この法律は、消費者と事業者との間の情報の質 及び量 並びに交渉力の格差に鑑み、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合等について契約の申込み 又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項 その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部 又は一部を無効とするほか、消費者の被害の発生 又は拡大を防止するため適格消費者団体が事業者等に対し差止請求をすることができることとすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
消費者契約法
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平成十二年法律第六十一号
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第一章 総則
@ 施行日 : 令和六年四月一日
( 2024年 4月1日 )
@ 最終更新 :
令和五年法律第六十三号による改正
最終編集日 :
2024年 05月12日 11時17分
この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。
この法律(第四十三条第二項第二号を除く。)において「事業者」とは、法人 その他の団体 及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。
この法律において「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいう。
この法律において「適格消費者団体」とは、不特定かつ多数の消費者の利益のためにこの法律の規定による差止請求権を行使するのに必要な適格性を有する法人である消費者団体(消費者基本法(昭和四十三年法律第七十八号)第八条の消費者団体をいう。以下同じ。)として第十三条の定めるところにより内閣総理大臣の認定を受けた者をいう。
事業者は、次に掲げる措置を講ずるよう努めなければならない。
一
号
二
号
四
号
消費者契約の条項を定めるに当たっては、消費者の権利義務 その他の消費者契約の内容が、その解釈について疑義が生じない明確なもので、かつ、消費者にとって平易なものになるよう配慮すること。
消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者の理解を深めるために、物品、権利、役務 その他の消費者契約の目的となるものの性質に応じ、事業者が知ることができた個々の消費者の年齢、心身の状態、知識 及び経験を総合的に考慮した上で、消費者の権利義務 その他の消費者契約の内容についての必要な情報を提供すること。
三
号
民法(明治二十九年法律第八十九号)第五百四十八条の二第一項に規定する定型取引合意に該当する消費者契約の締結について勧誘をするに際しては、消費者が同項に規定する定型約款の内容を容易に知り得る状態に置く措置を講じているときを除き、消費者が同法第五百四十八条の三第一項に規定する請求を行うために必要な情報を提供すること。
消費者の求めに応じて、消費者契約により定められた当該消費者が有する解除権の行使に関して必要な情報を提供すること。
消費者は、消費者契約を締結するに際しては、事業者から提供された情報を活用し、消費者の権利義務 その他の消費者契約の内容について理解するよう努めるものとする。