第百十七条第一項各号(第四号を除く。)に掲げる事項は、破産債権の調査において、破産管財人が認め、かつ、届出をした破産債権者が一般調査期間内 若しくは特別調査期間内 又は一般調査期日 若しくは特別調査期日において異議を述べなかったときは、確定する。
破産法
第四款 破産債権の確定
裁判所書記官は、破産債権の調査の結果を破産債権者表に記載しなければならない。
第一項の規定により確定した事項についての破産債権者表の記載は、破産債権者の全員に対して確定判決と同一の効力を有する。
破産債権の調査において、破産債権の額 又は優先的破産債権、劣後的破産債権 若しくは約定劣後破産債権であるかどうかの別(以下 この条 及び第百二十七条第一項において「額等」という。)について破産管財人が認めず、又は届出をした破産債権者が異議を述べた場合には、当該破産債権(以下「異議等のある破産債権」という。)を有する破産債権者は、その額等の確定のために、当該破産管財人 及び当該異議を述べた届出をした破産債権者(以下 この款において「異議者等」という。)の全員を相手方として、裁判所に、その額等についての査定の申立て(以下「破産債権査定申立て」という。)をすることができる。
ただし、第百二十七条第一項 並びに第百二十九条第一項 及び第二項の場合は、この限りでない。
破産債権査定申立ては、異議等のある破産債権に係る一般調査期間 若しくは特別調査期間の末日 又は一般調査期日 若しくは特別調査期日から一月の不変期間内にしなければならない。
破産債権査定申立てがあった場合には、裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、決定で、異議等のある破産債権の存否 及び額等を査定する裁判(次項において「破産債権査定決定」という。)をしなければならない。
裁判所は、破産債権査定決定をする場合には、異議者等を審尋しなければならない。
破産債権査定申立てについての決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
破産債権査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下「破産債権査定異議の訴え」という。)を提起することができる。
破産債権査定異議の訴えが提起された第一審裁判所は、破産裁判所が破産事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第八項 又は第九項の規定のみである場合(破産裁判所が第七条第四号の規定により破産事件の移送を受けた場合において、移送を受けたことの根拠となる規定が同号ロ 又はハの規定のみであるときを含む。)において、著しい損害 又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該破産債権査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所(同項に規定する地方裁判所がない場合にあっては、同条第二項に規定する地方裁判所)に移送することができる。
破産債権査定異議の訴えは、これを提起する者が、異議等のある破産債権を有する破産債権者であるときは異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該破産債権者を、それぞれ被告としなければならない。
破産債権査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。
同一の破産債権に関し破産債権査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論 及び裁判は、併合してしなければならない。
この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。
破産債権査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、破産債権査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。
異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、破産債権者がその額等の確定を求めようとするときは、異議者等の全員を当該訴訟の相手方として、訴訟手続の受継の申立てをしなければならない。
第百二十五条第二項の規定は、前項の申立てについて準用する。
破産債権査定申立てに係る査定の手続 又は破産債権査定異議の訴えの提起 若しくは前条第一項の規定による受継に係る訴訟手続においては、破産債権者は、異議等のある破産債権についての第百十一条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について、破産債権者表に記載されている事項のみを主張することができる。
異議等のある破産債権のうち執行力ある債務名義 又は終局判決のあるものについては、異議者等は、破産者がすることのできる訴訟手続によってのみ、異議を主張することができる。
前項に規定する異議等のある破産債権に関し破産手続開始当時訴訟が係属する場合において、同項の異議者等が同項の規定による異議を主張しようとするときは、当該異議者等は、当該破産債権を有する破産債権者を相手方とする訴訟手続を受け継がなければならない。
第百二十五条第二項の規定は第一項の規定による異議の主張 又は前項の規定による受継について、第百二十六条第五項 及び第六項 並びに前条の規定は前二項の場合について準用する。
この場合においては、
第百二十六条第五項中「第一項の期間」とあるのは、
「異議等のある破産債権に係る一般調査期間 若しくは特別調査期間の末日 又は一般調査期日 若しくは特別調査期日から一月の不変期間」と
読み替えるものとする。
前項において準用する第百二十五条第二項に規定する期間内に第一項の規定による異議の主張 又は第二項の規定による受継がされなかった場合には、異議者等が破産債権者であるときは第百十八条第一項、第百十九条第五項 又は第百二十一条第二項(同条第七項 又は第百二十二条第二項において準用する場合を含む。)の異議はなかったものとみなし、異議者等が破産管財人であるときは破産管財人においてその破産債権を認めたものとみなす。
裁判所書記官は、破産管財人 又は破産債権者の申立てにより、破産債権の確定に関する訴訟の結果(破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定の内容)を破産債権者表に記載しなければならない。
破産債権査定申立てについての決定に対する破産債権査定異議の訴えが、第百二十六条第一項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときは、当該決定は、破産債権者の全員に対して、確定判決と同一の効力を有する。
破産財団が破産債権の確定に関する訴訟(破産債権査定申立てについての決定を含む。)によって利益を受けたときは、異議を主張した破産債権者は、その利益の限度において財団債権者として訴訟費用の償還を請求することができる。
破産手続が終了した際 現に係属する破産債権査定申立ての手続は、破産手続開始の決定の取消し又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。
破産手続終結の決定により破産手続が終了した場合において、破産手続終了後に破産債権査定申立てについての決定があったときは、第百二十六条第一項の規定により破産債権査定異議の訴えを提起することができる。
破産手続が終了した際 現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続 又は第百二十七条第一項 若しくは第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者であるものは、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは、第四十四条第四項の規定にかかわらず、中断しないものとする。
破産手続が終了した際 現に係属する破産債権査定異議の訴えに係る訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し 又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは終了するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。
破産手続が終了した際 現に係属する第百二十七条第一項 又は第百二十九条第二項の規定による受継があった訴訟手続であって、破産管財人が当事者でないものは、破産手続開始の決定の取消し 又は破産手続廃止の決定の確定により破産手続が終了したときは中断するものとし、破産手続終結の決定により破産手続が終了したときは引き続き係属するものとする。
前項の規定により訴訟手続が中断する場合においては、第四十四条第五項の規定を準用する。