による手続により買い取られ、かつ、アメリカ合衆国からその返還を受けた日の翌日から起算して三年を経過した土地であって、総合整備計画の策定 又は変更、当該特定事業の変更 又は廃止 その他の事由によって、将来にわたり同条第二項の規定により買取りの目的として示された特定事業の用に供される見込みがないと認められるものにあっては、駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に資するものとして政令で定める公共の用に供する施設に関する事業の用に供されなければならない。

第二節 駐留軍用地跡地内の土地の取得の円滑化のための措置

1項
内閣総理大臣は、沖縄県知事の申出に基づき、アメリカ合衆国から返還されることにより特定駐留軍用地でなくなると見込まれる土地であって、その跡地の利用の推進に必要な公共用地を確保するためその区域内における公有地の計画的な拡大が引き続き必要と認められるものを特定駐留軍用地跡地として指定するものとする。
2項

沖縄県知事は、前項の申出をしようとするときは、関係市町村の長の意見を聴かなければならない。

3項

内閣総理大臣は、特定駐留軍用地跡地を指定したときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。

4項
特定駐留軍用地跡地の指定は、当該指定を受けた土地が特定駐留軍用地でなくなった時から、その効力を生ずる。
5項
内閣総理大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、沖縄県知事の申出に基づき、遅滞なく、特定駐留軍用地跡地の指定を解除し、又はその区域を縮小するものとする。
6項
内閣総理大臣は、特定駐留軍用地跡地内の全ての土地が当該土地の所有者等に引き渡された場合には、直ちに、その指定を解除するものとする。
7項

内閣総理大臣は、一の特定駐留軍用地が段階的にアメリカ合衆国から返還される場合には、前項の規定にかかわらず、当該一の特定駐留軍用地の全部の区域が返還されるまでの間(返還された区域に係る土地が段階的に特定駐留軍用地跡地の指定を受けた場合にあっては、当該指定を受けた全ての特定駐留軍用地跡地内の全ての土地が当該土地の所有者等に引き渡される時 又は当該一の特定駐留軍用地の全部の区域が返還される時のいずれか遅い時までの間)は、特定駐留軍用地跡地の指定の解除をしないことができる。

8項

第二項 及び第三項の規定は第五項の規定による特定駐留軍用地跡地の指定の解除 及びその区域の縮小について、第三項の規定は第六項の規定による特定駐留軍用地跡地の指定の解除について、それぞれ準用する。


この場合において、

第二項
前項」とあるのは、
第五項」と

読み替えるものとする。

1項

第十三条から第十八条までの規定は、特定駐留軍用地跡地について準用する。


この場合において、

第十三条第一項
当該特定駐留軍用地の返還後の跡地」とあるのは
「当該特定駐留軍用地跡地の指定を受けた土地」と、

第十八条第二項
かつ、」とあるのは「かつ、特定駐留軍用地跡地でなくなった土地(」と、「土地」とあるのは
ものに限る)」と

読み替えるものとする。

2項

特定駐留軍用地跡地の指定を受けた土地について第十三条第一項の規定により定められた特定事業の見通しは、前項において準用する同条第一項の規定により定められた特定事業の見通しとみなす。

3項

特定駐留軍用地跡地の指定を受けた土地について第十四条第一項の規定によりされた届出は、第一項において準用する同条第一項の規定によりされた届出とみなす。

4項

特定駐留軍用地跡地の指定を受けた土地について第十五条第一項の規定によりされた申出は、第一項において準用する同条第一項の規定によりされた申出とみなす。

5項

特定駐留軍用地跡地の指定を受けた土地について第十六条の規定によりされた通知 その他の行為は、第一項において準用する同条の規定によりされた通知 その他の行為とみなす。